今年初め、
エステーヴァン村に先祖代々住んできた
ある家族が、
家を売り、
別のセアラ州の沿岸地域へと去って行きました。
父親と長女による
特別環境保護地域に指定されているエステーヴァン村では
行ってはいけない「家の売買行為」。
家を失い、
両親と、
長女を含めた子ども6人に孫一人は
エステーヴァン村を去りました。
最後まで反対していた、
男の子。
それは、
私たちがこの村で活動を始めた時に
受け入れた子どもの一人でもありました。
やさしく、
思いやりがあり、
時に喧嘩早いところもありましたが、
素敵な男の子でした。
15歳。
一人で残ろうと思えばできたかもしれない年齢。
それでも、
家族と離れることはできませんでした。
今日、
そんな彼が、
母親と二人で、
7か月ぶりにエステーヴァン村にやってきました。
故郷に足を踏み入れ、
友達と会い、
恩師との再会。
涙をぬぐうことなく、
泣き続けていました。
『2日しか滞在できない・・・』
その言葉には
悲しみがにじんでいました。
それでも、
久しぶりに見た彼の顔、
とても健やかに見えました。
元気でいることが分かり、
ほっと心をなでおろした私です。