光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2009年10月

日本では現在、
政党が変わり、
数々の制度の見直しが行われています。
その中で、
民主党が掲げているマニフェストの一つ、
「保育園の最低基準の見直し」
というのがあります。

確かに待機児童の解消に向けた改革は
必要な対策といえるでしょうが、

「地方分権改革推進委員会の第3次勧告に、保育所の最低基準に関する内容として出されており、
保育所については自治体が設置基準を条例で自由に決められるようにする。
11月までに必要な法令の改正を整える方針で、自治体の条例改正が進めば、
早ければ年内にも実現する」

という早急な対応に関しては
危機感を持っています。
子どもが育つ環境を大切に考え、
その上に成り立つ基準が
簡単に緩和されてしまっては
保育園の在り方や質に大きな問題を抱えかねません。
早急な対応が必要なのはわかるのですが、
子どものことを第一に考えるのならば
もう少し検討してから行ってほしいと、
切に願っています。

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昨日、
いま私たちと活動している
日本人の学生たちと
彼女たちが行っている活動について
話をしました。

彼女たちは、
週に2回、
村の女の子たちと
「おしゃべりの日」
を行っており、
その中で、
みんなの悩みや愚痴を言い合ったり、
よりよい将来への道を探るため、
家族プラン、
性教育などについて
話し合っています。

先日、
近い将来の自分像として、
最も幸せな瞬間を
絵にしてもらったそうです。
そんな中で見えてきた
村の若者たちの現状。
中には
「そんなことみんなと一緒に話したくない」
といって、
参加しなかった子もいたらしい。
そういった子たちは
両親がいなかったり、
兄弟が多く、
貧しい家庭のために
自分の将来よりも
まずは今、
家族が食べていくことが先決。
そんな現実に直面している子たちでした。

“夢はある。
でも、今、自分たちが暮らしていくのに精いっぱいの中で、
それをみんなの前で話するなんて…
夢は夢。
あきらめなければいけないものなのだから・・・”


ある女の子はこんなことを私に言いました。

そんな現状を目の当たりにして、
日本の学生である彼女たちは
自分たちがどれだけ恵まれ、
豊かな生活ができているのか。
それを強く感じたそうです。

いろいろな人たちがいる。
それぞれの生活がある。
それを知ることも、
私たちの人生を豊かにする一つの体験だと思います。
そして、
誰でも夢を持つことができ、
どんなに遠い道のりでも、
それに向かって歩んでいくことが
“許される”
そんな社会であったほしいと願っています。

世界都市ランキングって知ってますか?
森記念財団(森ビルなどでおなじみの)が毎年行っているものらしいのですが、
今年から世界を代表する主要35都市が選定され、
サンパウロが新たに加わりました。

“都市の力を表す主要な6分野(「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通アクセス」)と、さらに現代の都市活動を牽引する4つのグローバルアクター(「経営者」「研究者」「アーティスト」「観光客」)ならびに都市の「生活者」という5つのアクターの視点に基づき、複眼的に都市の総合力を評価している。”

さて、
分野別総合ランキングのトップ3は
ニューヨーク、ロンドン、パリの順で、東京は第4位

東京は「経済(2位)」、「環境(4位)」にランクイン。
そんな中、
サンパウロはというと…
残念ながら第33位。

ただ、
環境部門では第8位と
大都市であっても、
ブラジルという、
自然豊かな国が改めて確認されたということでしょうか。

ちなみに、
人材コンサルティング企業のECAインターナショナルが毎年まとめる
「外国人にとって住みやすい世界都市ランキング」
というのもあります。
トップ3は
シンガポール、シドニー、神戸の順で、
私の出身地横浜は第4位。
ちょっと嬉しいですね。。。

OECDは日本の相対的貧困率が「OECD加盟国中、第2位になった」と表明した。
昨年、日本の相対的貧困率はメキシコ、米国、トルコ、アイルランドに次ぐ第5位だったが、ついに“世界2位”の格差社会になってしまったのだ。


実は私、
「相対的貧困率」
という存在したい知りませんでした。
一億総中流階級と言われていた日本。
やはり格差が広がってきているようです。
日本一時帰国中に
いろいろな話を聞き、
見たりしますが、
それでも、
実感としてその「格差」を認識できていませんでした。
こうして数字で表してみると、
その深刻さがうかがえますよね。

