光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

乳幼児期は五感を育てる時期。
だから、
ピアノを習わさなければ!
クラシック音楽を聞かせよう!

と、
私たち大人は、
今、
身近にないものを、
子ども達に与えようとします。
でも、
五感の中の“聴覚”を育むとき、
果たしてすぐに楽器を習わせる必要があるのでしょうか?
確かに、
ある子どもがピアノに興味を持ち、
自分から触れ、
音を奏で、
そしてピアノを弾くようになる…
ということはあると思います。
でも、
例えばここ、
カノアの保育園において、
子ども達の家には楽器はありません。
近所のお店に楽器を売っているところもありません。
音楽は近所から聞こえる騒がしいものばかり。
では、
子ども達は音と触れ合っていないのでしょうか?
いいえ。
耳を澄ますと、
たくさんの音であふれています。
その音を、
自らの体で表現することもできます。

「目を閉じて。
何が聞こえるかな?」

そう私が言うと、
子ども達は静かに目を閉じ、
耳を澄まします。
そして私が聞こえない音まで、
さらには、
一つの音から物語を紡ぎだしたりします。

保育園では、
日常的に歌を歌い、
それに合わせて体を動かし、
1日の中にたくさんの音が奏でられています。
さぁ、
明日はどんな音が聞こえるかな?
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私たちが実施している、
「ライフスキルトレーニング」
教師へのトレーニングから、
その教師が自らの学校にて生徒に対する授業を実践する、
新たなステップへと入っています。

今日、
小さな学校での授業。
9年生(中学3年生)が対象でした。

始めは緊張しているのか、
静かにしていた彼らですが、
教師の語り掛けに応えるようになり、
途中からは自分の意見を述べ、
友達と話し合い、
それをまた周囲に伝えるという、
素敵な授業となりました。

この授業の最後。
ある生徒が言った言葉に、
授業をした教師は、
涙ぐんでしまいました。

「僕たちは、
いつも色々なことで悩み、
苦しんでいるけど、
今日、
僕たちが今、必要としていることを、
一緒に学ぶ機会を作ってくれ、
本当に感謝しています。
自分を知り、
自分を信じていくことで、
自信が持てるようになり、
生きていくことが楽に、
楽しくなっていくと思います。
そして、
友達や家族、
周りにいる人全ての人に対して、
同じような気持ちを持ってもらえるように、
自分に何ができるのか、
考えていきたいです。
先生、
いつもそばで見守ってくれていてありがとう。
先生、
僕たちが必要としていることを知っていてくれて、
ありがとう。」
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先日、
突然メールで連絡があり、
私たちの活動を見学し、
もし時間が取れれば、
教師たちに対して講座を開くこともできる…という。
彼女自身のことは知らないが、
彼女の仕事、
それらをサイトで見ていたこともあり、

“あの人が直接話をしてくれるのならぜひ!!”

と、
教職員にも話をし、
急遽勉強会を開くこととなった。

テーマは、
『1年のリズムにおける、行事』

私たちは1年の中で、
その季節に応じて、
ブラジルは宗教的な祝日も多くあるため、
そういった祝祭など、
それらを取り入れ、
1年の活動計画を立て、
毎月の活動が決定されていく。
中には、
特に私にとって宗教的な祝祭に関しては、
深いところまで理解できていないことも多く、
それらに関しては、
担任教師に任せていることが多々ある。
そんな中での今回のMileneの訪問。
今までよく理解していなかった部分を補ってもらうべく、
私はこの勉強会を個人的にとても楽しみにしていた。

彼女の話は、
まず、
心と体、
そのバランスについてから始まった。
一見、テーマとはあまり関係なさそうな話。
しかし、
1年の流れ、
その中に位置する季節や行事について話している中で、

