光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2007年09月

f460b04e.JPG現在滞在中のボランティアの一人、
イギリス人のRoxanaは
幼稚園教諭であり、
また、
幼児教育の教員養成コースでも教えています。
そこで、
毎週一度、
保育園及びプレ・エスコーラで
子ども達と行っている『水彩画』の活動について、
今一度学びを深めるために
水彩画教室を開きました。

水彩画に入る前に、
子どもとの生活の中で大切な
“リズム”
についての話がありました。
人は呼吸というリズムによってこの世に命を受け、
そして、
世界には
一日のリズム、
季節感など、
収縮と拡散のリズムの中で
私達は生活しています。
したがって、
保育室や学校でも同じこと。
集中する時間の後は
思いっきり体を動かして遊ぶ。
ずっと集中していると、
息が詰まってしまい、
特に子どもの場合は
耐え切れずに
突然多動になってしまうこともあります。

リズムについて理解した上で、
水彩画の準備の話。
準備は必ず子どもと一緒に行うこと。
そして、
お話をして、
歌を歌いながら
子ども達の心を静め、
ゆったりした時間の中で
水彩画を楽しみます。
紙をぬらす方法で行うこの水彩画は
濡らし絵とも呼ばれ、
何かを描こうと思っても、
どうしても交じり合ってしまい、
うまくいきません。
だからこそ、
赤、青、黄色という三色の色しか使わないにもかかわらず、
そこには
七色もの色が現れてくるのです。

今回私達は、
“虹”を書きました。
といっても、
それぞれ形は様々です。

その後、
皆の絵を見てまわります。
面白い事に、
現地スタッフのほとんどは
原色がキレイに現れており、
赤がしっかりと色づいています。
一方、
講師であるイギリス人の彼女は
淡く交じり合った色合いでした。
そして私達日本人は
その中間といったところでしょうか。
その色の変化も、
なんとも面白いものです。
あたかも、
内面を映し出しているかのようでした。

最後に、
彼女が話してくれたお話を
書いておきたいと思います。

『赤、青、黄色の三人は
とても仲良しで、
ダンスがとっても好きでした。
ある日、
それぞれ二人ずついたので、
パートナーをくんで
踊ることとなりました。
赤と青、
青と黄色、
黄色と赤。
ワルツを踊っているうちに、
それぞれの色が混ざり合い、
なんと、
三色の新しい色が生まれていました。
紫、
緑、
オレンジ。
新しく生まれたこの色たちは
いつまでも、
仲良く暮らしましたとさ』


8d72a4e0.JPG先週から今週にかけて、
保育園の保護者から
続けざまに苦情が入ってきました。

“何度も同じ子どもに噛まれるとは
教師はどういう対応をしているのですか?”

“ぶったり叩いたり、
そんな子どもがいるらしいですね。
子どもが保育園に行きたがりません。”

“うるさくて嫌だと、
子どもが言います。
どういうことですか?”

などなど・・・・・

8月から新しい助手となり、
そして、
4人の子どもが新たに入園しました。
新学期というのは、
いつも慣れるまでに時間がかかるもの。
しかし、
9月半ばを過ぎ、
それでも尚、
教室の状態は改善されませんでした。
とくに、
多動の強い子どもが2人いて、
そのうちの一人が
クラスの子どもすべてを引っ張ってしまう。
そんな状況だったようです。
そして、
助手と担任教師の息が合わず、
噛まれたり、
ぶたれたり・・・
ということが
繰り返し行われ、
それを未然に防ぐことも出来ていませんでした。

『このままでは、
来年になったときには
誰も保育園に通園させたくなくなってしまうのでは?』

スタッフの一人がそんな事を言うようになりました。

確かに。
それほどまでにひどい状況で、
それがこうなるまで、
担任教師からの報告がなかったのです。

まずは個別に家族との面会。
話し合い。
そして、
助手を含む担任教師との話し合い。
今週は毎日、
そういった事に費やされました。

一つの小さなことが
大きな問題になりかねない。
それが積もり積もるほど、
解決は難しくなってしまう。
今、
この状況の中で、
出来る限りの事をしていかなければならない。

