光の子どもたち in Canoa

日本とブラジル、2つの国の中から感じたこと、気づいたことを発信するなんでも日記。ブラジルからは、大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2014年07月

皆さん、
「サードカルチャーキッズ(TCKs)」って言葉を聞いたことがありますか?
恥ずかしながら私は、
聞いたことがありませんでした。
簡単に説明すると、

“サードカルチャーキッズ(TCKs)とは、
1960年代にDr. Ruth Hill Useem によって生まれ、
人格形成に影響を及ぼす時期や思春期を
母国以外の文化圏で何年も過ごしている
或いは過ごしたことのある子ども達のことを指す。”

そうです。
また、
私達がよく使う、
「帰国子女」
という言葉がありますよね?
それとどう違うのかというと、

“帰国子女とは、
「異文化を背負って日本へ戻ってきた子ども達」
であり、
TCKsとは、
「経験によって形成された人格を持つ子ども達」”

となります。
よく分かりませんよね?

要するに、
TCKsとは『サード・カルチャー・キッズ』、
つまりサード・カルチャー(第3の文化)に
属する子ども達のことである。
第3の文化とは・・・
第1文化=両親の国または、自分の血のルーツとなる国
第2文化=親の仕事の関係で住んだ国母国以外、つまり外国
第3文化=第2文化に出来た自分の住む世界。
となり、
故郷や国籍、
そういったものがあいまいであっても、
自分自身の経験をもとにした独自の文化を持っている子ども達ではないか。
と、
私は理解しました。
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この考え、
私にはすごく新鮮で、
しかも、
とてもしっくりきました。
というのも、
私の娘達はまさしく、
「TCKs」であるといえるからです。
例えば彼女達に

「どこからきたの?」
と聞くと、
「日本とブラジル」
と答えます。

「日本人なの?それともブラジル人?」
と聞くと、
「どっちも」
と答えます。

文化背景として、
彼女達には2つの文化があり、
それが自然と彼女達の中に育っているんですよね。

「TCKs」

という概念を知ったことで、
それが私自身の中で頷けるものとなりました。
この研究、
日本でもにわかに注目を集め始めているそうなので、
早速本を購入してみたいと思いました。

この話に関してはまだまだ言いたいことがたくさんあるので、
その続きはまた今度…

先週、
ある女の子が近所にやってきました。
祖父に当たる人が、
自分と一緒に暮らすために連れてきたのです。
祖父といってもまだ50代半ばの人で、
その女の子は今年で13歳。

13歳にしては見た目も、話し方も、とても幼い彼女。
なぜ祖父は、
自分と暮らすために連れてきたのか。

『私は5人兄弟の長女なの。
父親は麻薬の売人で、
ほとんど家にはいないし、
母親は何をしているのか、
フラフラしてて、
家にはほとんどいないの。
父親はしばらく帰ってこないと思ったら、
子どもを連れて帰ってくる。
自分の子どもだって言うんだ。
それが私が一緒に暮らしていた兄弟達。
私の家には祖母もいるんだけど、
かなりの年で、
一人でほとんど何もできないの。
だから、
家の事とか、
兄弟の面倒とか、
全部私が一人で見てた。
5歳の時に一度学校に行ったことがあるの。
でも、
1ヶ月くらいで母親にもう行くなって言われた。
家から出れば銃殺される危険があるし、
学校は大通りの向こう。
横断歩道も信号も何もないから、
子ども達は命がけで渡るんだ。
だから、
そこの道では毎日のように交通事故が起こってる。
私たちみたいにスラム街で暮らすような人たちが事故にあっても、
それで何が変わるわけでもないし。
母親は私に無関心で、
とにかく、
家から出してもらえなかった。
だから、
字の読み書きもできないし、
数字もよく分からない。
友達と外で遊ぶってことも、
した事がないんだ。
だって、
いつも家の中で、
兄弟としかいなかったし。
家の事とか大変で、
遊ぶ時間もなかったしね。
でも、
学校に行きたくなかったわけじゃない。
もし行ってもいいなら、
行きたいよ。
でも13歳で字の読み書きもできないって、
学校に行ってもばかにされるだけかな…』

