光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2013年05月

先日、
誕生日会に招待されて行ったところ、
そこに参加していた22歳の青年が、
突然意識を失いかけ、
みんなで慌てて病院に連れて行く手配をしました。
結局その日は、
公立病院に行ったものの、
患者の数が多く、
緊急性が低いことと、
血圧が安定したこともあり、
そのまま医師の診断もなく家に帰ってきました。
翌日、
夜間学校に通っているこの青年が学校に着くと、
血圧が急激に上昇し、
病院に運ばれました。
結果、
未成年の時からの大量のアルコール摂取により、
健康障害が出ているのではないかとのこと。
早急の検査が必要と言われ、
血液検査、
心臓の検査など、
いくつかの検査をすることとなりました。
が、しかし、
検査日を確認すると、
早急にと言っているにもかかわらず、
2ヶ月も先の検査日。
そこで、
公立病院での検査を諦め、
個人クリニックで検査をすることとなりました。
(残念ながらまだ検査結果は出ていません)

それにしても・・・
22歳でアルコールによる健康障害だなんて。
もしかしたら、
この地域にはこういう青年がもっとたくさんいるのかもしれない。
なんだか考えさせられる出来事でした。

みなさんご迷惑をおかけしております。
2013年2月28日の当ブログでもお知らせしましたが、
現在も尚、

「光の子どもたちの会」の公式HP、
http://criancasdeluz.org

が見られない状況になっております。
既に
ドメイン再取得手続きを済ませ、
近内には公開される予定です。

長期間一時停止となっていることを受け、
一時的ではありますが、

http://criancadeluz.sakura.ne.jp

にてHPを公開しております。
公式HP公開まで、
こちらをご覧いただけますよう、
お願い申し上げます。

1938年に開始されてから75年間にわたって続けられている、
世界に存在する最も長期的な研究のうちの1つ。

IQや飲酒癖・家族との関係から陰嚢のぶら下がる長さといった、
あらゆる要素から心理学、人類学、身体的な人間の特性など幅広い分野を調査しているのが、
ハーバード大学の75年にわたる研究「Grant Study」です。
ハーバード大学に在学した268人の男性を対象に、
卒業後も毎年健康診断と心理テストを行うことで、
戦争、仕事、結婚や離婚、育児、老後といった彼らの人生を追跡調査したもので、
2009年にThe Atlanticがこの調査をまとめているのですが、
研究者によって新たに

「何が人を幸せにするか?」

ということが明らかにされました。

私の専門分野でもあるので、
特に気になっているのが幼児期に関するものだったのですが、
こんな記述がありました。

「調査から明らかになったことの1つは、
幼年期に母親と暖かな関係が築けていた男性は、
そうでない男性よりも8万7000ドル(約890万円)も年収が高いということ。
2つ目は、
幼年期に母親との関係が乏しかった男性は、
老年において痴呆を発症する可能性が高いということ。
そして、
専門家の人生の後期において、
少年期における母親との関係は仕事の効率性に関係するということです。」

現在、
乳幼児期の重要性を理解し、
コミュニティーベースで活動していくことを
実施しているのですが、
またひとつ、
私たちの人生にとって、
この「幼児期」がどれだけ重要なのか。
そして、
その時の家族との関わりがその後の人生に与える影響を
示す新たな調査結果となりました。

前回に引き続き、
今度は孔子の言葉から。

「子の曰く、
由よ、汝にこれを知ることを誨えんか。
これを知るをこれを知ると為し、
知らざるを知らざると為せ。
是れ知るなり。」
(先生がいわれた、
由よ、お前に知るということを教えようか。
知ったことは知ったこととし、
知らないことは知らないこととする。
それが知るといことだ。)

これは“知”の基本原理といえるものである。

私たちは、
自分自身の学びを
他者に伝えようという時、
まずはじめに、

「本当に自分が知っていることとはなんだろうか?」

を、
自分に問わなければならない。
知らないことを、
あたかも知っていることのように話しては、
絶対にいけないのである。

分かるようで、
分からないことなのかもしれないが、
まずは、
自分に問うことから始めよう。

最近、
原点に立ち返り、
見つめ直す必要を強く感じている。
人はいつか、
その状況に慣れてしまい、
ぬるま湯に使ったように、
学ぶことをしなくなってしまうからだ。
私自身もその一人だろう。
そんな中、出会った言葉がある。
ブラジルの教育家、パウロ・フレイレの大切な考え方である。

「すべての人は豊かな経験と知恵を持っている」
「しかしながら、人は、経験から学ぶことはできない」
「人は、経験を分析することを通して、学ぶことができる」

今まで生きてきた人生、
積んできた経験。
中身は違えど、
かけがえのないものばかりであろう。
更に一歩進むためには、
それを振り返り、
学びに変えなくてはならない。

まさしく、
今、
私に必要なことだろう。

昨夜、
アラカチ市社会福祉局からの依頼で、
地域の住民を集め、
会合を開いた。
これは、
「ホテル・観光対応へのクオリティー向上」
に対する、
講座の実施についてだった。

2014年にワールドカップ、
2016年にはオリンピックを控えているブラジル。

その時に
「もう一度来たい!!」
と、世界の人々が思ってくれるようなおもてなしを・・・というのである。
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近年観光地として名高いカノア・ケブラーダ。
多くの観光客の来客を見込み、
特に地元の住民に対して、
積極的な講座参加を促しているのである。
それは、
失業率低下にもつながっていくと期待されているのだ。

