光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2017年11月

https://www.lifehacker.jp/2017/11/171119-reading-to-your-kids-once-they-learn-how-to-read.html

我が家には今、
中学1年生と、小学4年生の娘がいます。
寝る前の読み聞かせを未だに続けているのですが、
大きくなりにつれ、
話を聞くだけでなく、
読んだ内容について話し合うことが増えたような気がします。

記事の中に、
「 いじめ、人種差別、性差別、災害など深刻な問題に対する心がまえを(中略)現実でも架空でも人生を変えるような難しい決断を迫られた複雑なキャラクターの物語を読み、その問題について一緒に考えれば (一部抜粋)」
とありますが、
まさしく、
本にはこういった人生にとって大切なことを伝えることごできる。
と、
私は強く感じています。

皆さんもぜひ、
本を手に取り、
読んであげてみてください。

今日、
クリスマスのカウントダウンともいえる、
アドベントのお祝いをしました。
アドベントは、
クリスマスまでの4週間、
その準備をする期間としてあります。
そして私たちは今日から4週間かけて、
子ども達とクリスマスまでの日々を、
過ごしていくこととなります。
(クリスマス会が12月20日を予定しているため、
本日アドベントのお祝いをしたのです)

私たちが住んでいる地域は漁村です。
今でこそ少なくなりましたが、
ほんの15年前までは、
8割以上が漁師という村でした。
そのため、
アドベントのお祝いとして選んだお話も、
漁師にまつわるものでした。

教師が物語を語っていくと、
子ども達はどんどんその世界に引き込まれていきます。
中には話に集中することのできない子ども、
ファンタジーの世界に入り込めない子どももいます。
でも、
物語に入り込んだ子どもは、
この特別な日の体験を、
忘れることはありません。
現に我が家の長女は中学1年生ですが、
未だにこの日のことを覚えているそうです。
(しかも一番印象に残っているのは3歳の時、
初めて体験した時のことだとか…)

なぜ、幼児期にこうしたファンタジーの世界に触れることが重要なのでしょうか?

物語の主人公になりきる、
お話の中に入り込む、

そういったことができる子ども達は、
他人を思いやる気持ちを持つことができ、
相手の立場に立って物事を考えることができるようになります。
こうした想像性に触れていなかった子どもは、
大きくなった時に、
なぜ相手がそのように考えるのか、
なぜそういった行動を起こしたのか、
考えることすらできなくなってしまう。
飛躍しすぎだと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、
私はそう考えています。

以前、
ゲームの中では剣で刺してもまた生き返るから、
イライラしたからその人を刺した…
と話していた10代の青年がいました。
彼はなぜ、その人が生き返らないのか、
それをとても不思議がっていたそうです。

これは少し行き過ぎた話ではありますが、
ファンタジーの世界を知っているというのは、
現実の世界と混在している…
ということではありません。
なぜなら、
ファンタジーの世界で生き、
それを遊びなどを通して活動に生かしているのは、
幼児だからです。
こうした子ども達が成長し、
大人になっていく過程では、
それらが現実の感情や思考として生かされていく。
そう私は信じています。

近年、
こうした語り部を聞く機会も減り、
読み聞かせをしてもらうことも減っているようです。
ビデオではなく、
インターネットでもなく、
人の声で、
その感情が感じられる中で、
ぜひ物語の世界を多くの子ども達に体験してほしい。
そう願っています。
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今日、
私が住むブラジル、セアラ州における、
出産状況が紹介されていた。
乳児死亡率は減少したが、
近年、
37週未満で生まれてくる、
未熟児が増加しているという。
2017年の統計では、
10月末までで、
4人に1人が37週未満で出産しており、
これらの新生児を収容可能な病院も、
空きのない状態が続いているという。
その原因として挙げられていたのが、
母親である妊婦の状態である。
望まない妊娠の確立も多いここ、ブラジル、セアラ州。
妊娠に至るまでの体調管理ができている人はほとんどいない。
妊婦に対して、
どのようなことができるのか?
その対応策が求められているとのこと。

