光の子どもたち in Canoa

日本とブラジル、2つの国の中から感じたこと、気づいたことを発信するなんでも日記。ブラジルからは、大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

カテゴリ: プロジェクト

今宵はクリスマスイブ。
今年は24日が日曜日ということもあり、
通常の日曜礼拝に加え、
夜にはクリスマスのミサ。
そして25日にも教会での礼拝があるようです。

常夏のこの村では、
どことなくクリスマスというのが不似合いな気もしてしまうのですが、
家族と過ごす大切な日。
多くの人が家で厳かにこの日を迎えるのでしょう。

2017年も終わりに近づいています。
来年もまた、
保育園並びに学童教室において、
子ども達の笑顔をたくさん見られることを、
心から祈っています。

これからも私たち、
「特定非営利活動法人 光の子どもたちの会」
をよろしくお願いいたします。

光の子どもたちの会
代表 鈴木真由美
http://criancasdeluz.org
年末寄付のお願い

2017年12月14日より、
JICA横浜の私たちの事業担当者である原田さんと、
JICAサンパウロ出張所NGO-Japanデスクの稗田さん(2日目午後まで)が現地視察のため、
アラカチ市を訪れています。
予定していたスケジュールが直前に変更になったりと、
慌ただしい日程の中、
私が半年以上前からお願いし、
実現できなかったアラカチ現市長と対面できました。
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市長と出会えずとも、
局長レベルの人たちが積極的に動いてくれたおかげで、
私たちの活動は遅れることなく順調に進み、
現在に至っています。
それでも、
現市長に会え、
こうして本事業への益々の協力を確約できたことは、
本当に大きな成果です。
さらに、
これからを見据え、
UNICEFとも対談し、
方向性を見出すために話し合いができたこと、
本当に良かったです。
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現地視察は残すところ2日間。
私も日本帰国まで約10日。
さぁ、あともうひと踏ん張りです!!

↓アラカチ市長及び局長達との会談の様子(ポルトガル語)
http://www.aracati.ce.gov.br/prefeito-debate-projetos-desenvolvidos-pela-jica-no-aracati/

2013年9月に私達が活動するカノアケブラーダ地区に地域子育て支援ネットワークを創設し、
昨年からは、
アラカチ市内の他の地域に活動を広げています。
そして今日、
9地域(残念ながら2地域は欠席)から沢山のひとが集まり、
また、
アラカチ市社会福祉局を中心に、
ソーシャルワーカー、心理士、看護師、教員、保健師などの専門家も参加して、
ネットワークの大切さを語り合いました。

市内にあるたくさんの地域を訪れる中で、
一番に感じたことは、
世話好きのおじさんやおばさんこそが、
本当のコミュニティリーダーであるということ。
その話をしようとマイクを手に取り、
話始めた途端、
なぜか涙が込み上げてきてしまいました。

彼ら、
彼女らがいる地域は、
今、
たくさんの問題や課題があるとしても、
それを乗り越えるだけの力がある。
そう信じることができるからです。

今日は最初の一歩。
さぁ、これからです![画像:738e3221.jpg]
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ブラジルでは、
黄色の9月(Setembro Amarelo):自殺防止キャンペーン
ピンクの10月(Outubro Rosa):乳がんキャンペーン
青の11月(Novembro Azul):精巣がんキャンペーン
といって、
各地で大きなキャンペーンが開催されます。
私たちが住む町でも、
10月の1ヶ月間、
乳がんキャンペーンを実施。
町の学校では生徒たちが母親を中心に癌についてのアンケートを実施。
また、
乳がん専門医によるワークショップを開催。
さらに、
市社会福祉局及び市内に設置されている州立病院の協力により、
10月の1ヶ月で、
108名の40歳以上の女性が、
マンモグラフィー検査を受けることができました。
そして10月27日(金)。
1ヶ月の活動の締めくくりとして、
子どもを含めた地域住民総勢500名以上が参加し、
町を行進。
乳がんの予防と検査を呼びかけました。
広場では、
アラカチ市内にある大学から看護学部、作業療法の学生が協力し、
血圧、血糖値の検査やマッサージを実施。
簡単な体操も行われました。
多くの人たちが参加し、
それぞれができることを協力しながら実施した今回のイベント。