「なるほど。
だから導入部分で心と体の話をしたのか」

と、
納得することがたくさんあった。

子どもは保育園に通う1年の中で、
私たちが準備した環境を通して、
多くのことを学んでいく。
それは部屋の飾りつけや使う道具、
教師の立ち振る舞いだけではなく、
季節やその時の行事にも大きく左右されることがある。
ブラジルでは年度始まりが1月のため、
クリスマスを過ぎ、
正月を迎え、
カーニバルを終え、
もしくはその少し前に新学期が始まることとなる。
例えば、
カーニバルの前に新学期が始まるときと、
後に始まるとき。
これによって、
子どもの心の動きや、
周囲の環境は大きく異なる。
カーニバル前に新学期が始まるときは、
子どもはいつも以上に落ち着かず、
家族や周囲もカーニバルを迎えるために騒がしく、
とてもじゃないが、
何か活動を取り入れる状態にはならない。
そのため、
保育園内では、
できるだけ静かな環境の中で過ごせるよう、
教師は準備を進めていく。

今回の勉強会の中で、
自分の考え、感じていること。
自分の立場。
そして、
他人の考えや感じていること。
その立場。
一人一人異なっていることは当然あり、
それこそが人間の面白みともいえるのだが、
その中で、
自分の今の状態、
バランスを考えてみると、
「おっと、
これが足りなかった。」
「あつ、
ちょっと重すぎるかな」
など、
それができるかできないかで、
社会の中での生き方が大きく変わっていく。
そんなことを強く感じることができた。

バランスを取ること。

これは意識しないとできないことで、
簡単な時もあれば、
それを実践するのが難しいときもある。
でも、
一番大切なことは、
いつも自分に問いかけることではないか?
今回の学びは、
そのことであったように思う。
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小学校入学前。
子ども達にはさみやナイフを使わすということ。

「危ないから!」

と、
そういったものに触れさせることのない家庭もあるかもしれない。
でも、
私たちはあえて、
3〜5歳児の異年齢クラスの中で、
はさみやナイフを使います。
といっても、
突然ある日、

「ハイ」

と渡すのではなく、
そこに至るまでは、
きちんとプロセスがあるのです。

例えばナイフ。
ブラジルは食事をするときにフォークとナイフを使います。
しかし子どもには危ないからと、
小学校入学前まではスプーンのみという家庭もあります。
でも、

“危ない”

ということを知らずに、
大きくなったからと大人が判断し、
使っていいというのは少し変ではないですか?

私たちはまず、
週に1度、
給食づくりのお手伝いやお菓子作りをする、
“料理の日”
において、
給食のスープの野菜を切る…
といったことから、
少しずつナイフを使っていきます。
この時は教師が少数の子どもに対して、
見守りながら使用します。
全ての子どもがきちんと使い方、
人への渡し方、
片付け方、
洗い方などを学んだ後、
給食をフォークとナイフで食べる日がやってきます。

幼いころからはさみやナイフに触れ、
指を切ったりと、
危ない、
痛いということを学び、
それを大切に扱うことを知っていると、
大きなけがをしないものです。
これは今までの保育園での体験に基づいています。

今日、
後期になって初めて、
フォークとナイフを使用して給食を食べました。
子どもの真剣な顔。
また一つ、
成長を感じられる場面でした。
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我が家には2人の女の子がいますが、
今日は二女の話を少し…

二女はただいま小学4年生。
年齢の割に夢想家で、
落ち着きがなく、
そのくせ人見知りで、
慣れると人懐っこい。
まるで犬のような娘です。
その笑顔にいつも癒される私は、
ついつい甘くなりがち。
それでも、
大きくなるにつれ、
長女ほどではないにしても、
自己主張が強くなり、
反抗的になることもしばしば。
それでも、
嬉しいことでも、
悲しいことでも、
言葉と体で表現してくれるので、
親としてはとってもわかりやすく、
安心できる存在でもあります。

そんな彼女。
いつからか、
将来の夢が“保育士”に。
私と同じ道を歩んでくれるというのは本当にうれしい話。
そして先日、
突然こんなことを言い出しました。

「ママがおばあちゃんになって、
仕事するのが疲れちゃったら、
私がママに代わって保育園の園長先生になるよ。」

目に涙がたまるほど嬉しい言葉。
しかし一つ気になることが…

“ママがおばあちゃんになって”
とは、
どのくらいの年齢を想定しているのだろうか?
すると、
先日一緒に旅をした方の中に、
80歳になる方がいたのですが、
その人を想像して言ってくれたらしい。。。
ってことは、
私が80歳過ぎないと継いでくれないのか(笑)

