光の子どもたち in Canoa

日本とブラジル、2つの国の中から感じたこと、気づいたことを発信するなんでも日記。ブラジルからは、大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

タグ:カノア

22503283.jpg日本から無事ブラジルに戻り、
3日くらい、
娘が時差ボケのために午前3時に起きていたため、
夜中から活動し、
5日経つころに次女が突然発熱で
インフルエンザかと心配し、
(ただの風邪でした…疲れでしょうとのことです)
と、
なかなかブラジルのリズムに戻れない私です。

そんな中、
現在カノアにいる
4人のボランティア、
特にスウェーデンのボランティアには
心から感謝です。
自分の特技を生かし、
英語&歴史の教室を開講し、
子どもたちの補習授業も行い…
体調を崩しながらもがんばってくれています。
現在公立の学校が教師のストライキにより
4週間前から休みということもあり、
その間、
子どもたちの欲求にもこたえてくれていたみたいです。

ボランティアに甘えるだけでなく、
私たち教職員もがんばらないと。。。
一人一人が
自分のできることを行うだけで、
こんなにも良くなることがある。
それを目の前で見られることに
幸せを感じてしまいます。

961f1cc7.jpg昨年の2月。
私たちは一つの可能性を
この村で発掘しました。
正確には
一つではなく“一人”です。

彼は手先が器用で、
もともとモノ作りが好きでした。
私たちが木工細工の講座を開催したところ、
彼の才能は花開き、
講師としてきていた
モンチ・アズールのパウロは

「可能なら、
彼を最低一ヶ月、
モンチ・アズールで研修させてみないか?
もっといろいろなことを体験して、
学ばせてみたいんだよ」

同じころ、
村のためにと寄付を受けていた私たちは
その支援金を彼の
“国内留学費用”
に使用することにしました。

それから一年。
また講座が開催され、
彼はアシスタントとして参加。
自身もたくさんの作品を作り、
昨年から週に一度、
子どもたちのために木工教室を開いています。
そして今回、
私たちは彼の才能をもっと伸ばしてあげたいと、
家具などのデザイン、設計を学ぶための
学校を探しています。

一つの花が、
開いたとき、
そこからいくつもの
芽が育つこともある。
私たちはそんな可能性に
嬉しさを隠せませんでした。

20e39b1e.jpg先日、
カノアのエステーヴァン村きっての青年漁師
“ZAZINHA”
からこんな話を聞きました。

「おれは本当にラッキーだよ。
いろんな国に行くことができて。
だって、
どこにいっても、
ここ以上に素晴らしい海は見たことがない。
どこにいても、
この海を思い出しては
帰ってきたくなる。
当たり前にあるものこそ、
大切なものだったりするんだよな」

そうなのです。
私もそう感じた一人でした。

ひょんなきっかけでブラジルと出会い、
それまであった概念が
根底から覆されました。
それと同時に
自分がどれだけ恵まれていたか、
たくさんのことに気付かせてもらいました。

だからこそ、
ぜひとも皆さんにも

“20代で旅をするべし”

と言いたいです。
そこから人生を大きく狂わすようなでき事に
出会うかもしれません!?

fbdc5a3f.jpg先日行った教育者養成講座。
話の中でふと思い出したことがありました。

以前、
私と教師2人で街を歩いていた時のこと。
観光で訪れていたイタリア人に
話しかけられました。
そして、
何とも面白いことを言われたのです。

「あなたたちは
3人で一つだね。
一人は頭脳、
一人は愛情、
一人は頑強。
それが一人一人豊かにあって、
混ざり合っているようだ。」

その後、
何かを成し遂げるときに
これら3つは基本になるものだという話を聞きました。

私たちはお互いに異なる存在で、
だからこそ意見がぶつかることも多々あります。
それでも、
異なる目線から出される意見は
どれ一つとってみても
大切なものばかりなのです。
お互いを受け入れ、
それを生かしながら
活動を行っていく。
簡単なことではないかもしれませんが、
私たちがここで一緒にいるということは
偶然ではないような気がしてなりません。

私たちは皆、
これら3つを持ち合わせていますが、
それをバランスよく生かすこと。
人間としてのバランスを
考えさせられる言葉でした。

7a773922.jpg11月7日(金)。
Projeto Desenvolver
という、
政府による総合プロジェクトの中の
環境教育に関する部分で、
私たちはその中でも
「植林」
「畑づくり」
のプロジェクトに参加することになりました。
調査の段階では、
青少年グループが積極的にかかわっていたのですが、
当日、
金曜日ということもあり、
学校があったりで
参加したのは
午前中にたった一人。
そのため、
ボランティア2人が朝から夕方まで
畑づくりをがんばってくれました。
午後には青少年グループのうち
5名が手伝いに来ましたが、
20分ほどでいなくなってしまいました。
指導してくれていた専門家は
落胆を隠せず、

「ほかの地域では
10〜15名が朝から夕方まで
一緒に働いていたのに、
ここは本当に最悪だ。
地域の人が参加しないなら、
何のためのプロジェクトなんだ!?」

とおっしゃっていました。
本当にその通り。
私たちの活動に共感してくれ、
今回のプロジェクトへの参加を促してくれただけに、
私自身も
とても悲しく、
そして、
彼にかける言葉も見つかりませんでした。

私たちは地域の問題に取り組み、
よりよい生活となるように
彼らを応援しています。
しかし、
彼ら自身が問題を意識し、
動かなければ
何の意味もありません。

今回、
再びそのことを突き付けられました。

彼らが必要だと感じていないなら、
それが問題として感じられることであっても
それに取り組むべきかを考慮するべき。
なぜなら、
ここは彼らの村で、
これからも彼らが生活していく場所なのだから・・・

