光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

カテゴリ: 子ども

2022年1月30日付の読売新聞、
ONLINEシンポジウムのテーマが、

「教育の急激なデジタル化の問題を考える」

だったのですが、
デジタルと紙の教科書のメリットやデメリット。
これまでも、
そしてこれからもまだまだ議論が続きそうなテーマですが、
その中で特に私が共感したのが、

「教育は「無駄こそ命」」

という言葉。

「なぜと立ち止まって考える」
「退屈したときにこそ、
子どもは創造性を使って面白い遊びを始める」

確かに!
この余白があるからこそ、
人は成長できる。
近頃よく感じていることです。

オンラインというのが当たり前になってきた昨今だからこそ、
対人関係、
人との関わりを今まで以上に大切にしていきたいですね。

ブラジル、カノア保育園では、
2020年3月より続いていたオンラインによる授業が終わり、
201年10月4日よりようやく、子どもたちが笑顔で登園することができるようになりました。
長い自粛生活。
子どもたちは保育園に来られることが嬉しく、
活気あふれる園内に、
先生たちも嬉しさでいっぱいです。

さて、
「カノアの写真で2022年のカレンダーを作ろう!!」
と題して行った、イベントにて選ばれた12枚+1枚の写真を使ったカレンダーが完成しました!!
・卓上カレンダー
・B6サイズ
・壁掛けカレンダーとしても使えます
カノアに行ったこともある人もない人も、ぜひ子どもたちの笑顔とブラジルの風を少しでも感じていただけたら嬉しいです。
尚、このカレンダーの収益はすべて、現地での活動費とさせていただきます。
購入いただいた方には、
2021年11月15日より随時発送開始いたします。

20周年記念を祝してのオリジナルカレンダー。
ぜひご購入下さい!!


お問い合わせに関しては、
下記、日本事務局までお願いいたします。


光の子どもたちの会
日本事務局
〒221-0841
横浜市神奈川区松本町1-7-1
TEL/FAX 045-321-1824
E-mail info@criancasdeluz.org

「子どもってすごい!!」
「子どもって面白い!!」

私はなぜ保育士という仕事をここまで楽しく今日まで続けているのかと言われれば、
この2つが大きいなぁ〜と、
感じます。
子どもは可能性を秘めています。
そして、
未知なる道を歩んでいくために、
環境を整えてあげること。
それが私たちの一番の役割なのではないかと思うのです。

「人間の関係性って一見無駄に見える雑談のようなところから豊かになって育まれていく。
無駄話をしてもらえる関係性をつくる(下記サイトより一部抜粋)」
「人がいちばん成長するのは、自分が成長したいとき(下記サイトより一部抜粋)」

思わず納得してしまいました。
無駄話ができる関係。
雑談のできる環境。
その関係性があるからこそ、
共に学び、
共に生きることができる。

私が活動するブラジルの小さな漁村では、
無駄話の連続です。
買い物に行くとなると、
出会った人と雑談を繰り返すので、
小さなころの娘たちは、

「ママ、いつもお話ばっかりするから」

とあきれていたほど。
でも、
この雑談があるからこそ、
私はその場所で楽しく、共に生きて居られたんだと、
感じるのです。

学校でも、
地域でも、
どんな場所でも、
無駄話ができるような関係のある環境づくりというのは、
とても重要なのではないでしょうか。
噂話ばかりする…
それは嫌だな…
そう感じることもあるでしょう。
そんなときは、
すーっと、
流してしまえばいいのです。
無駄話からヒントを得て、
活動につながったこともたくさんあります。
昨今は道端で話をすること自体できないような難しい時期ではありますが、
こうした関係性が続くよう、
願うばかりです。


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本を読む。
本からはたくさんの学びを得ることができます。
でも、
それだけではない。
今回、
国立青少年教育振興機構が実施した調査で分かったことがあります。

「大人になった時に
「物事に進んで取り組む意欲」(主体的行動力)や
「一時的な記憶力」(認知機能)などが
高い傾向にある」

(下記サイトより一部抜粋)




これからの子ども達に大切だとされている、
主体的行動力
自己理解力

暑い日が続き、
自粛の日々。
そんな夏休みは、
ぜひ読書を楽しんでみては?

私たちはブラジルにおいて、
2013年に「地域子育て支援ネットワーク」というものを創設した。
カノア・ケブラーダ地区に創設以来、
2018年までにアラカチ市内8地域に創設されることとなった。
教育(学校や保育所)、保健医療(保健所や病院)、社会福祉(ソーシャルワーカーなど)
それぞれが個々にプログラムがあり、
素晴らしい活動をしているものの、
横のつながりがないために、
必要な人に、
必要なプログラムが届かない…
という実態があり、
私たちは、ネットワークづくりの重要性を訴え始めた。
このネットワークは、
地域住民が中心となり、
実施しているという特徴があり、
異動のある専門家へのつなぎの役目もはあ足してくれているコミュニティーリーダー(地域住民)の存在は、
とても大切です。

そして日本でも、
「子育て世代包括支援センター」
(横浜市の基本的考え方:https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/oyakokenko/ninshin/houkatusiencenter.files/0002_20190419.pdf
があると知りました。
“妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援”
この考え方はまさしく、
私たちの「地域子育て支援ネットワーク」に通じるものがあるのではないか?
そんな風に感じました。