それでも、
娘のその言葉。
とっても嬉しかったです。
でも、
もう少し早めにお手伝いを始めてくれると嬉しいなぁ〜
というのは望みすぎですかね???
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私たちが実施している、
「ライフスキルトレーニング」
昨年度から、
教員に対するトレーナー養成を行っています。
そして今月より、
座学を終了した教員たちが、
自らの学校にて、
生徒たちに「ライフスキルトレーニング」を実施しています。
参加している学校によって温度差はありますが、
今日参観した学校は素晴らしかった!!
昨年から少しずつ、
学んだことを自身の授業の中に取り入れ、
実施してきており、
子ども達も始めは恥ずかしがっていたものの、
(10名ほどの教員が参観に来ていたので)
次第に自分の意見を伝え、
議論し、
学び合う姿が見受けられました。
何よりも、
学校の他の教員たちもその授業の様子を体験し、
自分の授業への取入れ方を考えていた姿を見て、
本当に驚いたと同時に、
教員に対するトレーニングという方法が、
間違っていなかったのだと、
確信することができ、
本当にうれしかったです。

今月から私の知らない多くの地域を訪れ、
交流しているのですが、
考えていた以上にとっても楽しく、
自分でも驚いています。
先生たちの成長を見ていると、
それが可能だと信じることができ、
今後にも期待できそうです。
さて、
明後日もまた、
別の地域に行ってきます。
どんな出会いがあるのか、
今から楽しみです。
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以前にも紹介したことがあるのですが、
カノア保育園の第一期生で、
今はドイツの大学で学んでいる、
"Viviane"が、
休暇を利用してカノアに戻ってきています。
ドイツ語の語学学校から、
大学への入学の際、
何を学ぼうかと悩んでいた彼女ですが、
自身の幼児期の体験から、
なんと、

「保育士」

になることに決めたそうです。
ということで現在、
ドイツの大学の教育学部幼児教育専攻で学んでいるとのこと。

自分の将来の夢を考えたとき、
今までの人生の中で一番幸せだった時、
その思い出が頭に浮かんだそうです。
そして、
自分自身もそんな風に子ども達に幸せを与えてあげたい。
だから、
保育士になりたいんだと話してくれた時の彼女の顔。
声。
表情。
しぐさ…
本当にうれしくて、
私の眼には涙がたまっていました。

夢の実現に向けて歩み始めた彼女。
今まで以上に、
応援していきたい。

皆さんもぜひ、
彼女を応援してあげてください!!
図1図2

2017年8月2〜4日の3日間、
慶応義塾大学医学部国際医学研究会の活動が、
Pedregal地域の学校で行われました。
サンパウロの眼科医、歯科医と研修生、
そして、
アラカチ市の大学、
FVJ(ヴァリ・ド・ジャグアリビ大学)の看護学部の学生、
アラカチ市保健局から看護師、医師、歯科医他、
皆さんの協力を得て実施されたこの活動。
毎年恒例となっているものの、
受け入れ体制が異なっていることもあり、
初日はいつもドキドキしてしまいます。

新学期始まってすぐの活動だったのですが、
学校関係者の素晴らしい対応と協力のおかげで、
予定されていた活動をすべて実施するができました。

全校生徒を対象にした今回の活動。
とにかく、
できる限りスムーズにすべての工程を行うために、
試行錯誤を重ね、
1日目の午後にはそれぞれの担当が自分のやりやすい方法をきちんと導き出せていたような気がします。

3日目。
初日にどうしても検査をしないと拒否を続けていた生徒に、
教師と一緒に話しかけていました。
彼は14歳。
出産時に水頭症を患っており、
知能障害、
視力の低下が認められていました。
右目は既に失明。
左目は視力が残り40%という状態。
せっかく眼科医もいるので、
ぜひ検査してほしいところ、
なかなか部屋に入ってくれません。
何とか教師が付き添いながら検査を開始。
最後の眼科医との診察の中で、