761637c6.jpg現在、
着々と工事の進んでいる風力発電。
ここカノアでは、
3基目の設置をしているところです。
住民協会の努力により、
予定よりも大幅に減らされて、
5基の設置が確定しているカノア。
もう一つの設置地域、
クンビでは、
残念ながら当初の計画通り、
64基が設置されるそうです。
クンビは
河口付近にある町で、
海にもほど近く、
自然も豊か。
マングローブの生息地でもあります。
そして、
以前はジュゴンも
出産と育児のために
この地域に来ていたとか。
しかし、
エビの養殖が始まり、
自然が汚染され、
マングローブも危機的な状況にあります。
そこにきて、
風力発電。
クンビには
たくさんの水脈があり、
アラカチ市の多くは
クンビから吸い上げた水が配給されているそうです。
しかし、
今回の風力発電計画により、
水脈がほぼ切断してしまうらしく、
水道局は
今後5〜10年以内に
アラカチ市の水は絶えてしまうだろうという見解を
出しました。

カノアでは
エステーヴァン村に水脈があり、
そこから配給されているため、
この被害にあうことはありませんが、
それでも計画通りに進めようとしているとは
いったい何を考えているのでしょうか?
人が生活していくために
水は必要不可欠です。
それは、
電気よりも重要であるといえます。

今後の進展を
見守っていきたいと思っています。

a4d90bd8.jpg10月19日。
「劇団 エステーヴァン」
が公演を行いました。

エステーヴァン村の名前由来ともなった
エステーヴァンさんの物語。
昔を思い出して、
エステーヴァンさんの子ども達、
その孫、
みんなが
悔いるように観劇し、
笑い、
涙し、
思い出にふけていました。

この劇を行った青少年たちも
昔の生活を知り、
物語を自らの言葉で語るなかで
多くの学びがあったことと思います。

時間通りに開園された今回の劇。
ブラジルではお馴染みの

“定刻から30分後”

ではなかったために
観客の半分は
劇半ばからの観劇だったため、
年末に再公演しようか…
という話もしています。

素晴らしい劇を、
本当にありがとう!!!!

3ea24c85.jpg先日、
村の母親たちと話していた時のこと。
私が長女と次女の違いを、

「長女のときは何をやるにも慎重で、
寝返りを打つときも、
つかまり立ちをするときも、
何度もトレーニングしていたのに、
次女は
“今だ!!”
と思うと次には
できるようになってる。
おもしろいよねぇ〜」

と話していると、
ある母親がこんなことを言いました。

「覚えてる?
あなたは長女の出産のとき、
前駆陣痛がひどくて
出産かと思って3度も病院に行ったでしょ?
次女のときは
検診に行ったら
今すぐ入院して下さいって言われて、
分娩室に行く間もなく生まれちゃったじゃない。
この違い。
生まれながらに
子どもは個性を持っているって
ことなんじゃない?」

なるほど。
納得してしまいました。

出産と子育て。
身近なようで、
こんな風に考えたことはありませんでした。
これでますます
子育てが楽しくなりそうです。

ef987f11.jpg教育者養成講座では、
必ず芸術を一緒に取り入れます。
講義をただ聞くだけではなく、
芸術を通して体験していくことで、
学んでいることを実感してもらいたい。
そんな願いがあります。

さて、
今回は粘土細工でした。
まずは片手で丸を作っていきます。
右利きの人は左手で、
左利きの人は右手で。
丸を作っていくのには神経を使い、
集中しなければ上手に丸められません。
ちょうど両手で包みこむくらいの大きさの丸ができたら
それを持ってみんなで輪になりました。

「隣の人に順番に渡していって。
そして、
感じるの。
ただ、
触りながら感じてみて。」

そう言われ、
みんなは一つ一つ、
回ってくる球体の粘土を
両手で包みこみながら
感じていきます。

同じ粘土で作った、
同じ大きさの、
同じ球体。
それなのに、
温かいものもあれば、
冷たいものもある。
軽く感じるものもあれば、
重たく感じるものもある。
面白いほど、
一つ一つは違います。

3日を通して、
さまざまな作品を作りました。
最終日には展示会を開きました。

その作品一つ一つ、
個性が感じられます。

“魂が込められているからだよ”

ある教師はそう言いました。

言葉だけではなく、
体験で学んでいく。
本当に素晴らし経験ができたと、
参加者全員が満足気だったことが
本当に嬉しかったです。

25e2118d.jpg9月19日から3日間。
教育者養成講座が開催された。
今回のテーマは

「魂と精神=生涯教育」

子どもたちと向き合うとき、
もし私たち自身のことを知らなければ
どうやって理解し得ることができるのだろうか?

知識を蓄え、
学びを得ても、
なかなかそれを実行できない。
もしくは、
どうやればいいのかわからない…

そういうことってよくあると思います。
だからこそ、
私たちはまず、
自分自身に目を向けなければいけません。
自分自身を知ること。
自分の内面を見つめること。
これなくしては、
子どもの前に立つことは難しいのではないでしょうか?

自分を信じられないのに、
どうして子ども達が信じてくれるのでしょうか?
自分を好きではないのに、
どうして子どもたちが好きになってくれるのでしょうか?

単純だけれども、
とても大切なこと。
それを学ぶ機会となりました。

自分を見つめなおす。
まずは寝る前に一日を思い出すことから始めてみませんか?

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