先週、
ある女の子が近所にやってきました。
祖父に当たる人が、
自分と一緒に暮らすために連れてきたのです。
祖父といってもまだ50代半ばの人で、
その女の子は今年で13歳。

13歳にしては見た目も、話し方も、とても幼い彼女。
なぜ祖父は、
自分と暮らすために連れてきたのか。

『私は5人兄弟の長女なの。
父親は麻薬の売人で、
ほとんど家にはいないし、
母親は何をしているのか、
フラフラしてて、
家にはほとんどいないの。
父親はしばらく帰ってこないと思ったら、
子どもを連れて帰ってくる。
自分の子どもだって言うんだ。
それが私が一緒に暮らしていた兄弟達。
私の家には祖母もいるんだけど、
かなりの年で、
一人でほとんど何もできないの。
だから、
家の事とか、
兄弟の面倒とか、
全部私が一人で見てた。
5歳の時に一度学校に行ったことがあるの。
でも、
1ヶ月くらいで母親にもう行くなって言われた。
家から出れば銃殺される危険があるし、
学校は大通りの向こう。
横断歩道も信号も何もないから、
子ども達は命がけで渡るんだ。
だから、
そこの道では毎日のように交通事故が起こってる。
私たちみたいにスラム街で暮らすような人たちが事故にあっても、
それで何が変わるわけでもないし。
母親は私に無関心で、
とにかく、
家から出してもらえなかった。
だから、
字の読み書きもできないし、
数字もよく分からない。
友達と外で遊ぶってことも、
した事がないんだ。
だって、
いつも家の中で、
兄弟としかいなかったし。
家の事とか大変で、
遊ぶ時間もなかったしね。
でも、
学校に行きたくなかったわけじゃない。
もし行ってもいいなら、
行きたいよ。
でも13歳で字の読み書きもできないって、
学校に行ってもばかにされるだけかな…』

話し始めると止まらないらしく、
淡々と話す女の子。
まるで奴隷のような生活を送っていた彼女の話を聞いて、
私はものすごいショックを受けました。
さらに憤りを感じたのは、
カノアの公立学校が、
年度途中の入学を認めなかったこと。
年齢的に1年生に入れるわけにはいかないし、
3、4年生に入れるにしても、
何も全く知らない彼女の対応ができる教師がいないっていうのが理由らしい。
既に長い間学校に行けなかった彼女が、
来年にならないと入学できないなんて、
一日だって無駄にできない彼女を目の前に、
何もできない私自身に腹が立ってしょうがないっていうのが本音です。

週2日、
夜になると、
彼女の個人授業が始まります。
先生は“フラビアーニ”。
私達の学童教室の担任をしている彼女は、
自分にできることだから・・・と言って、
彼女にアルファベットを教え始めています。

学校に行きたくても行けない子どもが、
ブラジルにはまだまだ沢山いる。
彼女の話を聞くと、
彼女が住んでいた地域には同じような境遇の子どもがたくさんいるらしい。
遠く離れたこの子ども達に何かすることは難しいけど、
目の前にいるこの女の子が学校に通えるようにすることは、
私にもできるかもしれない。
だから、
私にできる限りのことをするつもりでいます。