ユネスコが取りまとめを行っている、
EFAモニタリング報告書(2000-2015年版)より、
今の世界の教育の現状を知りました。

まず、
EFAとは、Education for All(万人のための教育)の略で、

“今なお世界中に「読み・書き・そろばん(計算)」といった基礎教育を受けられない立場にある者が多いなかで、
各国が協力しながら、
国連ミレニアム開発目標(MDGs)に基づき、
2015年までに世界中の全ての人たちが初等教育を受けられる、
字が読めるようになる(識字)環境を整備しようとする取り組み(文部科学省HPより)”

です。

ユネスコ、ユニセフ、国連開発計画、国連人口基金及び世界銀行が主催した、
2000年にダカール(セネガル)において開催された「世界教育フォーラム」において、
「ダカール行動枠組み」が採択されました。
その際に、
掲げれた6つの目標を達成するために、
2002年から「EFAモニタリング・レポート」を発行し、
目標の達成度合いの進捗状況を定期的に報告してきました。
今回のレポートが特に重要な理由はこの目標の中に、
2015年までに達成すべきことが盛り込まれていたからでした。
その3つの目標とは、

1.女子や困難な環境下にある子供達,少数民族出身の子供達に対し特別な配慮を払いつつ,2015年までに全ての子供達が,無償で質の高い義務教育へのアクセスを持ち,修学を完了できるようにすること。
2.2015年までに成人(特に女性の)識字率の50パーセント改善を達成すること。また,全ての成人が基礎教育及び継続教育に対する公正なアクセスを達成すること。
3.2015年までに教育における男女の平等を達成すること。この過程において,女子の質の良い基礎教育への充分かつ平等なアクセス及び修学の達成について特段の配慮を払うこと。
(文部科学省HPより)

これらの指標は達成されたのでしょうか?

以下、ユネスコの回答です。
「測定可能なEFAの目標を達成したのは、全体で3分の1の国にすぎなかった。」
「2015年、低・中所得国においては約1億人の子どもたちが小学校を修了することはない」
「裕福な子どもに比べて、最も貧困な子どもが学校に行かなかなる可能性は4倍高く、
小学校を修了しない可能性は5倍高い。」
「2000年以降、中学校に在籍する子どもの数は4200万人に及ぶが、
低・中所得国においてはそのうちわずか3分の1しか中学校を修了していない。」
「中学・高校教育においては、男女平等はまだまだ例外である。」
(初等教育においてはある程度実現がされている)
「最も貧困な女子は、未だにほとんどが小学校にいかない。」
「裕福な国においては、
今まで以上に増して男子は中学校を修了する前に学校をやめるようになっている。」

元国連職員だったクリスティン教授は、
下記のように指摘します。
「(教育への)アクセスばかりを重視していて、
その質についてはこれまであまり重きが置かれていなかったのではないでしょうか」

結局、
「国連の教育目標、達成できず 資金不足が課題」

という結論に至りました。

詳細はこちらへ↓
https://en.unesco.org/gem-report/report/2015/education-all-2000-2015-achievements-and-challenges#sthash.ZKbRAMuS.VNpefvaE.dpbs

実は今ブラジルでは、
“Fora da Escola, Nao Pode !”
(学校にいないのは、いけない!)
というキャンペーンを行っています。
数年前に4歳児以降を義務教育としたものの、
まだ学校に通えない、行かない児童がいます。
また通っても、
小学校5年生でリタイアしてしまう例が後を絶ちません。
学校にいるだけでも意味はなく、
そこでどれだけ質のある教育が実現されているか。
それが重要だと感じています。
このレポートは、
あらゆる意味で教育について考えさせられるものとなりました。