2020年8月18日。
マリアさんが天国へと旅立った。
8月11日に91歳の誕生日を迎えたばかりだったおばあさん。
彼女は、
彼のおじいさんのお姉さんなので、
マルシアーノにとっては大叔母になるのでしょうか。
彼らはアマゾンの森で生まれた、
原住民でした。
ある日、森を襲った大規模な開発。
彼らは海岸沿いを逃げてきたそうです。
姉と弟。
たった二人だけ。
彼らは、
エステーヴァン村へとたどり着き、
そこで家族を作りました。

その時の話を、
私は何度も足を運び、
聞くことができました。
どうしても話したくないと、
口を閉ざす場面も多く、
お互いに泣きながら、
そんな時間を過ごしました。

彼女は村の産婆として、
無くてはならない存在でした。
身一つで村にたどり着き、
そこで産婆として信頼を得、
家族を作ったマリアさん。
この話は、
エステーヴァン村の子孫につないでいくべきものだと、
私は強く感じています。

最後にあったのは、
もう2年前でしょうか。
昨年は体を壊し、
なかなかお見舞いにも行けないほどでした。

私の娘へと続く、
原住民族の血。
その大樹を、
大切にしていきたいです。

Dona Maria Borges de Castro

安らかにお眠りください。
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※私の著書「ブラジル 天使が舞い降りる村」にも、彼女の姿が登場しています。