私は今年度より、
セアラ州アラカチ市の
「保健医療委員会」
のメンバーとして参加しています。

今日、
その会合では、
2014年度のアラカチ市内の保健医療に関する報告がありました。

“アラカチ市民の内11%が65歳以上である。”

ということから始まり、
市民病院での医療件数や市内の緊急搬送、
症例報告や死亡率など、
様々な報告がありました。
気になった事はいくつかあるのですが、
今回は

“自然分娩”

について。

昨年度、
アラカチ市内で実施された出産の内、
約25〜30%が帝王切開でした。
持病がある、
骨盤形成の関係で自然分娩できない、
妊娠期にハイリスクと診断された、
など、
自然分娩が困難である場合を除いても、
妊婦、
もしくは、
同伴者が
“帝王切開”
を望むケースが増えてきていると、
現場の看護師達は言います。

15年ほど前まで、
私が住むこの小さな村にも、
お産婆さんがいました。
そして、
ほぼ全ての人は、
自宅での自然分娩でした。

医療が発達し、
病院で出産することが通常となり、
市内にあるたった一つの産院はいつも満員。
出産を待つ…というより、
機械的に出産を行う…
それが正しい表現であると言わざるを得ない程、
帝王切開による出産が増えていきました。

そこには、
妊産婦の意思というよりも、
医師不足、
ベット数の不足など、
外部の条件により、
帝王切開となるケースが多くあります。

1995〜2000年にかけて、
ブラジルでは自然分娩に関する大きな動きがあり、
助産師が認知されるようになりました。
2001年からは、
毎年のように国際的な学会がブラジルで開催されるようになるなど、
意識が大きく変わってきている、
それがひしひしと伝わってきていました。
しかしここ数年、
一時の波は薄れ、
残念ながら再び帝王切開による出産が増加し始めているようです。

2015年1〜3月までの3ヵ月間、
アラカチ市内で行われたお産は91例。
その内の70例が帝王切開でした。
この数字には、
正直驚きが隠せません。

妊婦検診の強化。
妊婦を対象とした母乳育児推進講座の実施。

素晴らしい取り組みもあります。
が、
それ以上に、
課題が多くある。
そう実感させられました。