塵も積もれば山となる。

協力し合うことで、
とても充実した活動を行うことができました。
「地域子育て支援ネットワーク」を創設してから4年。
こうした活動を実施するたびに、
地域の底力を見せてもらっているような気がします。
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2010年。
私が活動するここカノアに、
3人の学生がやってきました。
彼女たちは自分たちでプロジェクトを立案し、
それを実現させるためにやってきたのです。

エステーヴァン村は、
小さな漁村です。
と言っても現在は既に、
漁師として働いている人は3割にも満たなくなっています。
そしてもっと深刻なのは、
漁師の要、
漁船です。
この村では伝統的に
“Jangada(ジャンガーダ)”
という帆船で漁に出るのですが、
この村にはもう、
3人しかこの“Jangada”を造れる人がいなくなっているのです。
今後高齢化が進む中、
少しでも若者たちにこの伝統文化を継承させたい。
彼女たちはこの帆船、
「Jangadaの作り方の継承」
というプロジェクトを実施しました。

結果は散々でした。
始めは面白半分で集まってきていた若者たちも、
「俺の背中を見て学べ!」
スタイルに反発し、
次第に意欲を失くし、
最後には1名残るかどうかといった具合でした。

『このプロジェクトはこの村に本当に必要だったのだろうか?』

それが彼女たちが持った、
最終的な大きな疑問でした。

それでも1艘の帆船が完成し、
“KAZE(風)”
と名付けられ、
若者の一人がその船を受け取ることとなりました。

その船。
受け取った若者が今でも自分で修理をしながら、
漁に出、
Regataという、
帆船のレースにも毎年出ています。

今日、
この帆船のレースがあったのですが、
私の横で見ていた若者たちがこんなことを言っていました。

「あいつは強いよなぁ〜。
だって、自分の船を自分で整備できるんだから。
やっぱり作れる腕があると、
漁に出てても、
レースに出てても、
船が自分の一部のように走る。」

私は以前、
自問しながら、
自信の活動を継続すべきかどうか、
悩んだことがありました。

『20人の子どもが卒園して、
そのうちの2人が麻薬の売人になる。
私のやっていることの意味はあるのだろうか?』

その時ある人がこう助言してくれました。
「20人の内、
1人でも、2人でもいい。
自分の道を見つけ、
歩んでいくことができるようになっているのなら、
あなたのやっている意味は大きい。」

今日、
若者たちの言葉を聞きながら、
ふと思ったのです。

あの時、
私たちはプロジェクトが失敗したと感じ、
もっと村のためになることがあったのではないかと、
反省しました。
しかし、
本当にそうなのだろうか?
あの時にプロジェクトをやったことで、
1人の若者が船を持ち、
漁に出、
レースで勝負し、
自分で船を直す技術を身に付けた。
それは彼の人生をより豊かなものにすることができた。
そう考えると、
あの時のプロジェクトがあったことに、
感謝すべきなのではないか…と。
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私たちが実施している、
「ライフスキルトレーニング」
教師へのトレーニングから、
その教師が自らの学校にて生徒に対する授業を実践する、
新たなステップへと入っています。

今日、
小さな学校での授業。
9年生(中学3年生)が対象でした。

始めは緊張しているのか、
静かにしていた彼らですが、
教師の語り掛けに応えるようになり、
途中からは自分の意見を述べ、
友達と話し合い、
それをまた周囲に伝えるという、
素敵な授業となりました。

この授業の最後。
ある生徒が言った言葉に、
授業をした教師は、
涙ぐんでしまいました。

「僕たちは、
いつも色々なことで悩み、
苦しんでいるけど、
今日、
僕たちが今、必要としていることを、
一緒に学ぶ機会を作ってくれ、
本当に感謝しています。
自分を知り、
自分を信じていくことで、
自信が持てるようになり、
生きていくことが楽に、
楽しくなっていくと思います。
そして、
友達や家族、
周りにいる人全ての人に対して、
同じような気持ちを持ってもらえるように、
自分に何ができるのか、
考えていきたいです。
先生、
いつもそばで見守ってくれていてありがとう。
先生、
僕たちが必要としていることを知っていてくれて、
ありがとう。」
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私たちが実施している、
「ライフスキルトレーニング」
昨年度から、
教員に対するトレーナー養成を行っています。
そして今月より、
座学を終了した教員たちが、
自らの学校にて、
生徒たちに「ライフスキルトレーニング」を実施しています。
参加している学校によって温度差はありますが、
今日参観した学校は素晴らしかった!!
昨年から少しずつ、
学んだことを自身の授業の中に取り入れ、
実施してきており、
子ども達も始めは恥ずかしがっていたものの、
(10名ほどの教員が参観に来ていたので)
次第に自分の意見を伝え、
議論し、
学び合う姿が見受けられました。
何よりも、
学校の他の教員たちもその授業の様子を体験し、
自分の授業への取入れ方を考えていた姿を見て、
本当に驚いたと同時に、
教員に対するトレーニングという方法が、
間違っていなかったのだと、
確信することができ、
本当にうれしかったです。

