光の子どもたち in Canoa

日本とブラジル、2つの国の中から感じたこと、気づいたことを発信するなんでも日記。ブラジルからは、大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

2018年05月

先週から、
ブラジルのラジオやテレビ番組では、
ガソリン税をめぐる、
トラック運転手によるストライキの模様を、
逐一放送しています。
私が住むブラジルの田舎町では、
どこか遠い国の話のような気がする、
そんな別世界の話でした。
しかしそれが、
国道の封鎖、
アラカチ市内をつなぐ橋の封鎖、
と続き、
娘の学校では、
通学してくる生徒がクラスの半分となっていきました。
さらに、
楽観視していた町のガソリンスタンドも、
ガソリンやオイル、ガスが配給されてこなくなると、
一気に現実味が増し、
その頃になると、
スーパーには人だかりができ、
棚から食料や日常品がどんどんなくなっていきました。

ブラジルは油田や鉱石など、
自然豊富な国です。
そのため、
近隣諸国では、
ブラジルから原油を輸入し、
配給しているところがほとんどであると言えます。
しかし不思議なことに、
輸入している側の国の方が、
ガソリンなどが安価に手に入るため、
国境付近に住むブラジル人は、
隣国でガソリンを入れる…という事態が起きていました。
原油があるのはブラジルなのになぜ?
それは、
ブラジル国内における税金の高さでした。

今回のトラック運転手のストライキ。
税金の引き下げを求めたものですが、
彼らが1週間近くもストライキを続けていることで、
国中の多くの物流がストップし、
日常生活にも支障をきたすほどになっています。

このストライキは今、
全国民が声高に民主主義を訴えているものであり、
都市ではあちこちでデモ行進が行われています。
私が住む片田舎の中心街でも、
デモ行進が行われ、
明日もまた、
それが予定されています。

国会では未だに審議が続けられていますが、
町から食料が消えるほどの事態。
いったいどうなっていくのでしょうか?

2018年5月22日16時。
4年ぶりにカノアに来たエヴァさんの強い要望で、
カノア保育園初の同窓会が開催されました。

1999年にエヴァさんがカノアに来て、
翌年から保育園を開園。
初めて受け持った子ども達は、
現在23才。
既に親となっている子ども達もいます。
エヴァさんがカノアにいた7年の間、
受け持った子どもは50人以上に上るのですが、
中にはドイツなどの外国にいる人もいて、
誰が本当に来てくれるのだろうか?
と、
考えていました。

そして当日。
初めにやって来たのは、
男の子グループ。
部屋に飾ってある写真をながめ、
昔話をしたり、
これ誰だと、
皆でクイズのように楽しんだり。

30分くらい過ぎたところで、
エヴァが自分がカノアになぜ来たのか、
なぜ去っていったのか。
どんな思いで子ども達と接していたのかなど、
話していきました。
子ども達も少しずつ、
保育園で培ったこと、
学んだこと、
今でも大切にしていることなどを、
話していきました。

「分かち合うということを学んだ」
「助け合いの大切さ」
「一人一人がもっているタレントを見つけた」

など、
その後の人生の中でそれがどのように役にたったかを、
話してくれました。

平坦ではない人生の中で、
それらを乗り越え、
立ち上がり、
進んでいく。
まだそこまでいけない人もいる。
それでも、
この幼児期に学んだことが、
人の心の中に、
どれだけ大切に育まれているのか、
それがどれだけ重要なのかを、
私達に伝えてくれたような気がします。

また何年後かに、
こうして集まれることを願って。

私が住むカノア・ケブラーダでは、
車で20分ほどの市街地で雨が降っていても、
なぜか日中には雨が降らない…
という不思議な場所です。
でもたまに、
突然日中に雨が降ることがあり、
私がここで活動を始めた2000年には、
子どもたちは大喜びで外に駆け出し、
雨に打たれ、
遊んでいました。
そんな雨ですが、
こんな言い伝えがあります。

村にとって大切な人との別れの時、
悲しみと、
喜びのため、
雨が降る…

私も昔、
日本に帰るときに、
晴天だったのに、
突然雨が降ったことがあり、

「空も見守ってくれているよ。
いってらっしゃい」

と、
言って頂いたことがあります。
近頃はとんと、
雨は降りませんが(笑)

