光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2013年12月

12月25日。
この日の朝は、
子どもにとっては一大事。
というのも、
枕元には「クリスマスプレゼント」があるはずだから…
しかし…

今年はパパと一緒に買いに行ったワンピースが置いてあっただけ。

“これは昨日一緒に買いに行ったし…”

という声が聞こえてきそうな娘たち。

靴下の中のポップコーンなどには目もくれず、
なんだかため息が聞こえてきそうな。。。

そんな時、
次女が私に

「ママ知ってる?
サンタさんって本当はいないんだよ。
だけど、
私たちの心の中にはいるの。
だから、
プレゼントがなくても、
大丈夫なんだ。」

5歳の娘。
来年4月には小学1年生になる娘。
そんな娘の言葉に、

「そうだよね」

と言いながら、
娘の成長を嬉しく思っていました。

「それ、私が教えたんだよ!!」

と、
9歳の長女の声。

(笑)

クリスマスの本当の意味。
それをきちんと理解しているのかどうかはわからないけど、
毎週土曜日、
教会でお勉強している長女は、
妹にそんなこともきちんと説明しているようです。
そんな娘達を見ていて微笑ましく思った、
2013年のクリスマスの朝でした。

10数年前、
ブラジルに来たばかりの頃は、
まだインターネットもままならない状況で、
エステーヴァン村には公衆電話が一つだけ。
通信手段はそれはもう、
限られたものでした。
そのため、
手紙などの郵便物も、
上司のマンション気付にしてもらい、
受け取っていたほど。
でも、
手紙とかは普通に受け取れていました。

そして、
数年前から、
関税が厳しくなったこともあり、
特にプレゼントや食品といった小包は、
受け取るためにさらに税金を払わなければいけない…
という場合が続出。

「なんでプレゼントを受け取るのに、
お金を払わなければいけないのか!!」

と、
プチ切れしていました(笑)

その内、
プレゼントや食品の入った小包は、
知らないうちに返信されている場合が多くなり、
母から、

「もうプレゼントとか贈らないわよ。
郵便代がもったいないから。
だって、
送ったって戻ってきちゃうんだもの。」

そりゃぁ、そうだ。

そして今回。

EMSで送ってもらった書類が、
なぜか届かない。
調べてみると、
税関を通過したあと、
5日の空白期間があり、
その後、
なぜかまた税関に・・・
そして、
そこで動きが止まってしまいました。

「重要な書類だからEMSで送ってもらっているのに、
なんで???」

と、
ブラジルの郵便局に苦情を申し立てること数回。
インターネットでの苦情だけでなく、
電話もしてみた。
すると、

「こちらの手続き上のトラブルか、
何らかの理由があるのか、
どうやら日本にもどされるようですね。
お手元に届くことはないと思いますよ」

と言われました。

“えっ!?”

がぁ〜ん。。。

年末だし、
やらなければいけない手続きはたくさんあるし、
もうすぐ日本に帰国だし;;;

今回は、
笑いたくなるけど、
笑えません;;;
泣けてきます。正直。。。

地元の郵便局の人曰く、

「この時期は1年で一番郵便物が多い時期ですからね。
手違いとかも多いんですよ。
11月中であればこんなこともなかったかもしれないですけどね。。。」

って、
時期によって取り扱いに違いがあるって事?
それってダメじゃない???

これといった基準がないだけに、
どうしたらいいか分からない…
ということが多いブラジル。
郵便事情も絶対に、
その一つに入ると思う。

今日は、
「味の素「食と健康」国際協力支援プログラム」
で実施してる事業の活動の一つとして、

「地域の食材を使用した料理」

の調理実習を行いました。
今回はカウンターパートである、
フォルタレーザ大学の見学も兼ねたものでした。

今回作ったのは4品。
1.カジューピザ
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2.カジューパステル
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3.カジューオムレツ
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4.カジュー和え
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一番のポイントはなんといっても、
果物であるカジューを、
どのようにして、
“肉”
として使用するか。
その下準備を学ぶことでした。

1.カジューの皮をむく。
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2.カジューを湯がく
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3.カジューを炒める
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4.カジューで下ごしらえをする。
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匂いや味に癖があるカジュー。
どうなることかと思っていましたが、
まるで鶏肉のササミを食べているようでした。
カジューが豊富にあるこの地域にとって、
経済的で、
尚且つ、
栄養抜群の料理。
目からウロコの料理ばかりでした。
ちなみに私一番のおすすめは、

『カジューパステル』
です。

今日12月18日は、
終業式を兼ねた
「クリスマス会」
でした。
昨年に引き続き、
一年間の成果を見てもらうべく、
作品の展示を行いました。
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各クラスの展示。
自分の作品を誇らしげに
友達、両親、兄弟に見せている姿は、
とても輝いて見えました。

