光の子どもたち in Canoa

日本とブラジル、2つの国の中から感じたこと、気づいたことを発信するなんでも日記。ブラジルからは、大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2013年06月

現在、
JICA草の根技術協力事業において、
「ブラジル東北部子育て支援体制強化による地域力向上プロジェクト」
を実施している。
先日、
そのコミュニティーネットワーク創設において、
市内の教育局、保健局、社会福祉局の代表、
地域の看護師やソーシャルワーカー、学校の教師たち、
そして、
地域住民の代表が集まり、

「私たちの地域では、健全な乳幼児期が保証されていない」

のはなぜか?
という地域の現状把握のためのワークショップを行った。
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その中でいくつか気づいたことが、
ほとんどの参加者が、

「家族」

というものの重要性を説いてたこと。
そして、
その家族の多様化にも触れ、
家族、地域、学校、
その全てにおいて、
その全ての中において、
子どもは育っている、
教育されているのだということを
みんなが強調していたことだ。

もう一つが、

「保健」

の中に、
文化、レクリエーション、遊び、
が加わっていたこと。

次回にも続く、
とても有意義な時間であったと感じる。
与えるのではなく、
気づくこと。
その大切さ、
重要性を
改めて痛感した一日だった。

6月20日(木)。
私たちの保育園&学童教室の前期終了の日に、

「Festa de Sao Joao」

がありました。
これは、
“Festa Junina”
と言われている、
6月のお祭りで、
もともとは豊作と豊饒を願ったものだったそうです。
そのため、
私たちが活動する、
ブラジル東北部では、
カーニバルやクリスマス以上のお祭りとしても知られています。

毎年この時期になると、
『ブラジル文化』
というのを肌で感じます。
その雰囲気、
踊りや音楽。
すべてが、
豊かに感じられるのです。

今年、
学童教室の子ども達は、
初めて『Danca de Fita』を踊りました。
これがすごくよかった!!
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残念ながら今ブラジルでは、
大規模なデモが暴動化し、
大きな問題となっています。
そんな中にあっても、
このお祭りは、
私たちに素晴らしいものを与えてくれたような気がします。
ブラジルが、
多くの人にとって、
幸せで、
住みやすい国になることを願っています。

2013年3月26日、
ブラジルの国会で、
「小学校3年生(8歳)までには読み書きできるようにする」
という条例が決定された。

ブラジルは今、
「ブラジル全ての地域において、
4歳には学校に入学すること」
と定めている。
地方によっては、
施設や教師不足により、
通常の6歳入学のところもある。

この4歳児入学。

日本のように、
「幼稚園」という、
“幼児教育”の概念によるものではなく、
早期に学校教育を開始することで、
早期の識字力向上を目指しているのである。

私は基本的にこの考えには反対だ。

幼児期にしかできないこと。
きちんと心身を育てることなくして、
なぜ早期に小学生のような「授業」を行う必要があるのか?

そんな中決議されたこの条例。
私は早期教育に流されるのではなく、
確実に読み書きを習得できるようにしていくという意味で、
とても素晴らしいと感じていた。

が、
国内の反発は大きい。

「6歳までに読み書きができるようにと
『教育要領』に書いてあるのに、
8歳までに延期するというのは、
何の意味も持たない」

というのである。

ブラジルは現在、
先進国に追いつくために、
教育の底上げを図っているのだが、
それがあまりにも稚拙で、
私自身、
首をかしげることばかりである。

きちんと子どもと向き合い、
子どものためを考え、
ぜひ、
議論してもらいたい。
「子ども時代」はその時にしかないのだから…

今日、
娘を学校に迎えに行った後、
仕事関係の書類を取りに、
裁判所に行った。
日本的な感覚だと、
「裁判所」というとものすごく特別で、
一般の人はあまり行く機会のないところだと思うけど、
ブラジルの場合、
書類を取りに行ったり、
友人に頼まれて保証人(裁判経過のための)になったり、
はたまた、
婚姻手続きもここで行われる。
とはいっても、
小さな娘を連れて行く場所ではない・・・
ということも理解できる。
今日も、
警官に囲まれた犯人が、
護送されてきていた。
そういう光景を、
小さな子どもに故意に見せる必要はないと思う。
でも、
長女は来月で9歳。
世の中は綺麗なだけではない、
いろいろな側面があるということを、
少しずつ伝えていきたい。
いかなければならないのではないか?
と、
考え始めている。
それでも彼は、