先日、
離れの掃除をしていた時、
部屋の中のものをすべて出し、
天日干しにしていました。
昼頃、
彼が突然、
「雲行きが怪しいな。
なんか嫌な予感がする。」
といって、
部屋の中に全てを戻した途端、
雨が降り始め、
その日は夜中までずっと、
降り続いていました。
こんなにも止まない雨が降るのは本当に珍しく、
「どうしたんだろう???」
と思っていると、
訃報がとどきました。
村の住民で、
長らく病と闘っていた女性でした。
実はその女性、
続けざまに子どもを2人失くしていたこともあり、
こんなに強い人はいないと、
皆に崇められていた人でした。
苦しむこともなく、
眠るように旅立ったといいます。
そんな彼女の旅立ちを、
雨が私たちに伝えてくれていたようでした。

この村には未だに昔ながらの言い伝えが数多く残されています。
そんな一つ一つを、
大切に心にとどめておきたいです。

日本を旅立ってから30時間以上。
ようやくブラジルにある、
我が家へ到着。
初めて長女の同伴なしでの旅。
長女自身は思いはあっても、
自分で決断したこと。
それなりに対処しているみたい。
いつも喧嘩ばかりの姉妹だけど、
どこか寂しい思いをするのではないか?
と、
勝手に思っていた私。

羽田空港で別れ、
いざ飛行機の中へ。
いつも三人並んで座っていた座席の端が、
一つ空いている。
始めは
「ゆっくり寝られるねぇ〜」
と言っていた二女も、
涙をこぼし始め、
「淋しい」
と一言。
長女の決断。
それに従うしかない二女。
やはり姉妹。
どこか淋しいのかもしれない。
その後、
乗換えた飛行機の中で、
ずっと気分が悪いと言っていた二女。
実は生まれてからこの方、
こんな風に飛行機で気分が悪くなったのは初めて。
ブラジルに到着し、
最後の国内線に乗った…
ところで吐いてしまいました。。。

二女は口に出さなかったけど、
心の中はたくさんの思いで溢れ、
どうにもならないその思いを抱えながら、
飛行機に乗ったのだと、
このときはじめて気づいた私。

二女の葛藤。

ブラジル滞在。
今回は短期間だけれど、
その間、
二女はどう過ごしていくのだろうか?

二人の娘。
この期間、
互いに成長していくのかもしれない。

明日、
ブラジルに出発する話は既にお伝えした通りなのですが、
今回特別なこと。
それは、
長女が一緒に行かないということ。

彼女が生後2ヶ月の頃から、
飛行機に乗り、
毎年日本とブラジルを行き来していた私。
そんな長女も今、
中学2年生。

この先の人生を考えながら、
自分で考え、
選択して、
今回の決断を彼女はしました。
13歳の彼女にとっては、
かなり大きな決断。
まだ迷いも、
寂しさも、
つらさもあるかもしれない。
それでも、
ちゃんと、
自分で決め、
話してくれたこと。
こうやってたくさんの話ができていることに、
感謝です。
ちゃんと育ってくれたんだって。

まだ大変なことも、
この決断をしなければよかったと思うことも、
あると思う。
それでも、
いつでも、
どこでも、
“初めて”
という経験はあるもんだし、
何よりも、
自分できちんと説明できるほど、
ちゃんと考えて決められたこと。
それが何よりも素敵だと感じています。

4ヶ月。
さて、
どうなることやら!?
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今回も、
カタール航空。
中東経由の場合、
時間帯が微妙なので、
到着時間も夜…
でも、
荷物が32kgx2個まで…
というのがなくなりつつある今、
とっても貴重なのです!!

ということで、
明日、
ブラジルに出発します!!
時差の関係で、
5月5日0:01に羽田を発つので、
5月5日の内に到着です!!
時差ってすごい(笑)
30時間以上かかっているのに(笑)

日本では、
懐かしい顔ぶれと再会。
過去と現在、
そこからの未来を想像しながら、
たくさんのことを考えさせられる機会となりました。

また新しい出会いもありました。
今後にもつながっていきそうな出会い。
今から楽しみです。
そして、
お世話になっている方、
支えてくださっている人達、
お会いできた人、
できなかった人、
皆さん本当にありがとうございました!!
今年は早めの、
8月末には日本帰国予定です。
またお会いできること、楽しみにしております!!!!!

それでは、
行ってまいります!!

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