光の子どもたち in Canoa

ブラジル東北部にある小さな漁村から発信する報告日記。大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

タグ:風力発電

761637c6.jpg現在、
着々と工事の進んでいる風力発電。
ここカノアでは、
3基目の設置をしているところです。
住民協会の努力により、
予定よりも大幅に減らされて、
5基の設置が確定しているカノア。
もう一つの設置地域、
クンビでは、
残念ながら当初の計画通り、
64基が設置されるそうです。
クンビは
河口付近にある町で、
海にもほど近く、
自然も豊か。
マングローブの生息地でもあります。
そして、
以前はジュゴンも
出産と育児のために
この地域に来ていたとか。
しかし、
エビの養殖が始まり、
自然が汚染され、
マングローブも危機的な状況にあります。
そこにきて、
風力発電。
クンビには
たくさんの水脈があり、
アラカチ市の多くは
クンビから吸い上げた水が配給されているそうです。
しかし、
今回の風力発電計画により、
水脈がほぼ切断してしまうらしく、
水道局は
今後5〜10年以内に
アラカチ市の水は絶えてしまうだろうという見解を
出しました。

カノアでは
エステーヴァン村に水脈があり、
そこから配給されているため、
この被害にあうことはありませんが、
それでも計画通りに進めようとしているとは
いったい何を考えているのでしょうか?
人が生活していくために
水は必要不可欠です。
それは、
電気よりも重要であるといえます。

今後の進展を
見守っていきたいと思っています。

851deb1c.jpg以前から書かせてもらっている風力発電問題。
現在、
すでに2基が砂丘の上に設置されました。
まだ稼動していないので、
囲いもなければ、
何もない。
子ども達も
興味津々で傍に行っては
見上げています。

5基の設置が予定されており、
すべての設置が終わったときには
その周辺は立ち入り禁止となり、
設置されている
砂丘に近づくこともできなくなります。

現在でも
薪を取りに行ったり、
果物の収穫や
子ども達の遊び場として欠かせない砂丘。
それが、
1年も経たないうちに
できなくなってしまいます。

風力発電自体に反対ではありませんが、
それを設置するにあたり、
現地調査はもちろんのこと、
周辺地域への説明、
設置地域住民の許可を
取るべきではないだろうか。
最低限のルールさえも守らず、
設置に至った今回の風力発電。
だからこそ、
私は今でも賛成できないのです。

4ead68f9.jpg壮大な自然の中に
私の活動するエステーヴァン村は存在します。
ある人は

『ここはまるで天国のようだ』

と言っていたほどです。

砂丘と海に囲まれた村。
砂丘の村には森が広がっており、
いまでも子ども達は果物を取りに出かけます。
そして、
村人のなかには
いまだに朝、夕方と薪を取りに行く人もいます。

しかし、
2年程前より
風力発電のプロジェクトが持ち上がり、
裁判などを行っていたのですが、
結局第一基目が完成間近です。
羽一つが30mという巨大な風力発電。
森の多くも伐採されてしまいました。

風力発電自体に反対ではありませんが、
なぜわざわざ、
村のこんな近くに、
住民が毎日歩くその森を伐採してまで、
砂丘の上に立てるのか。
海岸沿いには
他に住民がいない、
開けた土地がるにもかかわらず…

柱が立ち、
羽を装着するモーター部分が始動し始め、
テレビが受信できなくなった家があります。
そして、
昨日から携帯もつながりにくくなりました。

本当に問題はないのだろうか???

疑問ばかりが頭に浮かびます。
もっときちんと調査し、
設置場所を検討できたはずなのでは?
せっかくの風力発電も
これでは悪影響ばかりです。
年内中に5基立つといわれている風力発電。
これから一体どんな問題が起こりうるのでしょうか?

377c1418.JPG現在私が住むカノアでは
風力発電開発が進められています。
各家庭の消費電力を減らすことと同時に
環境に易しい電力供給。
聞こえはとてもいいのですが、
この風力発電。
設置場所によっては
人間に悪影響を与えかねません。

カノアに設置される予定の風力発電は
村から僅か250mのところに一基めが設置され、
すべてで74基になるとの事。
しかも、
村人が現在も尚、
薪をとりにいったり、
果物などを採ったりしている森を
伐採。
その規模は
私達の予想を上回るものでした。

カノアには観光目的で、
誘致用の更地が海岸付近に用意されています。
その傍には住民はおらず、
風も充分に受けられることから
設置には最適であるように見受けられます。
にもかかわらず、
森を伐採し、
砂丘の地下を通る水脈に影響を与え、
なぜこの場所に設置する必要があるのでしょうか?

子ども達がこの現場を訪れ、
口を開けてその様子を見ていました。

近い将来、
カノアから森が消え、
村は今以上に砂に覆われてしまう。
このままでは、
それは夢ではなく現実となってしまうでしょう。

18055f52.jpg現在カノア・ケブラーダ地区では、
風力発電の設置についての最終議論が進んでいる。
といっても、
4、5年前に地域住民の1%が参加した会議で
風力発電のプロジェクトを提示し、
そして今年1月に、
地域住民の0.5%が参加した会議で
風力発電の設置許可が下りた事が伝えられた。
といった、
全く住民を無視したプロジェクトである。
住民協会の理事でさえ、
全く知らなかったこのプロジェクト。
私達の耳に入ったときには
すでに州政府が設置許可を出しており、
私達住民は打つ手がなくなっていた。

風力発電は、
日本でも昨今積極的に取り入れている
電力供給システムであり、
温暖化など、
地球破壊が進む現在において、
自然を保護しながら電力を供給できる
素晴らしいシステムである。
しかし、
高さ50m以上の巨大な塔であり、
しかも、
カノアの風力発電で得られた電気は
他の市に送電されていく。
カノアには少しも恩恵がないのである。

人口約2000人ほどの小さな地区に
48もの風力発電。
一番近くでは、
民家から700mの場所に設置されるらしい。
しかも、
高さ80mの風力発電が。

砂丘の裏に広がる壮大な森。
そこが切り開かれ、
設置されるらしい。

未だに薪を朝晩取りにいき、
火をおこしている住民が居るエステーヴァン村。
森が切り開かれ、
48もの風力発電が設置されたら
それは環境に問題がないといえるのだろうか?
住民に何の影響もないと?

高さのみならず、
設置の際には地中深く掘る必要があり、
地下に水脈が流れ、
カノア・ケブラーダ地区一体に供給されている水に
何の影響もないと言えるのだろうか?

地域住民を無視し、
きちんとした調査も行われずに
設置が決定されてしまった今、
とにかく少しでも、
村から離れた位置に設置してもらえるよう、
自然をできるだけ保護する事が出来るよう、
住民が手を取り合い、
対処していく必要があるだろう。

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