光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2015年05月

日本で報告会を行う中で、
何度かこの

“大麻(マリファナ)”
について聞かれた事がある。

事実、
合法ではないものの、
身近なところでも栽培、使用しているのを見たことがある。
ということはつまり、
放置されているのだ。

「マリフアナ・マーチ(Marcha da Maconha)」が23〜24日に国内各地で行われた。
(23〜25日付フォーリャ、エスタード両紙(ウェブ版)掲載)

この記事によると、
「サンパウロ市では23日にデモ行進が行われ、軍警察の発表では市全体で4000人。
24日にはセアラー州フォルタレーザ市で、
サンパウロ市の規模を上回る5000人の参加者数があったとみられる。」

さらにこんな記事がある。
「病気に苦しむ5歳の息子を連れてデモ行進に参加した39歳女性は、
医療大麻を使用することで助かっている子供たちがいる事実を訴え」

ただ、
私が見ている限り、
特に青少年の間では、
「大麻→麻薬(コカインなど)」
となるケースがかなりある。
麻薬が手に入りやすいというのもあると思うが、
大麻を“合法化”することが、
果たしていいのかどうか。
個人的には疑問を持たざるを得ない。

日本には、
様々なカリキュラムで実施する学校がある。
その多くは、
NPO法人として活動するなど、
「学校」
として認められていないケースが多い。
その場合、
通学している子ども達はどうなるか?
近所の公立学校に通学していることとし、
義務教育終了とする…
というケースがほとんどだと聞く。

今回、
不登校などの子ども達の家庭学習が認められることとなった。

http://www.asahi.com/articles/ASH5W4GXKH5WUTIL00V.html

これは大きな一歩と言えるのではないか?
次は、
多様なカリキュラムに対応できるシステム作り…
ではないかと、
個人的には考えている。

人はそれぞれ違う。
だからこそ、
“これに合わせるべし”
と、
他の選択肢を認めないというのには疑問がある。
但し、
どんな方法でも、
やり方でもいいというのではまた違うと思う。

“子どもが子どもらしく子ども時代を過ごすためには?”

そのことを常に考えながら、
生きていきたい。

DSCF7600私達が今実施している、
JICA草の根技術協力事業では、
一番の目標として、
「子育て支援体制強化」
があります。
地域住民と目の前の問題や課題を見つけ、
話し合い、
それを解決に導く。
そして、
地域に向けて働きかけるために、
キャンペーンも実施します。
今回も、
アラカチ市政府と共同で、
キャンペーンを実施しました。

下記、イベントの様子です(ポルトガル語)↓
http://www.aracati.ce.gov.br/caminhada-na-canoa-quebrada-encerra-campanha-18-de-maio-em-aracati/

残念ながら、
私達が活動するこの地域は、
観光地として発展していく中で、
麻薬や売春、
性的暴力など、
子どもたちや青少年を取り巻く環境が悪化の一途を辿っています。
彼らに直接知識や理解を、
そして、
地域住民にも理解、認識してもらうこと。
小さな活動ではありますが、
少しでも、
一人でも多くの子どもや青少年達がこうした穴に入らないよう、
目、耳、口をふさがず、
対応していけたらと思っています。

昨日、
小・中学校の主任教師が、
児童、生徒から発覚し、
3人の父親が逮捕され、
今また、
2名の逮捕手続きが進められていると話していました。
そのうち1人は、
自分の3人の娘(2歳の子どもを含む)に性的暴力を行っていました。

子どもが出すS.O.S.のサイン。
それを見逃さないようにしていこうと、
皆で話しました。

“子どもが子どもらしく子ども時代を過ごすためには?”

