光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2016年12月

Agradecimento - コピー
メリークリスマス!!

2016年、
皆様にとってはどんな1年だったでしょうか?
私たちはにとっては厳しい1年であったと同時に、
学びの年であったと感じています。
2017年もまた、
皆様のご支援、ご協力、
どうぞよろしくお願いいたします。

【会員募集】
『光の子どもたちの会』では会員を募集しています。
会員になりますと、年2回の会報及び講演会やイベントなどのお知らせをブラジル事務局よりお送りいたします。
これら会員費は当団体の活動(現地プロジェクトを含む)及び運営費となります。
<年間費>
一般:5000円
協力:一口36000円任意額
※随時寄付やカンパも受け付けております。
※たったの100円でお米1kgを買うことができ、子ども一人当たりの保育料に毎月3000円が掛かっています。

※活動はすべて無償で行われています。

<郵便振替>
口座番号: 00280−1−41787
加入者名: 光の子どもたちーカノアの活動を支える会
<ブラジル銀行(Banco do Brasil)口座>
Agencia 0121-X
Conta Corrente 26357-5
Associacao Criancas de LUZ

<クレジット決済はこちらから>
http://criancasdeluz.org/contribution/index.html

海外に住んでいると、
郷に入っては郷に従えではないですが、
食事の仕方や、
そのマナーなど、
その国や、地域のやり方で行うというのが、
一番失礼のない方法ではあります。
ただ、
日本人として、
私を含め、
娘二人もですが、
食事をするときには必ず、

「いただきます」

といってから、
食事を始めます。

私自身は娘たちに

「あなたたちのひいおばあちゃんだけど、
食事の前にはきちんと、
「いただきます」
と、
感謝の気持ちを込めて、
言ってから食べなさいって教えられたの。
目の前にある食べ物だけでなく、
私たちがこうして生きているのは、
たくさんの人の力があってこそだからね。」

と話してきました。

http://toyokeizai.net/articles/-/149451
しかし今回この記事を見て、
「いただきます」にはそれ以上の意味があるのだということを知り、
今まで以上に
「いただきます」
の大切さが理解できました。

日本人として、
この習慣は、
いつまでも続けていきたいものです。

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先日、
私たちは「18歳未満への酒類販売禁止」のポスターを手に、
バーやレストランを歩き、
法律に関する説明をし、
ポスターの掲示のない店には、
ポスターを掲示しました。

今回のこの活動を行うにあたり、
本当に驚くことに、
ブラジルの法律では、

「18歳未満への酒類販売禁止」

という明記はあるものの、

「18歳未満の飲酒禁止」

の条項がないことが分かりました。
ということはもちろん、

「18歳未満の酒類購入禁止」

という明記もないわけです。

では、
18歳未満の青年が飲酒していた場合、
どうなるのかというと、
まずは保護者の有無の確認。
酒類を購入したのか、もらったのかの確認。
その後、
どこで買ったのか、
誰からもらったのかを特定し、
酒類を販売した人、もしくはあげた人は警察に任意同行され、
程度によっては、
半年から2年以内の有罪と罰金がかせられます。

この一連の過程を見て、
あれ?
と首を傾げた人。
そうです。
飲酒していた本人は何のお咎めもないのです。

私の住むカノアの観光地では、
夜になると町が活気好き、
ダンスホールや酒場にたくさんの人が集まります。
その中には必ずと言っていいほど、
未成年がいます。
その未成年に対して保護の法律がある故に、
飲酒をしようが、
真夜中に一人でいようが、
何をしていようが、
私たちにできることはほとんどありません。
知っている子どもであれば家に帰るように促す。
それが唯一できることなのです。

だからこそ、
大人の側の私たちが、
飲酒以上の犯罪といった事態を招かないように注意しないといけません。
そのためのキャンペーンとして、
ポスターの掲示を行ったのです。

果たしてこれがどれほどのものとなるのか。
私たちの話を聞いてバーやレストランの経営者がどう感じ、
どう対応するのか。
あまりに未知数で、
だけど、
何もせずにはいられなかった。
だからこそ私たちはまた、
ポスターの掲示を進めるため、
街を歩き続けるのです。

先日、
小学校教諭の方と話していたときのこと。
ブラジルと日本の幼保小連携についての話になりましま。
ブラジルでは4歳時から義務教育となったことで、
今まで幼稚園や保育園の無かった地域では、
公立の小学校に幼児部を作り、
それに対応しているところがほとんどです。
私が住むここ、
アラカチ市も例外ではありません。
しかし、
日本のように保育士や幼稚園教諭といった資格や免許もなければ、
乳幼児について学ぶこともない中で、
誰が幼児部の担任を担うのか?
それは、小学校教諭となるのです。
すると、
小学校1年生とほぼ同じ内容、
教え方で幼児部を教えるので、
子ども達をみていると、
楽しんで、
笑顔でいる子どもを見つけるのが大変な程です。

近年、
私達は自分達の経験を生かして、
市内の幼児部担当教諭に講座やワークショップを実施してきました。
理解のある校長先生のいる学校では、
積極的に実践に移せるものの、
それはほんの一握り。
まだまだ長き道のりと言えそうです。

学校教育も毎年法令の改定による混乱がある、
この国、
ブラジル。
乳幼児教育が理解、認識される日は、
まだまだ時間がかかりそうです。

早いものでもう12月も半ば。
2016年も残りわずかとなってしまいました。
そして今日、
12月16日は、
私たちの保育園と学童教室合同のクリスマス会。
年度末ということもあり、
今年制作したものを展示したり、
外部講師が教えてくれた授業、
サーカス(体操)とリコーダー(音楽)の集大成を披露する日でもあります。

