光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2013年10月

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10月29日(火)より、
「Semana do Bebe」が始まりました。
Bebe=赤ちゃんなのですが、
私達は、
乳幼児とその家族を対象に、
様々なワークショップやセミナーを開催予定です。
この事業は、
JICA草の根技術協力事業によって設立した、
乳幼児期、コミュニティーネットワークとアラカチ市政府が共同で実施しているもので、
今週はカノア・ケブラーダで、
来週はアラカチ市中心街にて催されます。
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初日。
現地テレビ局が撮影に訪れたのですが、
妊婦を対象としたワークショップに
現れたのはたったの3名。
それでも、
参加した人にとっては意義のあるものとなりました。
ただ、
この地区には30名の妊婦がいる中で、
たった1割の参加。
責任者となっていた保健師と話し合いを持つ必要がありそうです。
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2日目。
幼児と小学校1、2年を対象とした、
「歯磨き、衛生、食事」の大切さと、
いつ、どのようにするのか。
といったことを、
遊びを交えながら行いました。
幼児の珍回答には
教師を含め、みんな笑ってました。

ただ、
両日とも、
時間通り始まることがなく、
いずれも1時間遅れでの開始。
ブラジルでは当たり前の光景とはいえ、
私たちが実施しているだけに、
なんとか時間通りに実施したいのです。
が、
なんとも難しいですね。
今後の活動に対しても、
この“時間”というのは課題の一つです。

明日は3日目。
「遊びの重要性」について、
カノア保育園の教師が講師となり開催する予定です。
その模様はまた明日お伝えしますね。

私にとって10月は、
そもそも、
母と妹の誕生日のある月なので、
それだけで、
“お祝いの多い月”
と言えます。
それに加え、
ブラジルに住むようになり、
この10月。
やたらと「祝日」が多いことに気づきました。

10月7日:アラカチ市の聖人(それぞれの市に制定されている)の日。
10月12日:こどもの日
10月15日:先生の日
10月25日:アラカチ市設立記念日(今年は171年記念)
10月28日:公共機関職員の日

この内、
私の住むセアラ州アラカチ市に限られたものが2日あるので、
ブラジル全土とは言いませんが、
それにしても、
すごい祝日の数です!!

なので、
保育園でも、
活動が一番進まない月でもあります。
子ども達も、
なんだか疲れていたり、
リズムに乗れない、
そんな子どもがたくさんいます。

ということで、
本日(10月25日)も祝日だったので、
友人を招いて、
シュハスコ(バーベキュー)♪
楽しく過ごしました(笑)

10月16日(水)、
FVJ(アラカチ市内にある唯一の大学)にて、
現在、
特別講師として日本から来ていらっしゃる、
三浦左千夫先生のセミナーが開催されました。
三浦先生は、
熱帯寄生虫学の専門家で、
特に、
シャーガス病について研究されています。
日本では現在、
中南米からの移住者により、
今まで存在しなかったシャーガス病が
国内で発見されるようになり、

『なんて無駄な研究をしているんだ!!』

といわれていた、
こうした研究が、
そして、
研究者がとても重要となってきています。
日本でも数少ない研究者である、
三浦先生のお話を、
今日は間近に聞くことができました。
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そこで感じたこと。
どんな病気も、
私たちの公衆衛生に対する取り組みが、
とても大きな鍵となるのだということ。
手洗い、うがい。
食材の水洗い、
水の消毒。
動物を介する病気であっても、
私たちがまず先にすべきことは、
周囲の環境を衛生的に保つこと。
それはもちろん、
自分自身も含めて。
そのための教育が、
とても重要であるということでした。
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上下水道がきちんと整備されていない、
私たちが住むこの地域。
だからこそ、
私たち自身ができることを、
一人ひとりが行っていく。
それがはじめの一歩であると、
再確認させてもらいました。

先日、
友人がブラジリアからカノアにやってきたこともあり、
久しぶりに海岸を散歩し、
Barraca(海の家)で食事をしました。

私の家は、
海まで歩いて2〜3分。
自宅にいても、
波の音が聞こえてきます。
それほど近いのに、
近いからこそか、
私自身、
1ヶ月に一度海に行けば多い方…
というほど、
ほとんど海に行きません。
そこにあると思うと行かないのか、
その理由は謎ではありますが(笑)
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ということで、
ヘガッタのあった9月8日以降、
久しぶりに海に行ってきました!!
といっても、
Barracaで友人家族とランチをしただけなのですが(笑)
自宅から、
そこまでの道のり約15分。
久しぶりに潮風を感じ、
波間を歩きながら、
娘たちとお散歩。
どこか清々しい気分でした。

次回海に行くのは一体いつになるのか。。。
お楽しみです。(笑)