日本とブラジル。
遠いようで、
抱えている問題には共通しているものがある。
そんなことを強く感じました。

ふとニュースをみていたら、
「ズッコケ三人組」の作者、
那須正幹さんが亡くなったとのこと。

我が家は娘たちが生まれてから、
どんなに忙しくても、
寝る前に本の読み聞かせをしていました。
長女が中学校に入るまで続いたこの時間。
そして、
自分たちでも日本の小学校にいるときに図書室に行き、
面白い本は購入してブラジルに持っていっていました。
その中の一つが、
この、
「ズッコケ三人組」シリーズ。

二女は本好きとなり、
こうしてシリーズで集めることもしばしば。

ご冥福をお祈り致します。

こども環境学会のシンポジウムの中で、
「人生の根っこ」
という話(竹内延彦先生:長野県北安曇郡池田町教育長)がありました。
私はよく、
この話をカノア保育園のスタッフにします。
なので、

「おっ、この話を聞けるとは!!」

という嬉しさがありました。

「誕生の瞬間から小学校入学までの6年余りの乳幼児期は、
知能や心理面において著しく成長する」

だからこそ、
乳幼児期は

「人生の根っこ」

であり、
非認知能力(自己肯定感や創造性など点数化しにくい能力)
を早期から育むことの重要性が大きく注目されています。

※非認知能力に関しては、
ノーベル経済学者のジェームズ・ジョゼフ・ヘックマンの著書、
「幼児教育の経済学」
で指摘しているので、興味のある方はこちらをどうぞ。

この非認知能力。
それはどうやって育っていくのか?

「子どもの自主性や主体性はやりたいことの中でしか育たない」
ということからも分かるように、
子どもが自ら遊ぶ中で育つ。
だからこそ、
その環境を整えるのが、
大人の役割なのではないか?
と、
私は今、
考えています。

大人の関りは、
不足しても、
過干渉であっても、
子どもの育ちに問題が生じてしまう。
子どもにとって、どうあるべきなのか?
それを常に考えながら、
目の前の子どもを観て、
私たちは日々、関わっていく必要があるのだということを、
再認識させてもらいました。

令和を生きる「子どもたちが育むべき資質・能力」とは?
一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、
あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、
多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、
豊かな人生を切り拓き、
持続可能な社会の創り手となることができるよう、
その資質・能力を育成することが求められている
出所:「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申)

「新学習指導要領」
が施行され、
子どもが主語の学校教育を目指していかなければならない。
実は、
こうした動きは既に始まっており、
学校の中でもそれが本格化してきたといえるのかもしれない。

「子どもたちを信じて寄り添う教育に転換していくべきだ。
教えたからといって、
伝わっているとは限らない。(本文より一部抜粋)」

子どもと共に学ぶ。
それにはどうしたらよいのか?
子どもと共に、楽しむ姿勢。
これがまず1番に必要なことかもしれない。

乳幼児から児童、そして生徒へ。
子どもが成長していく過程で、
私たち大人も日々学んでいく。
それが面白、楽しいと思える毎日を、
私たちは過ごしていきたい。



GIGAスクールが本格的に試行した今年度、
我が家の高校生の長女は、
個人持ちのipadが支給され、
(なぜか卒業時に返さないといけないのだが)、
中学生の二女は、
chromebookを使った授業が、
開始されている。
中学校では自宅に持ち帰ることはないが、
長女は自宅でスマホとipad、
両方を駆使している姿をよく見かけるようになった。

我が家は中学入ると同時にスマホを渡すことにしている。
その時には、
ルールなど、
色々と話し合い、
実際に起こった事件などについても話したりする。
それでも、
難しい場面は出てくる。

「SNSは、
子どもたちにとってコミュニケーションのための必須のツールとなっており、
禁止することは難しい。
また、禁止しても隠れて使われれば、
トラブルが起きたときに相談してもらえず問題が大きくなってしまう可能性がある。
利用することを前提に、
リスクや正しい使い方を指導するべきだろう。(一部抜粋)」

本当にその通りだと思う。
何かあった時に相談してくれる、
その信頼関係を、
私たち大人は作る必要がある。

おしゃべりな我が家の娘たち。
今のところ、
大事なことも話してくれている。
この関係が、
これからも続きますように…


10年前。
私はブラジルにいた。
夜中に起こった震災。
朝起きて、
義母からの電話で、驚いてテレビをつけた。
そして、
実家に連絡。

家族は無事。
父は朝まで車で会社の人達を送り届けていたとのこと。

友人、知人。
今連絡しても良いのか?
そんな想いの中、
連絡をした。

月末に日本に戻る予定の私と娘たち。
放射能のこともあり、
ブラジルにいた方が良いとの意見もたくさん聞いた。
それでも、
日本に戻りたい。
なぜかそう思ったことを、
今でも鮮明に覚えている。

日本に戻り、
長女の小学校入学だった。
そして娘は昨年、
高校の入学をコロナ禍で迎えた。

「何か意味があるのかもしれない」

そう言う娘をたくましく思う私。

あれから10年。
自分にできることに取り組んでいきたい。
その気持ちは今も、
変わらない。

黙祷
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