ブラジル人は時間にルーズ。

これは誰もが知っている、
そして、
指摘すること。
会議の時間も予定時間よりも1時間前を案内として載せるなんて日常茶飯事。
そんな中、
私たちの保育園と学童教室は、
始めた当初こそ時間のルーズさとの闘いでしたが、
今では予定時間通りにほぼ全員がそろうという、
なんとも素晴らしい習慣が身についています。
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保護者、兄弟姉妹などと一緒にやってきた子ども達は、
まず、
展示室へ。
自分の作品を見せ、
その誇らしげなこと!
本当に素敵な顔をしていました。
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そして、
サーカス団の発表からスタートした今年のクリスマス会。
素晴らしい演技を見せてくれました。
そして、
保育園と学童教室、
それぞれの劇。
保育園ではまさかの主役辞退となり、
急きょ卒園生に頼んで参加してもらうという、
ひやひやではありましたが、
これもまた、
思い出の一つ。
そして学童教室の子ども達の劇の発表。
堂々と開幕の言葉を述べ、
劇がスタート。
途中のリコーダー演奏も今までで一番の出来となり、
最後の閉幕の言葉も力強く、
素敵な時間となりました。

一人一人のお母さん達からハグをしてもらい、
感謝の言葉を聞き、
子ども達の成長を語り合っている姿を目にすることは、
私たちにとって、
1年の中でも本当に大切な時間です。
1年の間の先生たちの準備、
子ども達との時間、
笑いや涙、
怒りや許し。
いろんなことが走馬灯のように駆け巡ったに違いありません。
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これから少し長めのお休み。
また会えるのは来年、
2017年になってからです。
新しい子どもを迎え、
また新たな一歩を進めていくことになります。
これからも引き続き応援の程、
よろしくお願いいたします!!

素敵なクリスマスを!!
Feliz Natal !!

私たちは2013年、
JICA草の根技術協力事業として、
ライフスキルトレーニングを青少年に実施しました。
最終的には、
当時ユニセフ始動により市で創設された、
”NUCA(子どもと青少年グループ)”
という、
各公立学校の代表者が集まって作られたグループで、
月に1度、
ワークショップを開催することになりました。

日本の学校とは異なり、
公立学校にはまだ、
子どもたちが参加する委員会というものがなく、
日本でいう生徒会の機能はほとんどありません。
ただ、
条例として、
こうした生徒の意見を聞き、
学校生活をより良いものにしていく動きは認められており、
私の住むアラカチ市でも、
全公立中学校の半分ではありますが、
生徒会が発足されました。
そのため、
この生徒会の代表者が、
”NUCA”
に参加することになったのです。

2016年11月30日。
今年度最後の集まりがありました。
そこで一人の男の子が、
皆にメッセージを読みたいと立ち上がりました。
ブラジルでの青少年の基準は18歳未満。
彼は今年17歳になったことで、
このグループに参加できる時間が残りわずかであること、
自分がいなくなっても、
ぜひこのグループが存続していくこと。
そうグループ皆に語りかけました。

12月6日、
一人の青年が死体で発見されたとの報道がありました。
NUCAのグループのメンバー間で、
あの最後のメッセージを読んだ彼が亡くなった、
いや違う…
そんな混雑した情報が駆け巡り、
13時過ぎ、
彼だということが判明しました。
暴力の跡があり、
殴られ、
刺され、
道端に放置されていたのです。

今日、
12月10日に「Selo UNICEF」という、
市が指標に基づいて活動を評価され、
基準値以上であると、
表彰されるという制度の表彰式がありました。
アラカチ市は、
2002年以降14年ぶりに表彰されることになったのです。
(ちなみにセアラ州では82の市が表彰されました)
その中で、
アラカチ市のNUCAの代表が舞台に上がり、
参加者に向けてのメッセージを読み上げました。
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「暴力のない世界へ。
我が友、その笑顔をみんな忘れない」

私はそのメッセージを聞きながら、
涙が止まらなくなってしまいました。
会場のあちらこちらで、
すすり泣く声が聞こえました。
彼ら自身が書いた文章、
そこに現れていた生前の友の姿、
そして、
失われた今だからこそ、
声を上げて訴えたい。

「暴力のない世界へ…」

その気持ちが、
会場全体にさざ波のように広がっていきました。

ブラジルは今、
乳児死亡率が下がり、
しかし同時に、
10代の若者の死亡率が年々上がってきています。
そこには世の中で起こる様々な暴力が深く関わっていることは間違いありません。
彼らのこの声を無駄にしないために、
私たちにはいったい何ができるのだろうか?

日本はいつもよりも早く冬が訪れ、
11月には積雪。
寒い日が続いていることと思います。
こちらは相変わらずの暑さが続いており、
水不足が深刻化しています。
私が住むエステーヴァン村は地下に水脈が通っており、
それをくみ上げて、
エステーヴァン村だけではなく、
観光地カノアにも届けています。
ということもあり、
まだ深刻化するほど水不足となっていないことは幸いと言えます。
ただ、
雨量不足など、
水脈の貯水力が低下していることは明らかで、
近いうちに深刻な状況になりかねません。
水は生活に欠かせないものです。
もうすぐ雨季となるので、
雨が降ってくれることを願うばかりです。

さて、
日本への一時帰国が決定しました!!
12月28日に日本に到着します。
例年通り、
数ヶ月滞在予定なので、
報告会やワークショップ、
ブラジル料理教室への参加など、
今からとても楽しみです。
また、
いつものようにコラボ企画などもすでに頭に描いているところです。
ぜひどこかで皆様とお会いできること、
楽しみにしております!!!

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