光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

タグ:出産

私たちはブラジルにおいて、
2013年に「地域子育て支援ネットワーク」というものを創設した。
カノア・ケブラーダ地区に創設以来、
2018年までにアラカチ市内8地域に創設されることとなった。
教育(学校や保育所)、保健医療(保健所や病院)、社会福祉(ソーシャルワーカーなど)
それぞれが個々にプログラムがあり、
素晴らしい活動をしているものの、
横のつながりがないために、
必要な人に、
必要なプログラムが届かない…
という実態があり、
私たちは、ネットワークづくりの重要性を訴え始めた。
このネットワークは、
地域住民が中心となり、
実施しているという特徴があり、
異動のある専門家へのつなぎの役目もはあ足してくれているコミュニティーリーダー(地域住民)の存在は、
とても大切です。

そして日本でも、
「子育て世代包括支援センター」
(横浜市の基本的考え方:https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/oyakokenko/ninshin/houkatusiencenter.files/0002_20190419.pdf
があると知りました。
“妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援”
この考え方はまさしく、
私たちの「地域子育て支援ネットワーク」に通じるものがあるのではないか?
そんな風に感じました。

日本とブラジル。
遠いようで、
抱えている問題には共通しているものがある。
そんなことを強く感じました。

2001年3月まで、
ブラジル、セアラ州にて
JICAの「出産のヒューマニゼーション」という
プロジェクトが行われていました。
簡単に言うと、
自然分娩を推進するプロジェクト。

ブラジルは帝王切開率が
全世界でも高い国です。
その中で、
もっと自然分娩の大切さ、重要性を伝えていこう。
ブラジル国内における
その活動の発端ともなったプロジェクトでした。

時は過ぎ、
すでに8年近くの歳月が流れています。
その当時パイロット地区の中にあった
指定病院。
私が住むアラカチ市にも一つあります。
残念ながら、
熱心にこのプロジェクトを継続させていた
助産師さんが転勤になって以来、
自然分娩でのお産の件数、質は下降気味です。
州都フォルタレーザでも、
その当時助産師として働いていた人が
看護部長などになり、
直接お産にかかわることが難しくなったこともあって、
継続の難しさを教えられます。
そんな中で、
セアラ州立大学病院内の
お産施設は
今でもこのプロジェクトで学んだことを生かし、
素敵なお産を続けています。
先日お会いした医師の方も、
奥さんの出産にこの病院を選んだそうです。

8年の時を経ても尚、
続けられている
“素敵なお産”
これからも続けていってほしいものです。

3ea24c85.jpg先日、
村の母親たちと話していた時のこと。
私が長女と次女の違いを、

「長女のときは何をやるにも慎重で、
寝返りを打つときも、
つかまり立ちをするときも、
何度もトレーニングしていたのに、
次女は
“今だ!!”
と思うと次には
できるようになってる。
おもしろいよねぇ〜」

と話していると、
ある母親がこんなことを言いました。

「覚えてる?
あなたは長女の出産のとき、
前駆陣痛がひどくて
出産かと思って3度も病院に行ったでしょ?
次女のときは
検診に行ったら
今すぐ入院して下さいって言われて、
分娩室に行く間もなく生まれちゃったじゃない。
この違い。
生まれながらに
子どもは個性を持っているって
ことなんじゃない?」

なるほど。
納得してしまいました。

出産と子育て。
身近なようで、
こんな風に考えたことはありませんでした。
これでますます
子育てが楽しくなりそうです。

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