ブラジルで活動していると、
格差社会を目の当たりにすることがよくありますが、
それがあまりにも当たり前になっているというのも
なんだか怖い気がします。

人が幸せに暮らしていくために、
どのような世界であってほしいのか、
こういうことをきっかけに
改めて考えさせられます。

▼ Shake Forward! (シェイクフォワード)2009 ▲
http://www.mixroots.jp/

11月13日(金)渋谷O-East 19:15~
http://shibuya-o.com/accessmap/



■■■出演者

スペシャルステージ:
Nesian Mystik
(太平洋からやってきた心地よいR&Bユニット!)
(2009年MTVアワーズ、ベストKiwi(ニュージーランド)
 グループ賞受賞!)

スペシャルフィーチャー:
Keith Gordon from Ryukyu Underground
(キース・ゴードン)
琉球アンダーグラウンド
(琉球の伝統舞踊や音楽とエレクトロの巨匠!)

スペシャルライブ:
Kachimba4 (琉球キューバンサルサ!)

その他参加アーティスト:
MC Beto and friends, Genez,
MC J-Nam, Mina from Ainu Rebels, Alice, etc.

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日本各地から様々なルーツを持つ「ミックスルーツ」
なアーティスト達が集結し、音楽を通して体感できる
多文化コミュニケーションを繰り広げるライブ。

去年 NHKの「ドキュメンタリー:日本の現場」で
「ミックスルーツ:誇りを胸にヒップホップ」として
紹介されたこの企画は幅広い年齢層やバックグラウンドの
ファンから指示を受け、社会対話のメディアとしての音楽の
新たな可能性が期待されています。

今回は更にジャンルの枠も広げ、幅広い方々に楽しんで
頂けるライブとなっております。会場にはミックスルーツの
アーティストの展示物や研究資料も用意していますので、
是非シェイクフォワードならではのエネルギーを感じに
来て下さい!!

売り上げの一部は地域の青少年の多文化コミュニケーション
活動と恵まれない子ども達の教育援助に役立てられます。
寄付の報告などはライブ終了後にホームページをご覧下さい
(ミックスルーツ関西 http://www.mixroots.jp)去年の募金
はNGOスプートニク・インターナショナル・ジャパンを通して
ガーナでの学校再建プロジェクトと地域での青少年ワーク
ショップなどの活動に有効利用されました。

主催:ミックスルーツ関西、Japan Music Week
後援:国際移住機関IOM、
   アムネスティ・インターナショナル日本
共催:ワールドキッズコミュニティ、
協力キリン福祉財団


お問い合わせは shakeforward@g...

■■■10月21日からローソンチケットでも販売開始!
Lコード:71393
お問い合わせ:0570-084-002(ローソンチケット)
http://l-tike.com/pc/d1/AA01G04F1.do?txtEvtCd=71393&txtPerfDay=20091113&txtPerfSeq=+&venueCd=31357&srcID=AA02G01
「ドキュメンタリー:日本の現場
『ミックスルーツ:誇りを胸にヒップホップ』」
(2008年度開催のShake Forward!を元に作成された
ドキュメンタリー)
Part 1
http://www.youtube.com/watch?v=c8ujOkzajQs
Part 2
http://www.youtube.com/watch?v=aFiSKDVXPW8
Part 3
http://www.youtube.com/watch?v=FCa3P2VQTiE

私は日本滞在中、
遊びの大切さ、
五感を養うことの大切さ、
自然と触れ合うことの大切さ…
などをテーマによく話をします。
それは、
子どもにとって、
最も大切なことではないかと思うからです。
子ども時代にこれらを育むことができなければ
大人になってから得ることは困難です。
豊かな人間になるためには
充実した子ども時代をすごす必要があると思うのです。

そんな中、
こんなニュースを目にしました。

 子供の体力は前回調査に続いて回復基調を示しており、下降線をたどっていた子供の体力が上向いている実態が鮮明になった。
 一方、小中学生のころ体力がなかった世代は、大人になってもほかの世代より体力が乏しいことも分かった。
 35歳と50歳の人は、それぞれ子供の体力が向上していた70年代、ピークを迎えた80年代に小中学生だった世代。子供時代の体力水準が大人になっても影響していることが裏付けられた。
       〜文部科学省が発表した、2008年度の体力・運動能力調査の結果


そうなんですよね。
子ども時代に培ったものは
人生のベースとなるものなのです。

それにしても子どもの体力が向上しているというのは
良いニュースだと思いませんか?

