光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2007年07月

41da8ded.JPG私が活動を始めたばかりの頃、
2、3年くらいここで・・・
と考えながら
エヴァさんと共に活動を行っていました。
私もエヴァさんもいつカノアを離れるか分からない。
そんな思いが強かったために、
常に現地のスタッフの育成に
力を入れてきました。
子ども達との接し方、
保育園へのかかわり、
親や地域との協力、支援。。。
出来ることは力の限り行い、
今日まできました。
しかし、
いつも力不足に感じることは

『教師、専門知識の向上』

に関することでした。
カノアには講座やワークショップ、
講演会などは全くなく、
州都フォルタレーザにおいても、
自分達が必要としているものが
常にあるわけではありません。
しかも、
スタッフの交通費や参加費を考えると、
到底叶えられるものではないのです。

そこで、
可能な限り、
長期休暇等を利用して
私達の活動の種を撒いてくれた
“モンチ・アズール”
での研修を行うのでした。

今年は保育園で担任を勤める、
“エリアーナ”
が、
一ヶ月間モンチ・アズールにて研修を行いました。
セアラ州を出たことのない彼女。
そんな彼女が、
冬真っ只中のサンパウロにいき、
7月27日、
無事に研修を終えました。

どんな事を学んだのだろうか???

そんな好奇心が沸き起こる私達スタッフ。
彼女の報告を
楽しみにしている、
私達です。
そして、
皆さまにもその一部をぜひ、
ご報告させていただきますね。

60f658d8.JPG日本に戻ると、
私の歩調は軽やかになる。
カノアでは、
一面が砂地のため、
足が捕らわれてしまい、
一歩を出すことが大変なのだ。
そして、その一歩一歩を噛み締めながら
歩いていく。
確実に踏み出していくその歩。
それはそれで、
人生をも物語っているようにも感じ、
一歩の重さをずしんと心に感じる。

そして、
日本で育った私には、
平坦で、
コンクリートという、
誰にでも歩けそうなこの道のほうが、
歩調が合っているようだ。
そのために、
足取りは軽やかに、
軽快になる。
逆に、
娘の場合は、
砂地での生活に慣れているため、
その一歩一歩は重たく、
歩を進めるのに、
その一歩一歩を力強く出していくのである。
傍から見ていると、
『もっと軽やかに歩きなさい』
と言いたくなるのだが、
これもまた彼女の個性。
その力強い一歩が、
一歩一歩を大切にしている姿に見え、
微笑ましくも感じてしまうのである。

歩き方。
どこに住んでいようと、
どこで育とうと、
人それぞれの歩き方は全く違う。
だからこそ、
その一歩一歩を
大切に出していきたいと思う。

cebcbc01.JPG日本に一時帰国して早2週間。
慌しく日々が過ぎていっているのですが、
日常生活の中で、
ふと気づくびっくりすること。
それが、
年々増えていっているような気がしている私。
それは、
私自身が日本の習慣に不慣れになってきているのか、
それとも、
どこか別の問題があるのか・・・
それはさておき、
いくつか驚いた事をご紹介したいと思います。

まず、
子どもと親の関係。
確かに一緒に居るのに、
隣に座っているのに、
まるでそこに子どもが存在しないかのように振舞う親達。
子どもが座っているのに、
目を向けることも、
語りかけることも、
触れ合うこともなく、
親は親で携帯や本に夢中になり、
子どもは黙って座っているか、
走り回っているか・・・
“これが今の日本で日常的に起こっていることなのだろうか???”
と、
考えずにはいられません。

何歳になってもベビーカーにのり、
オムツをしている子ども達。

親が親として、
子どもを育てていくということ。
それがもはや自然に行えなくなってきているという事実。
それをこの短期間で、
何度も目にすることとなりました。

『子育て支援』
という言葉をよく耳にするようになった今日この頃。
確かに、
ふとした疑問を口に出し、
それに答えてくれる人と出会うことが
困難な時代を迎えているのだということは
想像に難しくありません。
こういった光景を目にすればするほど、
カノアでの、
親子関係や、
人間関係が
とても貴重で、
大切なものに思えて仕方がないのです。

貧しくても、
教養がなくても、
人間として確かなものがある。
そんな場所で、
学び得た事を
もっともっと日本において
伝えていく事が出来るようになればと
願っている私なのです。

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