1938年に開始されてから75年間にわたって続けられている、
世界に存在する最も長期的な研究のうちの1つ。

IQや飲酒癖・家族との関係から陰嚢のぶら下がる長さといった、
あらゆる要素から心理学、人類学、身体的な人間の特性など幅広い分野を調査しているのが、
ハーバード大学の75年にわたる研究「Grant Study」です。
ハーバード大学に在学した268人の男性を対象に、
卒業後も毎年健康診断と心理テストを行うことで、
戦争、仕事、結婚や離婚、育児、老後といった彼らの人生を追跡調査したもので、
2009年にThe Atlanticがこの調査をまとめているのですが、
研究者によって新たに

「何が人を幸せにするか?」

ということが明らかにされました。

私の専門分野でもあるので、
特に気になっているのが幼児期に関するものだったのですが、
こんな記述がありました。

「調査から明らかになったことの1つは、
幼年期に母親と暖かな関係が築けていた男性は、
そうでない男性よりも8万7000ドル(約890万円)も年収が高いということ。
2つ目は、
幼年期に母親との関係が乏しかった男性は、
老年において痴呆を発症する可能性が高いということ。
そして、
専門家の人生の後期において、
少年期における母親との関係は仕事の効率性に関係するということです。」

現在、
乳幼児期の重要性を理解し、
コミュニティーベースで活動していくことを
実施しているのですが、
またひとつ、
私たちの人生にとって、
この「幼児期」がどれだけ重要なのか。
そして、
その時の家族との関わりがその後の人生に与える影響を
示す新たな調査結果となりました。