そんな中、
日本では現在、
「プレコンセプション」が注目を集めているという。
下記の記事の中で、
『妊娠前から女性の健康を管理することが、妊娠・出産の結果の改善につながる』
と書いてあり、
ブラジルでの問題に対してもヒントとなるようなことがあると、
強く感じられた。

http://www.huffingtonpost.jp/2017/11/14/kokuritsu_a_23277648/?ncid=fcbklnkjphpmg00000001

“座右の銘”
という言葉を娘たちが知っているかどうかは定かではないが、
ここぞという時にいつも聞かれる言葉。
それを信条としている言葉がそれぞれあるらしい。

長女は、
『塵も積もれば山となる』
意味:小事をおろそかにしてはならないという戒め。
塵のようにごくわずかなものでも、積もり積もれば山のように大きくなるということから。

良いことでも悪いことでも、
どんな小さなことであっても、
それが度重なれば、
大きくなってしまう。
だから、
友達との言動に気をつけるようにしているという。
我が娘ながら素晴らしい。
(ただ、残念ながら姉妹間では例外となるらしい)

二女は、
『十人十色』
意味:考え・好み・性質などが、人によってそれぞれに異なること。

みんな違うから、
楽しい。
みんな違うから、
素晴らし。
という、
自然体でこの考えがみについている。
くるくるの髪の毛など、
実体験の中から学んだことなのかもしれない。

私は彼に「うるさい!!」
と言われるほど、
毎日のように、
娘たちと話をします。
くだらないことから、
学校での問題。
人生相談まで。
内容は様々だけど、
とにかく私よりもおしゃべりな二人。
でもそれが私にとっての安心なのかもしれない。
とにかく引き続き、

“いつでも話を聞くよ!!”

でいきたいと思う。

数年前から、
私が住むアラカチ市内の中学校で、
グループでの自殺未遂が急増している。
そのきっかけは、
SNS経由で送られてくる、
あるメッセージだった。

『このグループにいたいなら、
リストカットをした腕をアップしろ』

ブラジルでは
"Baleia Azul"
と呼ばれている、
一種のチェーンメールのようなものだった。

その後、
その名前を聞くことがなくなったと思ったら、
今年に入り、
中学校内のトイレで、
リストカットをする生徒が急増していると、
あちこちの学校で聞かれるようになった。
グループで行う時もあれば、
一人の時もあり、
ある学校では生徒がトイレに行くときには、
教員が必ず付き添うという。
リストカットする生徒はある特定の生徒というわけでもなく、
成績の良い子も悪い子も、
家族関係が良好の子もそうでない子も、
こうした行為にはしっている。
中にはそれがエスカレートし、
自宅で首を吊り亡くなるケースもあった。
なんと私がインタビューした27校の内、
25校でこうした現象が起こっているのである。

いったいどんな理由があるのだろうか?

一つには思春期特有の悩み、
容姿に関わること、
友人などの人間関係、
恋愛関係があげられる。
もう一つには、
経済的不況もかかわり、
10代の犯罪、
特に麻薬による殺人事件が増加していることにも表れている、
将来への不安。

我が家の長女は中学生。
彼女と話す中にも、
知人の不登校、
知人が自殺をほのめかす会話をするなどが聞かれる。
ただ彼女曰く、
「どうして?」
と聞くと、
たいていの場合はほんの些細なことで、
話を聞いてあげていると、
その内今までのことが嘘のように、
晴れ晴れした顔で学校に来るようになるという。

なぜ家庭ではなく、
学校で行われるのか?
生徒から話を聞くと、
親は信頼できない。
学校の先生の方が信頼できるから…と。

こうした行動の背景には、
インターネットやSNSの普及が大きく関係しているように思える。
それに加え、
人間関係の築きにくさというのもあるように感じる。
私たちが生きる現在。
何を大切に生きていくべきなのか?
常に考える姿勢が必要なのかもしれない。

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