光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2015年06月

我が家の娘達は
小学校2、5年生。
今年に入り、
長女が突然、

「友達を呼んでパジャマパーティーをしたいんだけどいい?」

と、
聞いてきました。

どこかで見たのか、聞いたのか・・・
娘たちの学校は6月中旬の学期末試験に合格すると、
長期休みに入るので、
もしちゃんと合格できたら、
やってもいい…ということにしました。

さて、
娘達は2人とも無事に合格。
そこで早速招待状作り。
呼ぶのは2人。
一人は小学校4年生で、
同じ学校に通っている“はとこ”。
もう一人は、
小学校2年生の“いとこ”。

ここに住んでいると、
親戚以外の人を探す方が大変なのですが、
同じ学校に通っている女の子は、
週末は必ず我が家で一日過ごすほどの大の仲良し。
一人っ子の彼女は、
年の近い娘達といるのが楽しいようで、
いつも一緒にいます。

さて、
パジャマパーティー当日。
一人の子は、
母親と同じベット以外で寝るのは初めてということで、
ちゃんと寝れるかが一番の問題。
もう一人は、
おねしょがひどく、
その対処が問題。
でも・・・
長女の作成したスケジュール通り、
3時半に集合して遊ぶところからスタート。
散歩や夕食、お風呂を経て、
まくら投げ大会。
(これって、世界共通なんですね(笑))
いつもなら9時には就寝の娘達。
興奮さめやらず、
結局寝たのは夜の11時頃でした。

朝。
あまりのうるささに目を覚ますと、
4人そろって庭で木登り。
時計を見るとなんと、
まだ6時ではありませんか。
朝の6時から木登りって。
しかも、
木から落ちてギャーギャー泣いてるし・・・

とにもかくにも、
無事にパーティーは終了し、
皆ご満悦。

こうしたことも、
成長の証しなんだと、
ふと考えながら嬉しくなる私でした。
それにしても、
女の子4人なんだから、
もっと部屋はきれいに片づけててほしかった;;;

今日、
JICA草の根技術協力事業で実施している、
ライフスキルトレーニングを、
アラカチ市の青少年達に実施しました。
毎回思うのですが、
私達が一方的に話しても伝わらないものが、
自分達の言葉で、
悩み、話し合い、相談していると、
自然と私達が伝えたいことが伝わっていく。
確かに、
その導入部分はかなり重要なのですが、
それでも、
彼らのその力にいつも感心してしまいます。

今日のテーマは
「病気の予防、そして、エイズなどの病気に対するどう関わるか?」

主に性教育を実施している看護師の方に講師として来ていただき、
話してもらいました。
その後、
ワークショップの中で、
グループでのディスカッションをします。

「あなたは誰に相談しますか?」

という質問に対して、

”おばさん”、”おばあちゃん”、”学校の先生”、”友達”、”兄弟”など、

それぞれが一番信頼できる相手をあげてくれました。
見事に一人も、
両親、
すなわち、
“父親”、”母親”
といった人がいませんでした。

「親は信頼できる相手ではない。」

はっきりという彼らにショックを受けると同時に、
なぜそのような関係になってしまっているのか?
その疑問がわいてきます。

そして彼らからの要望として挙げられたものは、

「保護者に対するワークショップの実施」

でした。
ライフスキルトレーニングは青少年を対象に考えたものですが、
それを実施し、指導する、
学校の教師に対しても実施していくべきだという話は出ていました。
が、
まさか保護者にも行ってほしいという要望が出るとは。
DSCF7636彼ら曰く、
どんなに彼らの知識が増え、
人生の計画を立ててそれを実現するために歩みたいと思っても、
保護者がそれを理解し、
応援してくれなければ成り立たない。
そう断言するのです。

今までも家族への情報提供など、
家族とのつながりを強化することは重要であると考えていましたが、
親子間の信頼関係の希薄さは、
かなり深刻な問題といえるでしょう。
今後、
私達にどのようなことができるのか。
ゆっくりと考えていきたいです。

IMG-20150227-WA0006私は保育士で、
こうしてブラジルの、
地の果てと言われる場所で保育や子育てに関わっていますが、
その前提となるものは、
子どもだけでなく、
“人”
というものが好きだということ。
確かにめんどくさく、
ときにはイライラすることもあるけれど、
やはり、
ただ話している、
笑っている、
その中で学ぶ多くのこと。
そんな時間が好きなのです。

ふと、
自分が今まで歩んできた道を思い返してみると、
人と関わるということが、
そして、
その中からたくさんのチャンスや、
新たな道が開けたこと、
問題を見つけ、
解決できたことがいかに多かったかが分かります。
DSCF7619
ここ数日、
自分はなぜ、
この場所で、
この人たちと、
この活動をしているのかということを考えていました。
何かの活動を実施し、
その結果如何で、
他の地域に移る、
他の事をする…
ということが、
私には考えられないという事実。

目の前にあり、いる、
その人やその活動を、
その人たち自身で切り開き、
悩み、
間違いながらも、
進んでいく事を傍で見ていること、
サポートすることがどれだけ愛おしいか。

“自分自身がチャンスめがけて突っ走る!!”

