光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2017年08月

私たちが実施している、
「ライフスキルトレーニング」
昨年度から、
教員に対するトレーナー養成を行っています。
そして今月より、
座学を終了した教員たちが、
自らの学校にて、
生徒たちに「ライフスキルトレーニング」を実施しています。
参加している学校によって温度差はありますが、
今日参観した学校は素晴らしかった!!
昨年から少しずつ、
学んだことを自身の授業の中に取り入れ、
実施してきており、
子ども達も始めは恥ずかしがっていたものの、
(10名ほどの教員が参観に来ていたので)
次第に自分の意見を伝え、
議論し、
学び合う姿が見受けられました。
何よりも、
学校の他の教員たちもその授業の様子を体験し、
自分の授業への取入れ方を考えていた姿を見て、
本当に驚いたと同時に、
教員に対するトレーニングという方法が、
間違っていなかったのだと、
確信することができ、
本当にうれしかったです。

今月から私の知らない多くの地域を訪れ、
交流しているのですが、
考えていた以上にとっても楽しく、
自分でも驚いています。
先生たちの成長を見ていると、
それが可能だと信じることができ、
今後にも期待できそうです。
さて、
明後日もまた、
別の地域に行ってきます。
どんな出会いがあるのか、
今から楽しみです。
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以前にも紹介したことがあるのですが、
カノア保育園の第一期生で、
今はドイツの大学で学んでいる、
"Viviane"が、
休暇を利用してカノアに戻ってきています。
ドイツ語の語学学校から、
大学への入学の際、
何を学ぼうかと悩んでいた彼女ですが、
自身の幼児期の体験から、
なんと、

「保育士」

になることに決めたそうです。
ということで現在、
ドイツの大学の教育学部幼児教育専攻で学んでいるとのこと。

自分の将来の夢を考えたとき、
今までの人生の中で一番幸せだった時、
その思い出が頭に浮かんだそうです。
そして、
自分自身もそんな風に子ども達に幸せを与えてあげたい。
だから、
保育士になりたいんだと話してくれた時の彼女の顔。
声。
表情。
しぐさ…
本当にうれしくて、
私の眼には涙がたまっていました。

夢の実現に向けて歩み始めた彼女。
今まで以上に、
応援していきたい。

皆さんもぜひ、
彼女を応援してあげてください!!
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2017年8月2〜4日の3日間、
慶応義塾大学医学部国際医学研究会の活動が、
Pedregal地域の学校で行われました。
サンパウロの眼科医、歯科医と研修生、
そして、
アラカチ市の大学、
FVJ(ヴァリ・ド・ジャグアリビ大学)の看護学部の学生、
アラカチ市保健局から看護師、医師、歯科医他、
皆さんの協力を得て実施されたこの活動。
毎年恒例となっているものの、
受け入れ体制が異なっていることもあり、
初日はいつもドキドキしてしまいます。

新学期始まってすぐの活動だったのですが、
学校関係者の素晴らしい対応と協力のおかげで、
予定されていた活動をすべて実施するができました。

全校生徒を対象にした今回の活動。
とにかく、
できる限りスムーズにすべての工程を行うために、
試行錯誤を重ね、
1日目の午後にはそれぞれの担当が自分のやりやすい方法をきちんと導き出せていたような気がします。

3日目。
初日にどうしても検査をしないと拒否を続けていた生徒に、
教師と一緒に話しかけていました。
彼は14歳。
出産時に水頭症を患っており、
知能障害、
視力の低下が認められていました。
右目は既に失明。
左目は視力が残り40%という状態。
せっかく眼科医もいるので、
ぜひ検査してほしいところ、
なかなか部屋に入ってくれません。
何とか教師が付き添いながら検査を開始。
最後の眼科医との診察の中で、

「先日母と眼鏡屋さんにいるお医者さんに行きました。
そこでお医者さんは、
“右目は失明、
左目もこのままでは失明する。
右目は眼球を取り出す手術をする必要があり、
スポーツなどの活動も控えた方がいい。”
と言いました。
母は泣いてしまいました。
だから僕は検査をしたくなかった。
これ以上傷つきたくなかった。」

と話しました。
それを聞いた私の友人でもある眼科医は、

「右目は失明し、
左目の視力は約40%。
それは間違っていないけど、
今の状態であれば、
左目の視力が失明まで至る危険はないだろう。
眼球の手術も、
痛みなどを伴っていないのであれば、
する必要はない。
スポーツや遊び、
自分の好きなことはどんどんやっていいよ。
だって、
今だって走ったり、
遊んだりできているんだろう?
もし必要なら、
明日お母さんを連れておいで。
直接話をしてあげるから。
必要な時はいつでも連絡して。
来年もまた、
ここに戻ってくるから。」

と語りかけました。
それを聞いた生徒は今まで見たこともないような笑顔を見せ、
本当にうれしそうに、
部屋を出ていきました。

1年に一度。
活動の一部は市の保健局が引き継ぎますが、
眼科医のこうした診察は、
この地域では貴重なもの。
私たちがこの活動を実施する意義を、
感じた瞬間でした。

関わってくれている皆さん、
本当にありがとうございます。
そしてまた来年、
お待ちしています!!
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