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10月12日。
ブラジルでは子どもの日です。
私たちの保育園では
毎年この日を祝って、
年に一度の遠足に出かけます。
今年は
「Ponta Grossa」
という近隣の海岸に行ってきました。
バスに揺られること1時間半。
やっとたどり着いた海は
カノアとは異なる壮観な景色。
湧水が至る所にあるこの場所では
海のすぐそばに
淡水の池があります。
子どもたちはそこで思いっきり遊び、
そして、
おなかがいっぱいになるまでご飯を食べ、
楽しく一日を過ごしました。
池の一つは
底なし沼のようになっている場所があり、
ドイツや日本からのボランティアたちは
子どもで入り禁止のその場所で
思い切り遊んでいました。

子どもだけでなく、
大人も楽しむことのできたこの遠足。
資金を提供してくれた
ドイツの団体
Kinder Brasilの皆さんに
この場を借りて心より感謝の気持ちを伝えたいと思います。

本当にありがとうございました!!!

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日本滞在中、
いろいろな場所で話をさせてもらいました。
私にとって、
自分の体験や、
経験から学んだこと、
単純にブラジルやカノアのこと
そんな話をすることは
自分の人生を整理するきっかけにもなり、
今後の見通しや、
活動の進むべき道、
私自身の人生への展望を見つめなおす
よい機会です。

埼玉県のある小学校に話に行ったとき、
5年生の子ども達を対象に
ブラジル、カノアについて話をしました。
子ども達にとっては未知の世界。
そこから、
日本の日常の中で
今よりももっと良くできること、
自分の生活や考えを問い直してもらう、
そんなきっかけにしてもらえたらと思っていました。
子ども達からの感想文が届き、
一人一人の思いを読んでいると、
本当に嬉しく感じます。
その中に、
私を招待してくれた教師からの手紙がありました。
そこには私の話を聞き、
海外の現場を肌で感じてみたいと
JICAの短期研修に参加したと書いてありました。
これを読んだとき、
私の拙い話が
人生を変えるきっかけとなったのだと、
嬉しくなると同時に、
責任の重大さに気づかされました。
それを心に留めつつ可能な限りいろいろな人たちに話をし、
何か感じてもらえたらと思ってやみません。

強盗事件を受け、
今日、
ボランティア会議を行いました。
実は、
個別に話をしたり、
教職員会議等の場で報告や質問を受けたりしていたのですが、
ボランティアのみの会合って今までなかったんですよね。
現在6人のボランティアがおり、
(ドイツ人2名、日本人4名)
みんなで集まってまずは団体の方針を伝え、
それぞれがなぜブラジルに来たのか、
この場所を選んだのかを話してもらいました。
ただ、
現地の公用語であるポルトガル語は
みんなまだうまく話すことができず、
基本英語で行いました。
これがまたよかったです。

お互いの気持ちを知り、
同じ立場としている者通しの交流は
大切だと実感させられました。

外国人だからこそ、
外部の人間だからこそ、
できること、
そして、
気をつけなければならないこと。
理解してもらえたのではないかと思います。
できれば定期的に
こういった会議、
開きたいなぁ〜

と、
勝手に思っている私です。

昨夜、
学生たちが宿泊している離れの家に
強盗が入りました。
彼女たちはちょうど海に行っており、
留守を狙われたのですが、
目撃者や足跡*1により、
二人組で、
そのうちの一人は村の住民であることが
ほぼ確認されました。
現金や身分証明書は取られておらず、
デジカメやi-podなどが無くなっていたようです。

この村はみんなが親戚という、
人口約300人の小さな村。
観光シーズン以外では
村の中に外部の人がいることは少なく、
いたとしても、
ほぼすべての住民が
その人たちは誰で、
何をしに来たのかということを把握しています。
そんな中でも、
だからかもしれませんが、
こういう事件が起こってしまいました。
彼女たちは無事で、
元気なのですが、
それでも、
今回の事件は
すべての住民にとってショックだったようです。

完全に安全な場所などない。
それを思い出させてくれたような事件でした。
これからは身を引き締めて、
警戒を怠らないようにしていきたいと思います。


*1:この村の住民は足跡で犯人を追跡できるほど、住民一人一人のの足跡を把握しています。何とも動物的ですよね。  

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