光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2008年03月

85b42f28.JPG今エステーヴァン村の小学生の中で流行っている遊び。
それは、
“スペル当て”。

皆さんもご存知の通り、
単語を言って、
そのスペルを正しく言えた子どもが勝ちとなります。
3、4年生の子ども達に特に人気で、
歩きながら
『BONECAは??』
『B-O-N-E-C-A!!!』
と、
彼らにとっては遊びなのですが、
これは単語を学ぶいい機会になると、
私達も喜んでいます。

毎週土曜日、
年齢別のコンテストが行われます。
さて、
子ども達はどんな単語を覚えてくるのでしょうか?

日本祭を企画し、
実現させて村の青少年グループ。
彼らはお祭りに来てくれた人々皆に
手作りのお守りと、
一つの詩を渡していました。
ポルトガル語ですが、
その詩を下記に書かせていただきます。

"Meu vôo..."

Sinto-me no ar. flutuando,
tal e qual um Beija-Flor...
Sem um destino certo,
procurando uma flor,
uma flor especial.

Em todas as flores que encontro,
eu deixo meu beijo,
deixo meu carinho,
e um pouco de amor também.

Voando, suavemente,
em todas eu deixo saudade...
Porque, sem vaidade,
eu as trato muito bem...

Chego, mansinho, as toco...
Asnbeijo, devagazinho...
Afago-as com minhas asas,
em todas eu faço carinho.

Elas me exalam perfume,
me encantam com sua beleza,
num balanço sensual...
E eu sigo o meu destino,
de Beija-Flor peregrino,
em busca de uma Flor...
Uma Flor Especial !

1ff7142f.JPG3月20日。
“第二回日本祭”がカノアで開催されました。
日本人ボランティアの企画で、
村の青少年グループと協力して
実現されたお祭り。
午前中は折り紙や凧作り教室などを中心とし、
メインは『餅つき』。
午後には発表が行われ、
相撲大会で盛り上がったその勢いで、
子ども達によるヨサコイ・ソーラン節、

好評により2回も踊りました!!!
カポエラ、

村のカポエラグループが行ってくれました。
セアラ州立大学の学生による日本の踊りの発表、
そして、
学童教室の子ども達による、
友情を歌ったアフリカの歌と踊りの発表・・・

午前中は入れ替わり人は来るものの、
余り活気がなく、
“大丈夫か!?”
と、
少し心配するところもありましたが、
午後、
どんどん人が集まり始め、
盛況の内に幕を閉じることができました。

カノアの商店や、
多くの方々の協力と力添えを得て
行われた今回の日本祭。
このお祭りを通じて、
村の人々、
そして、
企画から参加していた青少年グループの心に
何かしら残るものがあった事を祈っています。

5eb8c93b.JPG私達の活動が広まり、
日本人ボランティアを始め、
各国からボランティアが集まるようになってきた今日、
そんなボランティアの後ろをついて回る
たくさんの子ども達をよく見かけるようになりました。
ボランティアの滞在期間はほとんどが1〜2ヶ月。
仲良くなったと思ったら
帰ってしまう・・・
それでも、
子ども達は揃って
彼らの傍に集まります。
そして、
その子ども達の多くは
いつも同じ顔ぶれ。

親が売春をしているために家にいない、
家に帰っても食事がない、
一人ぼっちでいるのが寂しい・・・

こういった子ども達の背景には
決まって難しい家庭事情が見え隠れしています。

それでも、
私達は村の青少年達の見本となるべき存在。
ボランティアの皆さんにも

『カノアでの常識も知る必要があるけど、
これ以上はいけないという範囲を
きちんと見せてあげることも大切だよ』

というはなしを必ずします。
夜11時。
子ども達の声がボランティアの住まいから聞こえます。
近所から苦情が何件か入りました。
夜9時までには家に帰るように促していかないといけないと
ボランティア達に話しました。

それでも、
家に帰っても誰もいない。
暗い我が家に帰る10〜13歳の子ども達。
私達の胸は痛みます。

“どこまで私達が教えていくべきか?”

それをきちんと考え、
村人との生活を送っていかなければならない。
それが、
私達の活動の一つでもあるのだから・・・

ブラジルでは毎年のように教育改革が行われており、
その中の一つとして、
留年制度の廃止というものがありました。
今までは年末が近づくと、
試験や担任教師の評価があり、
それによって進学及び留年が決定されていました。
三年ほど前、
留年制度廃止により、
すべての児童が進学できるようになりました。
その結果、
ここ数年で
識字率が低下、
学校への通学率減少など、
様々な問題が起こり、
昨年末、
ここアラカチ市では
留年制度の再度見直しが試みられ、
今年に入り、
エステーヴァン村の小・中学生をみてみると、
なんと、
80%が留年したことが分かりました。

留年制度は悪いことばかりではなく、
個々の発達によって進学することができるという
メリットもあります。
ただそれを実現させるためには
教師の力量が問われる事になるでしょう。
80%留年となった今年、
その子ども達が来年進学できるように
学校では取り組みが行われているのでしょうか?

留年制度の再度見直し。
今後どのようなことが起こるのか、
見守っていきたいと思います。

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