私達のキャッチフレーズが
多くの人の心に届きますように。

長女は、
将来“介護福祉士”になることが夢です。
私の妹で、
彼女の叔母の影響が大きいのですが、
(彼女は介護福祉士です)
最近では、
日本で資格を取り、
経験を積んだ後、
ブラジル、カノアに戻り、
どんな事をしたいのか。
そんな具体的な事を話してくれます。

彼女は将来、
広い土地を買い、
(もらえたら嬉しいなぁ〜と言っていましたが(笑))
そこに自分の家、
その横に、
日本で言う、
ケア・プラザのようなものを建て、
そこでお年寄りと一緒に過ごしたい…
のだそうです。

昨日、
社会福祉を学んでいる人と話していた時、
彼女が娘とまったく同じ夢を持っている事を知りました。
となりにいた娘は、
えっ、
と、
驚いた顔をし、
私が娘の夢について話すと、

「じゃあ、二人で一緒に実現に向けて頑張ろう!!」

と言ってくれました。

それを聞いた娘は、
家に着くなり、

「すごいね。
一人じゃなくて、
一緒にできる人がいるなんて思っていなかったよ。
嬉しいなぁ〜」

と大喜び。

私はそんな娘を見ながら、
まだ10歳。
だけど、
これだけ自分の道を見据えていることに、
驚きを隠せないと共に、
とても嬉しかったです。
実は私が本格的に保育園の先生になろうと思ったのは、
小学校5年生の時。
ちょうど、
今の娘と同じ年でした。

さぁ、
私は親として、
陰ながら応援していきます♪

今日、
ある少年が我が家にやってきた。
といっても、
ここのところ彼は毎日やってくる。
というのも、
サーフボードを借りるためだ。
今日は、
なんと成績表を見せに来ていた。
サーフィンだけではなく、
きちんと学業もこなすこと。
それを守っている事を、
きちんと見せるためだそう。
数学は赤点だったが、
それ以外はクリアー。
ちょっと自慢げの少年だったが、
私の彼は「最低でも赤点はなくせ」と、
厳しい一言(笑)

少年の事は3歳のころから知っているが、
今や15歳。
声変りもして、
すっかり男の顔になった。

シングルマザーで彼を育てる母親は、
先月、
いつも育児を手伝ってくれ、
息子にとっては叔父というより“父親”であった弟を交通事故で亡くした。
少年にとっても大きな出来事だったと思う。

そんな少年は、
勉強が嫌いで、
学校も中退を何とか免れている状態。
そんな彼がサーフィンと出会い、
のめり込んだ。
もともと学校なんて…と思っていただけに、
不登校になるには時間がかからなかった。
そんな中、
昨年、
私の彼がサーフィン教室を始めた。
少年はそこで、
アシスタントとして手伝い始め、
少しずつ変わってきた。
そして、
学校に通うようになった。

少年はこの地域では、
サーフィンが一番うまいと言われるほどのエース。
今後は大会などにも出たいという。
だからこそ、
最低限の教育は受け、
どこに出てもきちんと答えられるようになりたいという。

少年は言う。

「学校にも行かず、
友達とぶらぶらしているだけだと、
麻薬に手を出したり、
窃盗とか、
危ない事をしていたかもしれない。
サーフィンと出会い、
マルシアーノと出会ったことで、
学校とサーフィンで毎日が楽しく、忙しく、
他の事に割く時間はなくなった。」
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スポーツは人生を変えることができる。
教育も然り。
だからこそ、
大切だと心から思う。

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2015年5月15日。
母の日のお祝いをしました。
今年は、
海辺での運動会!!
金曜日の午前中という事で、
あまり人数が集まらないのではないか…
と、
心配していたのですが、
なんのその。
お母さんだけでなく、
おばさん、
おばあちゃんなど、
たくさんの人が参加してくれました!!
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いつも元気一杯走り回る“ピッケーナ”。
おばあさんとしてさんかするのですが、
年齢的にはまだお母さん。
しかし今年は体調がすぐれず、
競技には参加できず。
それでも、
海辺で応援してくれていました。
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一年に一度。
お母さんが主役で走り回る運動会。
子ども達からの暖かい歌や詩、
心をこめて作製したプレゼントを渡し、
大満足。

