光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2019年01月

我が娘の次女は、
本が大好き。
毎日のように小学校の図書室に通っています。
先日の個人面談でも、
担任の先生からの心配事の一つが、

「休み時間はいつも、
一人で本を読んでいる姿を見かけるのですが、
おうちではどうですか?」

でした。
娘はもともとエネルギッシュで天真爛漫。
学校から帰宅するとかばんを放り投げ、
近所の友達と鬼ごっこなど、
思い切り体を動かして遊んでいます。
そして、
寝る前は必ず読書。
本を読むこともまた、
彼女のライフワークの一つなのだと思います。

そんな彼女がお年玉で買った2冊の本。
どんな本なのか。
私も読んでみました。

『言葉屋 久米絵美里著』

言葉のことを紐解いていくお話なのですが、
その中で書き留めておきたいこと。

「言葉は、話す時につかうためだけのものじゃない。
ものごとの関係性を読み解く時や、
何かを記憶する時にもつかう、
思考に必要な道具だ。
(中小略)
一つの言語だけで勉強をしてきた人と知識の蓄え方がちがったから、
テストっていう限られた枠の中では、
学力をはかりにくくなっていたんだ。」

この文章を読みながら、
長女のことが頭をよぎりました。

言葉って本当に難しい。
コミュニケーションのための道具というだけでなく、
それ以上に、
その奥には文化や様々な背景がある。

「言葉は毒にも薬にもなるんだよ」

この本の帯に書いてある言葉。

こうした本を娘が選び、
買ったのだと知ることができ、
また、
私自身にも学びがありました。
やっぱり本って、
いいですよね。
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1月27日(日)、
ブラジリアンバー、“Aparecida”で、
毎年恒例となっている、
(店長、そしてくみさんありがとうございます!!)
報告会をさせていただきました。
あまり参加人数が少ないのが悩みの種でもありますが、
それでも、
毎回来て下さる人達との新しい出会いを経て、
気持ちの良い素敵な会をさせていただいています。
参加してくださった方には、
美味しいブラジル料理を食べていただけますし!!

今回は、
私がブラジルに行くきっかけとなった、
日本の子ども達への不安、
世界の子ども達を見てみたいという願望、
ファヴェーラと呼ばれる“スラム街”の保育園での実習、
ブラジルでの1年間、
カノアでの保育園設立、
現在に至るまで…
そんな話をさせてもらいました。

ブラジルの子どもとの出会い。
それは、
私自身の“子ども観”を変えるものでもありました。
ブラジルでの子ども達の家族との出会い、
それは、
理不尽さ、なぜという疑問の連続でもありました。
特にファヴェーラの保育園に子どもを通わせている家族と話をすると、
全財産をなげうって、
ブラジルの特に北東部の農漁村地域から出てきた人がほとんどでした。
北東部での生活は貧しさとの戦い。
よりより生活を求めて…
何も知らない大都会、
サンパウロやリオデジャネイロにやってきます。
そこでバラック小屋を建て、
日雇いの仕事に就き…

「なぜ、北東部での生活を続けられなかったのか?」

それが次に出てきた私の疑問でした。
それが今の活動の原点ともいえます。
北東部の農漁村地域で生活していこうと、
そう思える場所があれば、
故郷を捨てることはないのではないか?

私は保育士ということもあり、
最低でも読み書き計算、
小学校を卒業できる環境を作ってあげたい、
そのための子育て支援に取り組んできました。

私のように小さな村、
田舎の地方都市を変えたところで…
ブラジルの大きな問題がより良い方向に行くことは難しいかもしれません。
でも、
出会い、
今目の前にいる子ども、
その家族だけでも…

どこまで、
何ができるのか。
今年で19年目。
来年20年!!

