光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2009年08月

a9df02ab.jpg今日、
地域のお母さん達への
“料理教室”
を開催しました。
現在私たちは子ども達の栄養改善プロジェクトを実施しているのですが、
その一環として、
今回はお母さんたちからの要望の強かった
「焼そば」
作りに挑戦しました。
お母さんたちの手作り焼そばを
保育園の子ども達の給食にすることにしたため、
午前7時からスタートした料理教室。
しかし、
当然といえば当然なのですが、
やっと集まりだしたのが午前8時。
平日の朝ということで
お母さんたちの参加人数は最小限にとどまる形ではありましたが、
参加した6名は
一様にメモをとり、
真剣に取り組んでいました。

子どもたちの評判はというと…
キャベツが大きかったということもあってか
半数以上の子どもは
「まぁまぁ・・・」
と答えるという、
何とも残念な結果でした。。。

次回はぜひ、
子どもたちが
「おいしい!!!」
と言ってくれるように頑張りたいと思います。


※(株)味の素「食と健康」国際協力支援プログラムの助成金を受け、実施しています。

日本文化とは…
そんなことが気になり、
いろいろと調べてみると、
なかなか面白いうことがわかってきます。
日本文化と一言でいっても
多くのことが含まれているのですが、
中でも感心したのが、
“日本精神”についてです。

皆さんは
「幽玄」
という言葉をご存知でしょうか?
私が日本とブラジルの違いを説明するときに
さまざまな言葉を使い、
みんなに理解を求めていたのですが、
この言葉、
まさに一言でそれを示していたのですね。

「少しのことばで多くのことを考えることが可能なところに成立する美。従ってすべてを言わずとも相手に通じる」

これはまさしく日本特有のものであり、
これなくしては私たち日本社会は成り立ちません。
しかし、
他国に目を向けると、
言葉なくして何を伝えるのか・・・
と真逆の考えにぶつかります。
これこそまさにカルチャーショックであり、
コミュニケーションの大切さを学ぶためにも
私たちが今後身につけていくべきことでもあります。
それでもなお、
“無常”であることを知り、
“間”の大切さを心にとどめている私たちの文化は
他国においても意味深いものであるといえるでしょう。

ふとこうしたことを考え始めると、
ブラジルに住んでいるからこそ、
こういったことに目を向けることができるのだと
感謝せずにはいられません。

8aafc4ff.jpg価値観というと、

・道徳概念
・規律
・金銭感覚
・人間関係
・幸福感

などなど、
一口では言えないほど、
さまざまな意味を含んでいます。

私のように異国で活動をしていると、
価値観の違いを乗り越えなければいけないことが
多々あります。
それと同時に、
違いを理解しあう大切さを
伝えていくことも重要だと考えています。

どんなことをしていくにも
国レベルで、
地域レベルで、
個人レベルで、
価値観の相違からうまくいかないことが必ずあるでしょう。
それでも、
最終目標が同じであれば、
どんな道をたどろうとも、
お互いに反発し合えども
協力して行えるものだと信じています。
逆に、
あまりにも違いすぎて、
早々に切り上げることもあります。
その判断力というのは
私たち一人一人が責任を持たなければならないものでしょう。

“価値感”の違い。
そこから生まれる新たな意識。
そんなことを感じながら
毎日過ごしている私は
恵まれているなぁ〜と感じている今日この頃です。

8ae77947.jpg8月14日〜16日までの3日間、
子ども達の栄養改善に向けてのプロジェクトが実施されました。
まずは保護者会の場で、
再度プロジェクトの説明、
保護者の人の関心は高く、
自分たちはどんなことを知りたいのか、
何を学び、
子どもたちにどうなってほしいのかという意見まで出ました。
その後、
“昨日の食事チェックシート”を実施し、
子どもの栄養バランスを調べました。
現在は私たちの保育園に通ってきている子ども達30名が対象なのですが、
その兄弟、
いとこ、
友人などなど・・・
みんなが参加したいと私たちのもとを訪れ、
今一度プロジェクトの経緯を説明し、
健康診断を行うのは問題ないが、
講座やセミナーへの参加は困難であることを説明した。
今後、
参加者の状況を見ながら、
無理のない範囲で、
村の人たちに参加してもらおうと検討中。