さて、
来年も運動会を開催!?となるかは、
乞うご期待…です。

ユネスコが取りまとめを行っている、
EFAモニタリング報告書(2000-2015年版)より、
今の世界の教育の現状を知りました。

まず、
EFAとは、Education for All(万人のための教育)の略で、

“今なお世界中に「読み・書き・そろばん(計算)」といった基礎教育を受けられない立場にある者が多いなかで、
各国が協力しながら、
国連ミレニアム開発目標(MDGs)に基づき、
2015年までに世界中の全ての人たちが初等教育を受けられる、
字が読めるようになる(識字)環境を整備しようとする取り組み(文部科学省HPより)”

です。

ユネスコ、ユニセフ、国連開発計画、国連人口基金及び世界銀行が主催した、
2000年にダカール(セネガル)において開催された「世界教育フォーラム」において、
「ダカール行動枠組み」が採択されました。
その際に、
掲げれた6つの目標を達成するために、
2002年から「EFAモニタリング・レポート」を発行し、
目標の達成度合いの進捗状況を定期的に報告してきました。
今回のレポートが特に重要な理由はこの目標の中に、
2015年までに達成すべきことが盛り込まれていたからでした。
その3つの目標とは、

1.女子や困難な環境下にある子供達,少数民族出身の子供達に対し特別な配慮を払いつつ,2015年までに全ての子供達が,無償で質の高い義務教育へのアクセスを持ち,修学を完了できるようにすること。
2.2015年までに成人(特に女性の)識字率の50パーセント改善を達成すること。また,全ての成人が基礎教育及び継続教育に対する公正なアクセスを達成すること。
3.2015年までに教育における男女の平等を達成すること。この過程において,女子の質の良い基礎教育への充分かつ平等なアクセス及び修学の達成について特段の配慮を払うこと。
(文部科学省HPより)

これらの指標は達成されたのでしょうか?

以下、ユネスコの回答です。
「測定可能なEFAの目標を達成したのは、全体で3分の1の国にすぎなかった。」
「2015年、低・中所得国においては約1億人の子どもたちが小学校を修了することはない」
「裕福な子どもに比べて、最も貧困な子どもが学校に行かなかなる可能性は4倍高く、
小学校を修了しない可能性は5倍高い。」
「2000年以降、中学校に在籍する子どもの数は4200万人に及ぶが、
低・中所得国においてはそのうちわずか3分の1しか中学校を修了していない。」
「中学・高校教育においては、男女平等はまだまだ例外である。」
(初等教育においてはある程度実現がされている)
「最も貧困な女子は、未だにほとんどが小学校にいかない。」
「裕福な国においては、
今まで以上に増して男子は中学校を修了する前に学校をやめるようになっている。」

元国連職員だったクリスティン教授は、
下記のように指摘します。
「(教育への)アクセスばかりを重視していて、
その質についてはこれまであまり重きが置かれていなかったのではないでしょうか」

結局、
「国連の教育目標、達成できず 資金不足が課題」

という結論に至りました。

詳細はこちらへ↓
https://en.unesco.org/gem-report/report/2015/education-all-2000-2015-achievements-and-challenges#sthash.ZKbRAMuS.VNpefvaE.dpbs

実は今ブラジルでは、
“Fora da Escola, Nao Pode !”
(学校にいないのは、いけない!)
というキャンペーンを行っています。
数年前に4歳児以降を義務教育としたものの、
まだ学校に通えない、行かない児童がいます。
また通っても、
小学校5年生でリタイアしてしまう例が後を絶ちません。
学校にいるだけでも意味はなく、
そこでどれだけ質のある教育が実現されているか。
それが重要だと感じています。
このレポートは、
あらゆる意味で教育について考えさせられるものとなりました。

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