光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

カテゴリ: 幼児教育

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今日、
銀行である男の子と会った。
最後に見かけてから、
7,8年は経っているかもしれない。

彼は小学校に上がるまで、
母親と兄、義父と共に
ここ、カノアで暮らしていた。
彼の母親は躁鬱病であり、
生活が安定せず、
保育園でも、
他の保護者と話すことすらできなかった。
それでも、
なぜか私とは話をしてくれ、
よく家に呼ばれては、
話を聞いていた。

彼の名前はEzequiel。
体が小さく、
栄養失調であると言われ、
そのせいか、
小学校入学前に、
弱視であることが分かり、
眼鏡を使用することとなった。
そんな彼は母親の知人に預けられ、
いつの間にか私たちの前からいなくなってしまった。

彼が移り住んだのは、
隣村。
でも、
母親のもとに帰ってくることはなかった。
そして私たちは時々、
母親を彼のもとに連れて行き、
少し話をする時間を作ってあげていた。
それも、
小学校高学年になるとほとんどなくなり、
彼の近況を知ることは難しくなっていた。

そして今日。
高校3年生となっていた彼と、
たまたま銀行で出会った。
高等専門学校に通っており、
将来はジャーナリストを目指しているという。
私を見つけ、
声をかけ、
ぎゅっと、
とても強く抱きしめてくれたとき、
その笑顔はあの時の、
まだ4歳頃の彼の笑顔とそっくりだった。

「今でも思い出すんだ。
悲しい気持ちになった時、
こうやって抱きしめてくれた時のこと。
とっても温かかった。
もう一度抱きしめてもいい?」

そういうと、
別れ際にもう一度、
強く抱きしめてくれた。

まっすぐに、
自分の夢に向かい、
歩んでいるその姿。
久しぶりに会ったけれど、
とっても嬉しく、
今、
このblogを書きながら、
涙が出てきそうになる。

頑張って。

遠くから、
いつまでも応援しています。

私たちは、
「幼児教育」
というものが確立されていないブラジルにおいて、
少しでも、
教育現場に、
「学校教育ではない、幼児教育の在り方」
を見せていきたいと、
今までにも養成講座や、
私たちの保育園への研修生受け入れ、
勉強会などを実施してきました。

2016年より義務化された4歳以上の義務教育。
しかし、
なかなかそれに対応しきれていないというのが、
ブラジルの現状です。
それでも、
アラカチ市では、
教員養成講座を実施し、
「幼児教育」
というものを根付かせていこうと、
私たちと一緒に努力しています。

参加している教員のほとんどは、
今まで小学校低学年を教えてきた先生たち。
そのため、
4、5歳児クラスでも、
1年生と変わらない授業体制をとっている人、学校がまだまだあります。
それでも、
少しずつではありますが、
教員養成講座を通じて、
一日の流れや教え方、
その教材に至るまで、
工夫している人たちもいます。
こうした人たちが少しでも増えていくことを願って、
私たちはこれからも、
こうした教員養成講座を実施していきたいと思っています。
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※これら事業はLUSH-Japanの助成を受けて実施しています。

ブラジルは、
2016年までに
4歳児以上を義務教育とすることと定めています。
私の住むアラカチ市では、
すべての公立校に幼児部を設け、
また、
市内に4つの公立幼稚園が開園しています。

今日、
2014年度に向けての校長会議があり、
出席してきました。

アラカチ市では4歳児以上の就園率は上昇しており、
各園では、
その受け入れに大きな戸惑いがあるようでした。
ひとつには、
4、5歳児は1クラス30人で、1人担任。
幼児教育を専門とした教員ではなく、
その多くは契約の教育学部卒業者もしくはそれに等しい者。
幼児をどうやって扱ったらいいのかわからない人が、
一人で見ているのが現状です。
もう一つは、
30人以上にならないようにしてくださいと言われても、
義務教育を目指しているのだから、
希望者は必ず入園させろと市教育員会担当者は言う。
そして入園させると、
教育の質が落ちると是正勧告が出される。
施設に限りがあり、
部屋数も足りない。
現場の判断で良いのであれば、
入園者を制限できると園長先生たちは訴えます。

ノルマ達成のためだけに、
幼児教育が振り回されている。
それは全て、
目の前の子ども達が犠牲となっている・・・
なんだか悲しくなってしまいました。

まずは教員が幼児教育を学ぶ環境を整えること。
そして、
受け入れるだけの部屋や設備といった環境整備。
これらがきちんとしていなければ、
保護者の対応なんてできません。
だって、
決められたものがきちんとなければ、
説明なんてできないから。

子ども達にとって、
未来ではなく、
今。
今はこの一瞬しかないのだということに、
気づいて欲しい。。。

本日(2013年6月1日)発売の東京新聞に、

「幼児教育 無償化は第3子以降 関係閣僚合意 所得制限は設けず」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013060102000124.html

という記事が掲載されています。

「政府が検討を進めている三〜五歳児の幼児教育無償化で、
下村博文文部科学相ら関係三閣僚が当面、第二子を半額にし、
第三子以降を無償にする方針で合意していたことが分かった。
政府関係者が明らかにした。
第一子は対象外となるため、
一人っ子の家庭は恩恵を受けない。」

大きな一歩であるといえる今回の決定ですが、
まだまだ、
地域格差は大きく、
待機児童の問題もあります。

子どもを産み、
育てやすい社会、
環境となっていくこと、
そして、
子育てしながらも就業できるようになっていくことを
心から願っています。

なぜなら、
子どもが幸せに過ごすことのできる社会は、
だれにとっても、
幸せに過ごすことのできる社会であると、
信じているからです。

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