来月実施予定の講座は2つ。
「ホテル等の受付業務」
「メイド(家政婦)業務」

カノア・ケブラーダには多くのpousada、ホテル、レストラン、お土産屋がある。
そこの多くは、
外国人がオーナーであり、
その従業員は、
ほとんどがアラカチ市中心街や近隣の都市出身である。
なんとか、
地元の人たちにも学びの場、仕事の場を持ってもらいたい。

少しでも多くの人たちが、
質の高い対応、コミュニケーションを身につけ、
住みよい、
過ごし良い町となっていくよう、
見守っていきたい。

対ブラジルに対する、
日本の協力・支援の形は、
近年大きく変わってきている。

ブラジルは世界第5 位の面積・人口(中南米最大)を抱え、
世界第6 位の経済規模を誇っている。

これだけ見ても、
なぜ、
まだブラジルに対する協力・支援が必要なのか?
と、
疑問を持たれる方は少なからずいると思う。

私がここ、
カノアで保育園を設立した、
その大きな背景の一つには、
サンパウロのファヴェーラ、モンチ・アズールでのボランティア活動がある。
その時、
なぜ、
大都市サンパウロにこんなにもファヴェーラが存在するのか。
その疑問の答えの一つが、
ブラジル東北部を中心とした、
農・漁村地域の住民が、
身一つで仕事を求め、将来の希望を抱き、やってきた結果ということだった。

「なぜ、ブラジル東北部で暮らし続けることができないのだろうか?」

それが私の持った、
第一の疑問だった。

自分に出来ること。
そして、
巡り巡ってきたカノアとの出会いで、
今現在、
私は教育を基盤としながらも、
ブラジル東北部の小さな漁村で、
「生きる力」を持てるようにと活動を続けている。

そんな大都市への国内移民は、
12年経った今でも、
顕著に見受けられる。

数年前まで、
JICAでは、
「所得格差是正及び環境保全に対する支援」
として、
「貧富の格差の是正/貧困対策」や「地球(的)規模(の)問題への取(り)組(み)」
(後者についてはとりわけ環境保全)が重点項目/課題として掲げていた。
しかし現在では、
  1. 都市問題と環境・防災対策
    三角協力支援

の2つが重点項目/課題となっている。

急速な都市化が起これば、
必ず、
どの地域でも、
ファヴェーラが増加し、
格差は広がっていく。
だからこそ、
草の根レベルで、
その地域に対応できるように
協力・援助への取り組みを引き続き行ってくれることを
願ってやみません。

ブラジルに戻り、
地域の中で活動していると、
はっと驚くような
口調に出会うことがよくある。
悪気があるわけではない。
漁村であるが故と言えばそれまでだが、
親や兄弟が小さな子どもに向かって放つ言葉が、
信じられないほど厳しいのだ。
厳しいと言えば聞こえがいいかもしれない。
“汚い”
という方があっているのではないかとさえ思う。

私たちは、
彼らの昔からの生活を知り、
今、
そして将来に向けて、
教育を基盤とした活動をしている。

だからこそ、
やはりこういった言葉になれるのではなく、
はっと驚き続けることが必要なのかもしれない。

教師の中には、
どうしてもこの言い方(言葉)のきつい人がいる。
何度言っても、
大事な時にはなおさら、
すごくきつく、厳しく聞こえる。
それがある種の「暴力」となってしまっているとしたら、
それは直さなければいけない。

しばらくぶりに戻ったこの村で、
ふと、
以前勉強した、

“Comunicacao nao Violenta(暴力のないコミュニケーション)”

を思い出す。
思い出した今だからこそ、
今一度、
スタッフみんなと一緒に勉強してみるのもいいかもしれない。
この、

「言葉の持つ強さと怖さ」

を再認識するために。

4月12日に東海大学で行った授業が、
東海大学のHPで紹介されています。
話したいことたくさん。
伝えたいことたくさん・・・
で、
時間が足りないと感じる程の授業でした。
http://www.u-tokai.ac.jp/TKDCMS/News/Detail.aspx?code=shonan&id=6192
私の尊敬する先生のひとり、
「宮地陽子」先生と一緒に登壇できたことは、
本当に嬉しかったです。
また今度、
こうやって一緒に思いを伝えられるといいですね。

2013年3月1日より、
JICA草の根技術協力事業がスタートしました。
5月4日(土)にブラジルに到着した私は、
その日から調整にあたふた。
時差ボケと、
疲れから、
睡魔が襲ってくる中、
なんとか電話でのやり取りをこなしていました。

そして・・・
5月5日(日)に
JICAブラジルより
西川ケリーさんと伊藤ミレーニさんがカノアを訪れました。
翌日、
暑さに負けず、
カノアの協力施設等を一緒に訪問。
午後は
アラカチ市政府の関係者との会合に参加しました。
日焼け止めを塗っていたものの、
私を含め、
3人とも顔や手が真っ赤になっていて、
びっくり。
そしてその翌日、
5月7日には協力団体全てとの会議が開催されました。
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こうした重要な日に、
JICAブラジルから参加してもらえたことは
本当に心強く、
今後の活動にも良い影響を与えてもらいました。

暑さに負けず、
今日もまた、
パソコンとにらめっこしながらの作業・・・
頑張ります!!

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