2007年に
ブラジル教育省にて、
「Mais Educacao(もっと教育を)」
というプロジェクトが作成されました。
(下記参照:ポルトガル語)↓
http://portal.mec.gov.br/index.php?Itemid=86&id=12372&option=com_content&view=article/
2008年から開始されたこの事業は、
今年に入り、
私たちが住むアラカチ市の3つの学校にて実施されるようになりました。

この事業は、
「公立学校を全日制へ」
というブラジルの試みであり、
子ども達は一日、学校で過ごすことができます。
目的や活動内容は、
私たちがカノアで行っている学童教室と似ているところが多々あり、
ポルトガル語や算数の補習も行いますが、
芸術や文化、人権や保健教育、環境問題への取り組みなどを重要視しています。
また、
州や市を介すことなく、
政府から直接学校に実施費用が渡されるというのが大きな特徴です。
それにより、
学校内で本当に必要な施設整備、
物資の購入、
専門教師の雇用など校長の裁量で実現することができるのです。
(ただ校長の力量により大きく左右されるという問題点もありますが)

そしてこの事業。
10月1日よりカノアの公立小学校でも開始されました。
そこで判明した多くの課題。
まずは、
1週間前に突然この事業の導入が決まったことで何の準備もせずに開始されたこと。
それにより、
事業を実施する空き教室がなく、
専門教師を探す時間もなく、
物資等の購入費用も学校に渡される前に開始しなければなりませんでした。
また、
残念ながらこの事業の対象生徒は全生徒ではなく、100人限定。
よって、
カノアの公立学校では約500人の生徒から選抜し、
午前50人、午後50人、合計100人となるように調整しています。
学力や家庭の問題のある生徒が優先されるのですが、
そうとは言えない児童が選抜されていたりと、
この選抜にも首をかしげるところがたくさんあります。

せっかくの素晴らしいプロジェクト。
実施状況が整った上で開始されれば、
素晴らしい成果が期待できます。
ただ現状は、
現場でそれが生かしきれていません。
場所なし、教師なし、物資なし。
無しづくしではどんなに素晴らしいプロジェクトも資金の垂れ流しになってしまいます。

10月7日には市長選が行われることから、
現役市長が任期最後に市民へのアピールとして導入したのではないか?
と囁かれているほど。

このプロジェクトがこの地域でも生かされるよう、
少しずつでも実施整備してくれることを
願うばかりです。