10月13日(日)、
日本語スピーチコンテストの地方大会が、
ナタウ(ヒオ・グランデ・デ・ノルチ州)で開催されました。
私たちは引率として、
(私自身はナタウに行ったことがなかったので、
行ってみたかった・・・というのもあり(笑))
セアラ州大会で優勝したカッシオを連れて、
参加してきました。

カテゴリーが講習時間別(レベル別)に
A〜Dまであり、
カッシオはまだ15歳のため、
本大会出場年齢を満たしていないということで、
Dカテゴリーとして出場しました。
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カッシオはトップバッター。
審査員が驚愕するほど、
このレベルとは思えないスピーチを行いました。
その後Bカテゴリーまでの中で、
一番素晴らしいスピーチをしたと、
私も、
そして、
友人たちも感じていました。
そして結果は・・・
カテゴリー優勝!!
おめでとう!!!!!
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年齢制限のため、
本大会に出場できないのですが、
それでも、
堂々と、
立派なスピーチだったと思います。
これからも、
日本語を学んでいってほしい。
心からそう願っています。

後期に入り、
5歳児の子ども達の成長は著しく、
来年、
小学校に入学するだけあり、
今まで以上に、
“挑戦”
する姿を遊びの中で多く見かけるようになりました。
最近では、
積み木での遊び。
5歳児の二人が、
「どこまで積めるか!?」
毎日のように、
挑戦しています。
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はじめは、
積み始めると3歳児の子どもに
壊され、
倒され、
なかなか高く積み上げることができなかったのですが、
その内、
面白いことに3歳児の子ども達は、
そばで眺めているようになり、
5歳児の子ども達に羨望の眼差しを送るようになりました。
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ある日、
積み木はどんどん高くなり、
椅子に椅子をおいて、
その上に登っても、
積むことができなくなりました。
先生よりも高い積み木のタワー。
先生に抱えてもらいながら、
高く、もっと高くと、
積んでいきます。
この集中力、
バランス感覚、
様々な能力を駆使しての積み木遊び。
積み木一つでこんなにもたくさんのことを身につけ、
学んでいるということに、
私は感動しました。

おもちゃはたくさんある必要はない。
こったおもちゃは必要ない。
ただ木の破片さえあれば、
こんなに素敵な遊びが広がる。
それを間近に見ることができた瞬間でした。

今日、
10月7日は、
義理の祖母の誕生日でした。
私の祖父母は既に他界しており、
結婚し、
この義理の祖母が出来た時には、
本当に嬉しかったです。
日本人である私を、
そのまま受け止めてくれた祖母。
ただただ、
抱きしめ、
キスしてくれたことを、
今でも忘れません。

そんな祖母は、
昨年心臓病が悪化し、
何度も生死の境をさまよいました。
今年に入り、
少し落ち着いていたのですが、
先月倒れ、
危篤になるも、
意識を取り戻し、
今も療養を続けています。
といっても、
意識を回復して3日で病院を出ることとなり、
自宅に戻ることができず、
娘の家で看病をしてもらっている状態です。
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その祖母の誕生日である今日、
彼と娘たちと一緒に
プレゼントを持って訪問してきました。
ハンモックに寝たきりでしたが、
顔を出して話せているので、
一時期よりも安定している様子。

「もうすぐで聖ペドロに会うところだったよ」

と、
冗談交じりに言っていました。
(天国に行くところだったという意味)
自宅に帰れない程体調が悪化していることを知り、
「生きる気力」
を失っていたそうですが、
今日、

「もう少し生きてもいいかな」

と言ってくれたその言葉。
私は心の中で、

“もっと生きて!!”

と叫んでいました。

不思議なもので、
小さな子ども達と仕事している私にとって、
こうした老人との関わりは、
いろいろなことを見つめ直すきっかけとなります。
その叡智から、
たくさんの刺激を受けるのでしょうか。
もっともっと生きていて欲しい。
また、
お見舞いに行きたいと思っています。
祖母が見たいと言っていた、
海とその風の音、
聞かせてあげることのできる日が来ますように。
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昨日、
娘の四半期試験結果を
受け取りに、
学校に行ってきました。
教室で、
担任教師とその結果を見ながら、
授業態度や、
学校生活なども含めて、
色々と話をします。
試験結果が良かったこともあり、
それ以外の話をたくさんしました。
先生がこんな話をしてくれました。

「子どもが自分の両親を尊敬していると、
その子自身もとても安定していて、
その姿勢がよく現れると思います。
美莉亜ちゃんは、
お母さんの保育園の話、
お父さんが先生をしながら、
村の伝統文化である、
“ダンサ・デ・ココ”を踊っている話をしてくれます。
この間は、
そのダンスを披露してくれたんですよ!!」

娘はダンスを披露したあと、
先生にこう言ったそうです。

「お母さんとお父さんは、
子ども達のために、
みんなのために、
一生懸命働いているんです。
そんな姿を見るのはすごく嬉しいです」

と。
感動しました。

娘も9歳。
早いものですね。
その成長を垣間見た気がしました。

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