今月から私の知らない多くの地域を訪れ、
交流しているのですが、
考えていた以上にとっても楽しく、
自分でも驚いています。
先生たちの成長を見ていると、
それが可能だと信じることができ、
今後にも期待できそうです。
さて、
明後日もまた、
別の地域に行ってきます。
どんな出会いがあるのか、
今から楽しみです。
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2017年7月18日(火)
今日、
今までカノアで実施してきた
「地域子育て支援ネットワーク」

市内の他地域に広げる第一歩としての集まりがありました。
JICA草の根技術協力事業で実施している活動の一つ、
「地域子育て支援ネットワーク」
2015年で終了した事業では、
カノア・ケブラーダ地区に創設し、
根付かせることが目的でしたが、
昨年より、
市内の対象6地域にこのネットワークの創設をすべく、
活動を開始しました。

昨年はカノアのメンバーに対する研修を行い、
それぞれが、
他地域に創設の手伝いをすべく、
トレーナーとして学んできました。
そして本日、
対象6地域…のはずが、
うわさを聞き付けた他の地域の方も参加して、
「地域子育て支援ネットワーク」
創設に向けての第一歩。

市民(コミュニティーリーダー)が中心となり、
自らの地域で活動するネットワーク。
このネットワークには
様々な職種の人が参加し、
活動を共にすることが根本としてあります。
今日の会合にも
保健局、社会福祉局、教育局からの参加者をはじめ、
市内にある大学関係者、
市議会委員も参加するなど、
アラカチ市において、
このネットワークが重要視されていることが伺える場となりました。

ポジティブなエネルギーを受け、
私自身もよりエネルギーを得た今日。
今後の活動にも大きく期待したいところです。
皆様ぜひ、
楽しみにしていてください!!
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2009年に保育園での菜園づくりのために掘られた井戸。
モーターと手漕ぎで汲み上げる井戸だったのですが、
モーターの故障と、
手漕ぎ部分の劣化により、
ここ数年、
使用することができていませんでした。
一昨年から、
私たちが住む地域でも水不足が深刻となり、
水脈がある、
水が豊富な村にもかかわらず、
蛇口をひねっても水が出ない…
そんな状態が数日続くことがありました。
我が家は屋内に大きなタンクがあるので、
水不足を感じることはほとんどなかったのですが、
タンクのない家では、
昔のように湧水を汲みに海岸を歩いたり、
井戸のある知人宅を訪れて水を確保したり…
という光景を目の当たりにしました。

昨年。
せっかく掘った井戸。
地域のためにも修繕した方がいいのでは?
という声が高まり、
この度、
井戸が復活しました!!

井戸の復活とともに、
子ども達や地域住民の皆さんと、
環境問題を考えるきっかけとして、
講座の開催や、
地域の環境保全のための活動も実施予定です。

水。
人の生活にはなくてはないもの。
水が井戸からあふれたときの感動。
水がキラキラ輝いて見えました。
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※井戸の修繕等はLUSHジャパンによる支援で行われています。

昨年から実施している、
「JICA草の根技術協力事業」による活動。
2年目となる今年、
新市長となり、
関係者が異動を繰り返す中、
アラカチ市教育局、社会福祉局は協力体制を崩さず、
新体制となった今でも、
活動を順調に進めることができています。
ただ、
参加者が変わったり、
直属の指導者が変わったりと、
昨年度の活動を補講する形で、
現在活動を続けています。

新しい参加者の教員たちも、
皆一様に積極的に参加してくれており、
時間にルーズと言われているブラジル人にもかかわらず、
15分前には参加者22名中15名が既に到着しているという、
とても嬉しい状況が続いています。

今年は各学校に足を運び、
演習を行っていきます。
実際に他の教師に自分たちで伝えたり、
生徒たちに授業をしたりと、
今までとはまた異なる体験がたくさんできそうで、
私は今からとても楽しみにしています。
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