日本語には、
話し言葉として同じ“音”のものは、
たくさんあるのだが、
その言葉一つ一つの意味に、
大きな違いがあるものがある。

「きく」

もその一つではないだろうか。

「聞く(hear)」は、
相手が一方的に話していることを「聞く」ことを意味する。
ラジオやコマーシャルを聞いたり、
駅でのアナウンスを聞いたり…
こういった場合の「きく」である。

「聴く(listen)」は、
相手の心情や立場を推し量りながら、
「深くきく」ことを意味する。
話を聴く、
意見を聴くなどといった行為は、
“傾聴”していることを表す。
私の仕事において、
「きく」
というと、
この「聴く」を示すことが多い。

最後に「訊く(inquire)」とは、
疑問に思ったことや、
関心のあることを、
当事者に尋ねてみることを意味する。
真意を訊く、
本音を訊く、
事実を訊くのように、
知りたいことに対する質問として投げかける行為を意味する。

こうしたことを分かったうえで、
使い分ける必要があるのだ。
ぜひ皆さんも、
気にして使い分けてもらいたい。