「先日母と眼鏡屋さんにいるお医者さんに行きました。
そこでお医者さんは、
“右目は失明、
左目もこのままでは失明する。
右目は眼球を取り出す手術をする必要があり、
スポーツなどの活動も控えた方がいい。”
と言いました。
母は泣いてしまいました。
だから僕は検査をしたくなかった。
これ以上傷つきたくなかった。」

と話しました。
それを聞いた私の友人でもある眼科医は、

「右目は失明し、
左目の視力は約40%。
それは間違っていないけど、
今の状態であれば、
左目の視力が失明まで至る危険はないだろう。
眼球の手術も、
痛みなどを伴っていないのであれば、
する必要はない。
スポーツや遊び、
自分の好きなことはどんどんやっていいよ。
だって、
今だって走ったり、
遊んだりできているんだろう?
もし必要なら、
明日お母さんを連れておいで。
直接話をしてあげるから。
必要な時はいつでも連絡して。
来年もまた、
ここに戻ってくるから。」

と語りかけました。
それを聞いた生徒は今まで見たこともないような笑顔を見せ、
本当にうれしそうに、
部屋を出ていきました。

1年に一度。
活動の一部は市の保健局が引き継ぎますが、
眼科医のこうした診察は、
この地域では貴重なもの。
私たちがこの活動を実施する意義を、
感じた瞬間でした。

関わってくれている皆さん、
本当にありがとうございます。
そしてまた来年、
お待ちしています!!
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私はいつも、
「自分らしく生きたい」
と思い、
まっすぐに、
馬鹿正直に、
時には周囲の人に迷惑をかけながら、
生きています。
それが可能なのは、
私自身がいつもゆるぎなく、
目指すところが少しずれたり、
寄り道をしても、
山の頂上を目指して、
登っている。
そんなイメージをいつも持っているからかもしれません。
それでも時には、
本当にこれでいいのか。
大丈夫なのか。
続けていけるのか。
と、
悩み、
苦しむことがあります。

下重暁子さんインタビュー 第1回
81歳の今だから語れること「子どものいない人生に一度も後悔はありません」
http://wotopi.jp/archives/59049
の中に、
こんな言葉がありました。

『いろんな人がいて、いろんな声がある。
その中で、毎日自分を確認していかなきゃいけないわけですから。
本当に間違いがないかな。
私は本当にそれで生きて行けるのかなと思考を繰り返すことで、
で自分という人の基礎ができる。
最初からしっかりしている人なんてどこにもいませんよ。』

私はまだ人生の半分くらいを歩いているところ。
なんだかこの言葉に勇気づけられ、
これからもまだまだ思い切っていけそうな気がしてきました。
さて、
目指すところは......

2017年7月18日(火)
今日、
今までカノアで実施してきた
「地域子育て支援ネットワーク」

市内の他地域に広げる第一歩としての集まりがありました。
JICA草の根技術協力事業で実施している活動の一つ、
「地域子育て支援ネットワーク」
2015年で終了した事業では、
カノア・ケブラーダ地区に創設し、
根付かせることが目的でしたが、
昨年より、
市内の対象6地域にこのネットワークの創設をすべく、
活動を開始しました。

昨年はカノアのメンバーに対する研修を行い、
それぞれが、
他地域に創設の手伝いをすべく、
トレーナーとして学んできました。
そして本日、
対象6地域…のはずが、
うわさを聞き付けた他の地域の方も参加して、
「地域子育て支援ネットワーク」
創設に向けての第一歩。

市民(コミュニティーリーダー)が中心となり、
自らの地域で活動するネットワーク。
このネットワークには
様々な職種の人が参加し、
活動を共にすることが根本としてあります。
今日の会合にも
保健局、社会福祉局、教育局からの参加者をはじめ、
市内にある大学関係者、
市議会委員も参加するなど、
アラカチ市において、
このネットワークが重要視されていることが伺える場となりました。

ポジティブなエネルギーを受け、
私自身もよりエネルギーを得た今日。
今後の活動にも大きく期待したいところです。
皆様ぜひ、
楽しみにしていてください!!
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