そして、
各クラスの発表。

保育園の子ども達のお遊戯。
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学童教室の子ども達のクリスマス劇。
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10歳以上の学童教室の子ども達が自分たちで制作した劇。
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どれも本当に素晴らしかったです。
たくさんの観客に見守られ、
照れたり、
緊張したりしている子ども達。
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大きな歓声と拍手をいただき、
無事、
終えることができました。

今年一年間応援してくださった皆様、
本当にありがとうございました!!
来年も引き続き、
よろしくお願い致します。

今日、
終業式を目前に控え、
クリスマス特別料理が、
保育園・学童教室で振舞われました。
毎年、

「なんの料理がいいかな?」

と、
調理師を始め、
教職員みんなで考えるのですが、
今年はシンプルに、

「鶏肉のにんにく焼き」

となりました。
子ども達はどんな料理が来るのかと興味津々。
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「美味しそうに食べてるかな?」

料理をしてくれた人みんなが
子ども達の顔を見ながら一緒に食べていました(笑)

ある子どもは、

「クリスマスが来た!!」

と喜び、
なんと3回もおかわりしていました(笑)
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明日は終業式を兼ねた、
クリスマス会。
私たちは準備に奔放していますが、
今からとても楽しみです。

昨日、
Renateが話してくれた中から、
いくつかを少しずつ紹介したいと思います。

「6歳までは読み書きを覚えるよりも、体を整えること。」

私たちの保育園では、
例えばドリルなどを使って、
読み書き計算を教えることはありません。
遊びの中で、
歌や踊りの中で、
自然と数の数え方を学んでいたり、
ケーキなどを作る中で、
知らないうちに足し算・引き算をしていることはあっても、
それを“教える”ということはしません。
自分の持ち物、
毎日描いている絵に、
名前があることに気づき、
それを真似するようになる。
友達の名前にあるアルファベットを自然と覚え、
書くことができるようになることはあっても、
それを“教える”ということはしません。

子どもに「これなんて書いてあるの?」
と聞かれれば、
答えます。
「これであってる?」
と真似した自分の名前を見せに来れば、
間違っていればきちんと正します。

でも、
近年、
1年生に入った時に何も知らないということが、
『かわいそう』
だと、
年長になる時に退園する子どもが増えてきています。

それは、
小学校での指導の仕方にも問題があるかもしれません。
情報社会の中で、
親たちが感じ取っている不安なのかもしれません。

でも、
子どもには子ども時代を過ごして欲しい。
たくさん遊んで欲しい。
体を整え、
丈夫な体になって欲しい。
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Renateの話は、
私たちの活動に改めて勇気を与えてくれました。
保護者の中には、
「不安がなくなった」
という方と、
「ますますどうしたらいいか分からなくなった」
という人がいました。

それでも、
もう一度考えるきっかけとなったことが
本当に嬉しかった。

12月11日。
サンパウロにある、
モンチ・アズールコミュニティー協会のRenateが
カノアに来てくれました。
彼女は別の仕事をフォルタレーザですませ、
バスに揺られて約4時間。
私たちのところまで来てくれたのです。
彼女は、
モンチ・アズールコミュニティー協会の保育園を創設した人であり、
現在では、
6歳以下の子ども達に対して、
政治提言を含めた活動を行っています。
また、
私個人にとっても彼女は特別な存在です。
というのも、
私が厳しい現実にぶつかった時、
真っ先に声をかけ、
大丈夫だと励まし、
どのようにしてくべきかを教えてくれた人だからです。
彼女の存在がなければ、
カノアでの活動は現在まで続けてこられなかったでしょう。
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さて、
彼女は子どもの発達、
それが与える影響、
遊びの大切さについて話してくれました。
母親たちも積極的に発言してくれ、
その質問に対しても、
丁寧に答えてくれました。
年度末ということもあり、
感じていた疑問や、
言いたかったこと、
伝えたかったことを心おきなく話せたことは、
みんなにとってとても良かったと思っています。
今後の課題となることもいくつか出されました。
私たちはこうした問題や課題に対し、
どんなことができるのか、
検討を重ね、
来年度実施に向けて準備していきたいと思っています。

サンパウロからやってきたRenate。
久しぶりに会えて本当に嬉しかった!!
そして、
彼女の存在の大きさに改めて気づかされ、
ぜひまた、
カノアに来てもらいたい。
そう強く感じました。

私達は、
2005年より、
「慶応大学医学部国際医学研究会」
の現地での活動を支援しています。
ここ3年程は、
アラカチ市内の学校における、
「学童検診」
を実施してきました。
そのことが、
今回「教育新聞」に掲載されたので、
皆様にご紹介します。
ぜひご覧になってください。

「学校健康診断の日伯比較 肥満は家庭、近視はおやつも影響」
教育新聞 2013年12月02日号
http://www.kyobun.co.jp/opinion/20131202.html

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