子どもが安全に、
信頼を持って、
保育園に通ってきてくれる。
これは
基本的な条件。
そして、
信頼が壊れた日には、
再び子どもの信頼を取り戻すのは本当に難しい。

子どもが笑顔で、
毎日、
保育園に通ってくれること。
そんな当たり前のことが、
今はなんとも切望される。
以前のような、
信頼厚い、
笑顔溢れる保育園に
早く戻りますように。。。

6ff048af.jpg私達の今の課題。
それは、
今ある人材にもっと多くの学びの場を提供すること。
そして、
新たに人材を発掘していくこと・・・

私達の活動するカノアでは、
講座や勉強会、
セミナーなどが開催されることは全くと言っていいほどありません。
だからこそ、
私たち自らが企画し、
運営、調整しながら
勉強会を開催しています。
それが行えているからこそ、
今現在でも、
その知識の向上に努めているのだと思います。

しかし・・・
ふとしたときに浮かんだ疑問、
知りたいこと、
学びたいこと、
それらの答えを見つけることは
容易ではありません。
そんな中、
昨日、
私は朝4時半に家を出て、
州都フォルタレーザに出張に行きました。
眠い目をこすりながら
話し合い、
さらに話し合い・・・
それが報われたのか、
新しい道が
少しずつ開けてきました。
まだ形になるまでには時間がかかるかもしれませんが、
それでも初めの一歩。
それを大切に、
前に進んでいきたいと思います。

ちなみにこの日、
家に到着したのが夜の7時。。。
なぜか娘はハイテンションで、
お話が止まらない、
遊びが止まらない・・・
でも、
お風呂に入り、
本を読んでいたらZzzzz・・・・
寝ていました(笑)
“明日はゆっくり一緒に居る時間をつくるからね。”
と、
寝ている娘に声をかけていた
私でした。。。

059d701f.jpg慶応大学の熱帯寄生虫学教室で働く三浦先生により、
9月3、4日の2日間に渡ってぎょうちゅう検査が行われ、
その結果を本日、
関係者全員に知らせました。

2005年、
慶応大学医学部国際医学研究会による
ぎょうちゅう検査。
なんと、
私の娘を含めたすべての幼児童が陽性。
結果100%陽性となり、
エステーヴァン村すべての住民に
薬を配布しました。

そして今回。
また同じような結果になるのでは・・・
誰もがそう思っていました。
保護者も結果を早く知りたいのか、
いつも8時から保護者会といっても
9時以降にしか来ない人たちが、
予定よりも10分前に到着。

そして・・・
検査の結果とは関係ない、
ボランティアの紹介や、
会計報告などを済ませ、
最後に結果発表。。。

結果はなんと、
37人中3人という、
8%陽性でした。
ただ、
回収日に遅れて届けに着た13人に関しては
検査結果を出すことができず、
その結果次第では数字も異なっていたかもしれませんが・・・

なんともめでたい結果に対し、
保護者達は、
『それでもぜひ子ども達に薬を飲ませてほしい!!!』
という始末。
なかには、
『この子にいなくても、
この子のお姉ちゃんは絶対持ってる!!!』
なんて断言する人さえいて、
会場は大笑い。

少しずつ、
衛生問題が向上してきている、
その結果なのかもしれません。

手洗い、
うがい、
野菜などの水洗い etc...