話し始めると止まらないらしく、
淡々と話す女の子。
まるで奴隷のような生活を送っていた彼女の話を聞いて、
私はものすごいショックを受けました。
さらに憤りを感じたのは、
カノアの公立学校が、
年度途中の入学を認めなかったこと。
年齢的に1年生に入れるわけにはいかないし、
3、4年生に入れるにしても、
何も全く知らない彼女の対応ができる教師がいないっていうのが理由らしい。
既に長い間学校に行けなかった彼女が、
来年にならないと入学できないなんて、
一日だって無駄にできない彼女を目の前に、
何もできない私自身に腹が立ってしょうがないっていうのが本音です。

週2日、
夜になると、
彼女の個人授業が始まります。
先生は“フラビアーニ”。
私達の学童教室の担任をしている彼女は、
自分にできることだから・・・と言って、
彼女にアルファベットを教え始めています。

学校に行きたくても行けない子どもが、
ブラジルにはまだまだ沢山いる。
彼女の話を聞くと、
彼女が住んでいた地域には同じような境遇の子どもがたくさんいるらしい。
遠く離れたこの子ども達に何かすることは難しいけど、
目の前にいるこの女の子が学校に通えるようにすることは、
私にもできるかもしれない。
だから、
私にできる限りのことをするつもりでいます。

私達の保育園では、
年に2回、
受け入れの機会があります。
前期と後期の始まりのときです。
そして今回、
後期から、
2人の障がい児を受け入れることとなりました。
といっても、
まずは教職員4名で家庭訪問。
どんな環境で育っているのかを知るためにも、
この年2回の家庭訪問は
全ての園児・児童に行っています。

まずは一人め。
未熟児で生まれた女の子。
生まれつき右足の骨が短く、
膝が変形している。
斜視でもあるのだが、
コミュニケーションはきちんとできる様子。
ただ、
4歳になる今までのほとんどを
家の中で過ごしてきた。
他の子どもと遊ぶということをいたことがないという。
出かける先も、
祖父母の家のみ。
集団生活が初めてということもあり、
慣らし保育からスタートとなりました。
それと同時に、
市の専門家チームと連携し、
理学療法の指導も開始されることになります。

もう一人は男の子。
難産で、
出産直後の新生児にチアノーゼが見られたが、
医師による対処はなかったとのこと。
現在、
発達障害の可能性を指摘され、
検査をしている最中。
落ち着きがなく、
目が合わない。
会話を試みるも、
質問とまったく異なる言葉が返ってくる。
何度も聞いた単語を繰り返す。
電子機器に目がないらしく、
携帯電話で話していた職員を目で追い、
その後、
携帯電話の事ばかり話していました。
まずは、
検査をしたいが市内では受けられないため、
手続き中とのことだったので、
州の保健局に働きかけることに。
また、
現在参加しているトレーニングプログラムの専門家と連携をするべく、
確認を急いでいるところです。
保育園には、
慣らし保育からスタート。
年度初めに公立小学校の幼児部に通学し、
それがトラウマになっているとのことなので、
少しずつ、
保護者と一緒に行っていくことになりました。

ということで、
ここ数日、
私は本や資料をひっくり返し、
「発達障がい」について今一度学び直し、
ブラジルでの現状や、
文献を探しながらメモをとっています。
まずは教職員に対して、
週に一度の勉強会を実施すること。

そして私は、
久しぶりに、
保育園に補佐として入ることになります。
いやはや、
どうなることやら。
時間のやりくりを頭で計算しつつ、
可能な限りサポートしていきたいと思っています。

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「ブラジル産天然石を使ったキャンドル作りワ−クショップ」
 
ブラジル産の天然石を使って、きれいなキャンドルを作ります。
ブラジリアンカラーのキャンドルを作ったあとは、ブラジルのお菓子と共にちょっと一息。
ゆったりとした素敵な時間を、一緒に過ごしましょう☆

《ブラジル産天然石を使ったキャンドル作りワ−クショップ》

◇日時:7月27日(日)14:00〜17:00
◇場所:アパレシーダ(Aparecida)
http://aparecida.jp/

◇イベント内容
・光の子どもたちの会 紹介
・キャンドル作り
・ティータイム

◇参加費:2000円
*材料費・食事代を含みます。
*参加費のうち200円は、ブラジルの子どもたちのための活動資金とさせていただきます。

追加オプション
◯天然石 1つ100円
◯キャンドル追加 1つ 石ナシで600円 石1つ付き700円 石2つ付き800円

◇持ち物:エプロン
◇講師:トウノミカさん

トウノミカさん blog
http://s.ameblo.jp/tonomika-candle/

◇連絡先
谷村祥子
sachiko_t7@docomo.ne.jp
09024984168


皆さんのお越しをお待ちしています!