「子どもが子どもらしく子ども時代を過ごすためには?」

このミッションを胸に、
進んでいきたいと思います。
応援、
よろしくお願いいたします!!
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20年近く前より、
「気になる子ども」
というのが教育、保育現場で聞こえるようになり、
その中には、
体に対する異変を訴える人も少なくありませんでした。
2019年1月23日読売新聞朝刊で記載されていた、
「ジャンプの着地で転び、
アキレスけんを断裂した」
というのも、
以前ならば、

「そんなことあるの!?」

と驚いていたかもしれないですが、
今では、

「そうそう、気を付けないと危ないよね」

と、
変わってきています。
子どもたちは体を動かして遊ぶことが少なく、
同じ体制で長時間いることも少なくありません。
木登りなんて危ない、
自転車で転んだらどうするの!
と、
“危ない”と大人が声を出す。
子どもは危ないからやらない=体を動かせない
となってしまいます。
小さなころから木登りしている子どもは、
不思議なことに木から落ちても骨折しません。
小さなころから凹凸のある場所を走っている子どもは、
バランス感覚に優れ、
転んでも大きなけがをすることはありません。
当たり前のようですが、
こうした事実よりも危険が先に立ち、
さらに、
子どもの時間の使い方や
遊び方の変化により、
どうしても育ちづらい時代となっているのかもしれません。

こうした運動機能の低下は、
その後、
大人になっていく段階で、
大きな被害が出るという事実も確認されています。

確かに命に危険が及ぶ行いは避けなければいけません。
でも、
広場で思い切り走る、
ボールをける、
投げるなど、
体を動かすことを意識して、
子ども時代を過ごさせてあげてみてはどうでしょうか?

毎年恒例、「よこはま国際フォーラム」に参加します!!
今年は
日時:2月3日(日)14:10〜15:00
場所:JICA横浜 会議室1(1F)

通常は特別講師の方も呼ぶのですが、
今回は代表の鈴木真由美(保育士)の報告のみとなります。
保育園を拠点とし、
そこから地域子育て支援へと広げてきた私たちの活動をご紹介したいと思います。
皆様ぜひ、お越しください!!

http://yokohama-c-forum.org/wpforum/forum_registration/

「ブラジル、笑顔の裏で 〜小さな貧しい漁村の生活」

日時:2019年1月27日(日) 14:00〜17:00
場所:Barzinho Aparecida
   〒167-0053 東京都 杉並区西荻南3-17-5

ブラジル北東部、
常に光に溢れた風光明美なセアラ州カノア・ケブラーダで
地元の子どもたちのために奮闘している日本人女性がいます。
サンパウロから飛行機で数時間もかかる、
他に日本人などいない小さな町で、
どうして、
何のために活動を始めることになったのでしょうか?

鈴木真由美より:
『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに過ごすためには?』

私がこの言葉をミッションとして掲げ、
ブラジルで保育園を始めたのは、今から18年前。
ファベーラというスラム街の保育園で子どもやその家族と接する中、
多くの人達が故郷を捨て、
サンパウロの大都会にやって来たことを知った。
「どうして故郷を捨てなければならなかったのか?」
その理由を知ったとき、
ブラジル人からも“地の果て”と言われるブラジル北東部の小さな漁村に行くことにした、私。

そんな私の小さな物語を、ブラジルの大自然を一緒に感じながら体験してみませんか?
日本とブラジルを小さな娘達と往復する生活を続けてきた私が、日本とブラジルの子育てについてもお話しさせてもらいます。
皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
https://www.facebook.com/events/2029919993736590/?active_tab=about

あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
「光の子どもたちの会」として任意団体として立ち上げたのが2006年。
おかげさまで14年目を迎えます。
現地での活動においては、長く中心となり支えてくれていたスタッフが旅立ちを迎え、
新たな形として歩き始める本年。
「子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに過ごすためには?」という基本精神を今一度思い出し、
地道に、ひとつずつ、目の前のできることから取り組んで参りたいと存じます。
本年も変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。
皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

2019年1月
特定非営利活動法人 光の子どもたちの会
代表 鈴木真由美
http://criancasdeluz.org
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