18055f52.jpg現在カノア・ケブラーダ地区では、
風力発電の設置についての最終議論が進んでいる。
といっても、
4、5年前に地域住民の1%が参加した会議で
風力発電のプロジェクトを提示し、
そして今年1月に、
地域住民の0.5%が参加した会議で
風力発電の設置許可が下りた事が伝えられた。
といった、
全く住民を無視したプロジェクトである。
住民協会の理事でさえ、
全く知らなかったこのプロジェクト。
私達の耳に入ったときには
すでに州政府が設置許可を出しており、
私達住民は打つ手がなくなっていた。

風力発電は、
日本でも昨今積極的に取り入れている
電力供給システムであり、
温暖化など、
地球破壊が進む現在において、
自然を保護しながら電力を供給できる
素晴らしいシステムである。
しかし、
高さ50m以上の巨大な塔であり、
しかも、
カノアの風力発電で得られた電気は
他の市に送電されていく。
カノアには少しも恩恵がないのである。

人口約2000人ほどの小さな地区に
48もの風力発電。
一番近くでは、
民家から700mの場所に設置されるらしい。
しかも、
高さ80mの風力発電が。

砂丘の裏に広がる壮大な森。
そこが切り開かれ、
設置されるらしい。

未だに薪を朝晩取りにいき、
火をおこしている住民が居るエステーヴァン村。
森が切り開かれ、
48もの風力発電が設置されたら
それは環境に問題がないといえるのだろうか?
住民に何の影響もないと?

高さのみならず、
設置の際には地中深く掘る必要があり、
地下に水脈が流れ、
カノア・ケブラーダ地区一体に供給されている水に
何の影響もないと言えるのだろうか?

地域住民を無視し、
きちんとした調査も行われずに
設置が決定されてしまった今、
とにかく少しでも、
村から離れた位置に設置してもらえるよう、
自然をできるだけ保護する事が出来るよう、
住民が手を取り合い、
対処していく必要があるだろう。