という時期を経て、
今は、
また違う時期を歩んでいる。
そんなことが、
今更ながらはっきりとしたような気がします。

さて、
もうひと踏ん張り。
この心地よい潮風の村で。。。

私が住むエステーヴァン村では、
朝、晩に砂丘を超えて森に行き、
薪をとってくる家族がいます。
こうした家族の家には、
庭に藁の屋根のキッチンがあり、
そこで料理をするのです。
不思議なことに、
昔から薪で料理している家に
最近ではガステーブルがあることもあるのですが、
なぜか、
引き続き薪で料理をしています。

そんな中、
こんな記事を見つけました。

「700万世帯が薪で料理 呼吸困難など健康に影響も」
(サンパウロ新聞 15/06/03 (13:26) より)
http://www.saopauloshimbun.com/index.php/conteudo/show/id/21743/menu/9/cat/1
↑上記にかいてあるのですが、
「デンマークの非政府組織(NGO)「コペンハーゲン・コンセンサス(CC)」は
「薪を使用する家では、家族全員が1日にタバコを2箱吸っているようなもの」と表現」

「世界保健機関(WHO)も調理用の薪や炭の使用が世界的に主要な健康問題の一つだと認めている。
同機関によれば、屋外の大気汚染より室内の大気汚染が原因で死亡する人が多く」

「ブラジルでも毎年2万4000人の被害者が出ていると推定され、
大気汚染による国内の死者数の約半分を占めている。
また被害者の多くは家の中にいることが多い女性や子供」

エステーヴァン村の人に聞くと、
だからと言って今薪を使っている人が、
すぐにガスコンロで料理をするようになるかというと、
かなり難しい問題と言います。
というのも、
自分達は煙で病気になったりしないからと・・・

これと同じことが、
記事の中にも書いてありました。
10年前よりも減っているとはいえ、
まだまだ薪で料理する家族は無くならないだろうと、
感じる私です。

2013年3月より始まったJICA草の根協力事業ですが、
2015年8月末をもって終了することを受け、
6月1日〜3日までの3日間、
JICA横浜より担当者2名、
JICAブラジル事務所より担当者1名による、
事業終了時評価を実施しました。
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カウンターパートであるフォルタレーザ大学と、
UNICEFセアラ事務所との協議からスタートとし、
運営会議への聞き取り調査、
コミュニティーネットワークの視察及び聞き取り調査、
アラカチ市政府との協議、
保育園等への視察などを行いました。
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私自身、
保育園等の運営といったことを除き、
プロジェクトベースでの活動実施において、
基本的には長くて1年、
活動は基本的に1つ、
協力関係者との共同で行われることが多く、
事業に対する評価といっても、
活動に対する課題や成果も明確なものが多かったため、
今回のような評価を実施することは初めてでした。
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まず、
自分自身の詰めの甘さを認識。
あまりのショックに、
翌日は緊張のあまり少し体調を崩していました。
さらに、
モニタリング不足、
指標に対する数値やデータ不足など、
自分の事業実施者としての能力の未熟さに正直泣きそうでした。
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活動の実施は、
協力体制もできており、
受益者のみならず、
多くのサポートがありました。
ただ、
私自身がこの地域に住んでいるということが、
今までは強みでしかなかったのですが、
それが逆に障害となるということも初めて、
体験しました。

今まで私が行ってきた活動。
それがあるからこそ、
協力体制もすぐに整い、
調整に時間を取られることもなく、
事業をスムーズに進められました。
しかし反対に、
私自身が今まで行ってきた活動と、
この事業で行った活動との境が、
どの受益者にとってもあいまいとなってしまったのは、
常に私が教育や社会福祉の分野で活動し、
主に子どもやその家族に対してアプローチしてきたからにほかなりません。

それでも、
今後、
こうした活動を続けていくにあたり、
今でも胃がキリキリしていても尚、
通るべく、
学ぶべきことであったということは間違いありません。
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まだ事業終了までは3ヶ月ほどあります。
その中で、
できることを引き続き実施し、
今回の教訓を生かしていく事ができるよう、
努めていきたいと思っています。

明日は祝日。
頭も、
胃も休め、
体調を戻していきたいと思います。

それにしてもブラジル人。
本当に写真が大好き。
しかも撮った写真をすぐに共有するあたり、
そのスピードに驚かされます(笑)

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