これからも引き続き、
地道な衛生問題の講義を
続けていきたいと思います。

fa7b6ea7.JPG9月9日(日)。
カノアの漁師さんにとっては、
待ちに待った一大イベント、
“Regata do Estevao”
が開催された。

漁師さんが主催で行われているこのヨットレースは、
漁に使う帆船でレースをする。
自身の船を使ってのレースなだけに、
皆すごい気合の入れようだ。

3ヶ月くらい前から船の調整。
それから当日までは
漁をしていても、
その走り具合を調べるほど。
レースは、
速くなくてはいけない!!!
なので、
船の修理にも余念がありません。
また、
レースの参加者には新しい帆が進呈され、
それだけでも漁師さんには嬉しい限り。
(5位入賞までは賞金が、
参加者全員には食料が贈られる)

当日。
37の船が、
2つのカテゴリーに分かれてレースを行った。

4年連続優勝している我が娘の船。
さて今年は!?
期待を胸に観戦。
なんと、

今年も優勝でした!!!!!!!!!!!!

今まで賑わい、
慌しかった漁師さんたちが、
少しずつ落ち着きを見せている今日この頃。

漁師さん主役のフェスタが
今年も無事に終わりました。
皆さん、
お疲れ様でした!!!!!!!!!!!!!!

8a27ade5.JPGまるで日本人村のようなエステーヴァン村。
かつてないほどに、日本人が多い。
最大で15名ほど・・・

そんな日々が幕を下ろしました。
8月末より10日間滞在していた東海大学の学生達が
無事にカノアを発ち、
本日フォルタレーザへと向かいました。

エステーヴァン村住民協会と行っている建設プロジェクトに
参加してくれた彼ら。
まだ建設が始まっていないだけに、
掃除や土地ならし、砂かきetc...
肉体労働を毎日のようにこなし、
そして、
村が、
住民自身の手によって、
よりよい生活を送っていける事を目指し、
ニーズ調査。
スタッフ会議に
保護者会、
家庭訪問など、
直接住民の声を聞くために、
時間を費やしました。

住民からの大歓迎を受け、
そして、
フェスタによる送迎会。
惜しまれながらも帰国の途についた彼ら。。。

なかなか思ったように住民が集まらないこともありました。
通訳を通さないと話せないために、
苦しいときもありました。
それでも、
彼らの積極的な活動は
私達の今後の活動に
必ず結びついていくことでしょう。

本当にありがとう!!!

昨今、
カノアに来るボランティアの半分は
モンチ・アズールですでにボランティア経験を積んだ人たちである。
日本人のみならず、
ドイツ人やイギリス人、
本当に様々な人たちが私達の活動を支え、
力を貸してくれていることが分かる。

そして先週、
イギリス人女性で、
幼稚園教諭でもあり、
イギリスでシュタイナー幼児教育教員養成コースで働いている人が
ボランティアとしてカノアにやってきた。
残念ながらポルトガル語が余り分からないため、
私の拙い英語と、
ドイツ人ボランティアによって、
何とか意思の疎通を図っているという状態である。

通常は、
保育園へのボランティアは受け付けていない。
小さな子ども達には、
突然知らない人がやってきて、
一ヶ月でいなくなるというのは
余りに大きなショックであり、
子どものみならず、
クラス中が手におえない事態になりかねない。

しかし、
幼稚園教諭でもあり、
教員コースでも働いている彼女は、
園の生活リズムをすぐに掴み、
少しずつ子ども達もなれてきているようだ。
今日、
子どもがハンモックに揺られながら、
彼女の歌声を聞き、
寝入ってしまっていたほど(笑)

今保育園には
4人の多動傾向の子ども達がいる。
担任教師は、
この子達に目を向けていると、
他の子ども達が目に入らなくなってしまい、
最後には子どもをきちんと見ることができないという
自体になってしまっていた。

そんなときにやってきた救世主。
このイギリス人女性、『Roxana』は、
そのうちの2人の子ども達の担当となり、
一ヶ月を過ごすこととなる。

誰かがいてくれれば・・・
そう思っていた矢先の
彼女の到着。
まるで何かがここに彼女を呼び寄せたよう。。。

一ヶ月。
それで何が変わるか分からないが、
彼女の対応を見て、
そして、
子ども達の様子を見ながら
私達も共に学んでいきたいと思う。

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