光の子どもたちの会
スタッフ一同

10月18日(土)・19日(日)、横浜 赤レンガ近くの「象の鼻パーク」にて、
『よこはま国際フェスタ』が行われます。
このフェスタは、毎年約100団体ほどが参加する、大きなフェスタです。
光の子どもたちの会は、昨年に引き続き、
このフェスタへの出展(ラビリントなどの工芸品の販売と展示)を予定しています。
そこで、

一緒にフェスタを盛り上げてくださるメンバーを募集します!!!

当日のブースの店番、展示のレイアウト、販売する作品づくり等、
それぞれ得意なものを生かして、みんなでフェスタを楽しみませんか?
ご参加いただける方は、一度みんなで顔合わせをしたいと思います。
以下の日程で行いますので、ご都合つく方はぜひぜひご参加ください。

よろしくお願いいたします。

*ミーティングへの参加は無理だけど、フェスタには!という方も、ぜひぜひご連絡ください!

《国際フェスタ 事前ミーティング》

日時:7月27日(日) 12:00〜13:30
場所:アパレシーダ(Aparecida)
http://aparecida.jp/
連絡先:谷村祥子
sachiko_t7@docomo.ne.jp
09024984168

*よこはまフェスタの詳細は、こちらをご覧ください。
http://yokohama-c-festa.org/

楽しいフェスタを皆さんと創っていけたらと思います。
よろしくお願いいたします(^^)!


光の子どもたちの会
スタッフ一同

本日(7月5日)付の毎日新聞に、
エステーヴァン村の事が紹介されました。
写真を100枚以上もとってくださっていたのですが、
1枚しか使えないのが残念ですね。

ここまで来てくださった新聞記者の山本さん、
ありがとうございました!!
サイトからも見ることができます。

http://mainichi.jp/sports/news/20140704k0000e050194000c.html

W杯開催にあたって、
建築の遅れが目立ち、
それが指摘されていた。
そして、
完成とならなかったスタジアムや、
周辺道路なども、
可能な限り使用できるようにし、
実施にこじつけた。
そんな中、
完成することなく、
引き続き工事をしていた高架が崩落。
今日はお昼のニュースからずっと、
現地からの中継が流れている。
無理に開通させなくてよかったという安堵はあるが、
それにしても、
どんな工事をしているのだろうか?
これ以上多くの犠牲者が出ないことを祈るばかりです。

http://www.cnn.co.jp/world/35050376.html

今日、
フォルタレーザ大学栄養学部の人たちと引き続き行っている、
“地域特有の食材を使用した栄養改善”
のプロジェクトとして、
料理教室を行いました。
(この事業は、味の素の支援を受けて実施(2014年3月末終了)していたものです)
今、
W杯期間中ということで、
学校が休みということもあり、
教職員と村の女性グループの人たちと一緒に
フォルタレーザ大学に行きました。
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今日は、
魚料理とデザート。
甘いものが大好きな私にとっては、
本当に素晴らしい一日でした!!(笑)

栄養学部の教授のオリエンテーションを受け、
自分たちが普段食べている料理のレシピを保存することを聞かされると、
自分達の文化を誇りに思ってか、
皆とてもうれしそうな顔をしていました。
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今回の料理教室で一つ、
嬉し言葉をいただきました。
調理実習の最中、
一人が

「先生、生ごみはどこに捨てたらいいですか?」

と聞いたのです。
それを聞いた先生は、

「ごみの分別にまで気が回るなんて、
あなた達の村は素晴らしい教育をしているのね」

と言ってくださいました。
その後も後片付け、油を石鹸作りの再利用にするなど、
村の人たちの姿を見ていた私は驚くと同時に、
嬉しくなってしまいました。

次回は10月の予定です。
その時までに森の地域特有の食材(果物、木の実)を採集し、
保存しておきます。
次回が今から楽しみです。
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