「なんで連れて行ったんだ!!」

と、
お怒りだった。。。
その話を義母にすると、

「世の中に出て突然知るよりも、
信頼できる親からきちんと伝えた方がいいこともある。」

と、言ってくれた。
裁判所とはどういうところなのか。
どんな人が来るのか。
どんな人が働いているのか・・・
そんなことを、
待ち時間に話しながら、
娘も半分位は理解できたのではないかな???
と、
思っている。

どこまで、
どんなことを、
親は伝えるべきなのか。

最近そんなことを、
よく考えるようになった。

毎日新聞 2013年06月06日 東京朝刊にて、
「出生率:1.41回復 16年ぶり水準、30代以上が上昇 出生数は減少」

http://mainichi.jp/select/news/20130606ddm001040041000c.html?google_editors_picks=true

という記事が掲載されていた。

なんだか嬉しいが、
でも、

「平均初婚年齢は夫が30・8歳、妻が29・2歳で、
それぞれ0・1歳と0・2歳上昇。
それに伴い、
第1子出産時の母の平均年齢も30・3歳で
0・2歳上がり過去最高を更新するなど
「晩婚・晩産」化が進んだ。」

を読んで納得。
自分の周囲を見ても、
30代になってから結婚する人が増えているように思う。
そして、
結婚しないという選択をする人も。
同時に、
出産しない、できないという人も、
増えているのではないだろうか。

先日“家族のかたち”について多様化している点について書いたのだが、
そういったことも含め、
今、
色々なことが画一化されていない、
多様なものへと変化しているのかもしれない。

今日、
アラカチ市内にある、
とある学校を訪問した。
昨年末に新校舎となり、
その見学も兼ねた訪問だった。

広い敷地に、
ゆったりと建てられた建物。

畑もあり、
教師と生徒が一緒に学校を作っているのがよくわかる。

教室を覗いてみると、

「こんにちわ。
よく来てくれました!!」

と、
歓迎してくれる。
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実はこの地域。
アラカチ市内でも
犯罪が多く、
貧しい家庭の多い場所である。
しかし、
学校が大好きな子ども達は、
校長先生の協力もあり、
クラブ活動も盛んだ。
行儀よく、
目上の人に対する礼儀もなっている。

校長先生は、

「学校にいる時間を増やすことで、
非行や犯罪に手を染める時間がなくなる。
信頼する大人がいて、
相談できる先生がいる。
学校は、
子どもたちが安心して、楽しく過ごすための場所。
私達はそのお手伝いをしているだけなのです。」

と、おっしゃってしました。

我が家の近所の学校と比べると、
天と地くらいの差があるこの環境。
それはなぜなのか?
ひとつ。
その大きな違いは、
“校長先生”
にあるのは間違いない。

アラカチ市内にももっと、
こんな学校が増えてくれることを願うばかりだ。

先日サンパウロに出張に行ったところ、
サンパウロ市の学校行事の変更の話を耳にした。

現在、
家族の体系にはばらつきがあり、
シングルマザーやファザーの家庭、
祖父母に育てられている家庭、
ゲイの両親の家庭、
など、
数え上げたら様々な形の家族が存在していることがわかる。
これら全て、

「家族」

である。

しかし、
学校等では、
「母の日」のお祝い、
「父の日」のお祝い、
と、
そのためにプレゼントを作ったりする。
でも、
お母さんのいない子どもは?
お父さんのいない子どもは?

そこで、
今後は

「家族の日」

としてお祝いすることに決めたのだそうだ。
これは本当に画期的だと思う。
時代は変わっている。
だからこそ、
私たち自身の価値観や考え方も
変わっていく必要があるのだろう。

本日(2013年6月1日)発売の東京新聞に、

「幼児教育 無償化は第3子以降 関係閣僚合意 所得制限は設けず」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013060102000124.html

という記事が掲載されています。

「政府が検討を進めている三〜五歳児の幼児教育無償化で、
下村博文文部科学相ら関係三閣僚が当面、第二子を半額にし、
第三子以降を無償にする方針で合意していたことが分かった。
政府関係者が明らかにした。
第一子は対象外となるため、
一人っ子の家庭は恩恵を受けない。」

大きな一歩であるといえる今回の決定ですが、
まだまだ、
地域格差は大きく、
待機児童の問題もあります。

子どもを産み、
育てやすい社会、
環境となっていくこと、
そして、
子育てしながらも就業できるようになっていくことを
心から願っています。

なぜなら、
子どもが幸せに過ごすことのできる社会は、
だれにとっても、
幸せに過ごすことのできる社会であると、
信じているからです。

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