それにしても、
一番驚いたのが
母親の栄養への関心の高さ。
なぜ今までもっと子どもたちの食事に関して
注意してこなかったのかが不思議なくらい。
でも、
こういったきっかけがなければ、
自分たちの日常生活を振り返ることがなかったのかもしれません。
今後のプロジェクトに期待したいと思います。

現在協力機関である、フォルタレーザ大学の栄養学を学んでいる学生が教員とともに現地を訪れ、事業の実施を行っています。
こういった大学機関との連携が今後の継続した活動へとつながっていくことを期待しています。


※(株)味の素「食と健康」国際協力支援プログラムの助成金を受け、実施しています。


9129ce6a.jpg先日知人と話していた時、
彼女の娘の話になりました。
11歳になるその子は
身長165cm以上あり、
すでに女性的な体つきになっています。
しかし、
本人もその変化についていけておらず、
朝、
鏡を見ると、
自分の姿にいまだ驚いているそうです。
確かにその子。
まだあどけなさが残る顔立ち、
心の中が光り輝いており、
傍から見ても
まるで天使が光を当てているかのようです。
私自身、
その子を見ると、
心が和む感じがあります。
反対に、
エステーヴァン村の11歳の子どものほとんどは
すでに疲れ切った大人のような顔をしており、
心の中の光は
奥底へと消えてしまっているかのようです。

夜、
母親を探して観光地をさまよう子ども達。
お酒を飲んでいたり、
恋人の家にいたり…
子ども達は自分で
自分の生活を守らなければなりません。
たった11歳。
それでも、
現実は厳しいものです。

まだまだ大人の保護が必要な年齢。
守られているということが、
どんなに大きな支えになることか。

それを痛感した
出来事でした。

d32cce0d.jpgカノアの音楽プロジェクトでは、
引き続き
「ブラスバンド」が大活躍しています。

長期休暇中、
近隣のブラスバンド部との交流会を行いました。
いつもはゆったりと演奏できる音楽室も、
この日は肩がぶつかるほどの人数。
それでも、
自分たちの演奏だけでなく、
他のブラスバンドの演奏を聴くことができ、
もっと練習を重ね、
もっと素晴らしい音楽を奏でたいと、
カノアのメンバーたちは
意欲を高めたようです。

私も小学校高学年、中学と
トランペットを吹いていたこともあり、
なんとか彼らをバックアップしてあげたいと、
強く感じています。
楽器もまだ不足しており、
手入れ道具に関しては
ひどい有様です。

もしどなたか使わなくなった楽器がある、
もしくは、
管楽器および木管楽器の手入れ道具があるという方がいましたら
ご連絡ください。
どうぞよろしくお願いいたします。

6c89d404.jpg私たちには
“健康診断”
というと、
いったいどういうものなのか、
言われなくてもわかるほどですよね?
ブラジルでは
こういった健康診断は基本的にお紺割れません。
妊婦検診や
0〜1歳半までの乳児健診において
身長や体重(妊婦検診の場合は血圧)が基本で、
必要であれば
血液や尿検査(妊婦検診のみ)が行われます。
そのため、
1歳半を過ぎると、
多くは自分の身長や体重も知らず、
視覚や聴力検査などが行われるわけもなく、
貧困地域では
慢性的な栄養不良や貧血の子どもが大勢見受けられます。

そこで、
学校給食を利用した栄養改善プロジェクトの一環として、
子ども達の健康診断を毎月行い、
大学と連携しながら必要な検査を実施し、
(貧血の検査を実施予定)
それを家族と共有することで、
子どもの栄養、
そして、
健康を改善していきたいと考えています。

子ども達だけでなく、
その親や兄弟までもが会場に訪れ、
その関心の高さがうかがえました。
さて、
結果はまだ私の手元に届いていないのですが、
届き次第また皆さんに報告させていただきますね。

※(株)味の素「食と健康」国際協力支援プログラムの助成金を受け、実施しています。

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