光の子どもたち in Canoa

日本とブラジル、2つの国の中から感じたこと、気づいたことを発信するなんでも日記。ブラジルからは、大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

タグ:留年制度

9月29日付の「gazetaweb.com」の記事によると、
ブラジルの15歳の生徒の内、
34%が、
留年をしているとのこと。
実は、
15歳の子どもの中には、
既に学校に通っていないという子も多くいます。

15歳というと、
中学から高校に上がる年齢。

ブラジルには留年制度があります。
そのため、
年度末には進級テストが行われます。
そして、
日本でいう、
小学校から中学校に変わる、
5年生から6年生に上がる学年では、
留年する児童が増加する傾向にあります。
そして、
この15歳。
義務教育課程は9年生まで。
日本でいうところの中学3年生。
この学年にいる生徒の多くは、
15歳となります。
この学年の子どもの留年率が高いということは、
中学卒業レベルの学びを得られていない生徒が多くいるということを意味しています。

私は個人的に、
留年制度はうまく活用すれば素晴らしいものだと考えています。
1年間で授業を十分に理解できなかった児童や生徒に対して、
異なる方法で、
その課程を学べるように工夫し、
翌年に進級できるようにする。
もしそれが可能なのであれば、
子どもの時間やリズムに合わせて学ぶことができる制度だと思うからです。

ただ、
ブラジルの公立学校において、
留年した生徒は、
翌年、
同じようにまた授業を受け、
そして留年する…
その結果、
ドロップアウトしてしまうという現象が起きています。

34%の留年した生徒。
はたして彼らは、
その後、
学校に通い続けているのでしょうか?

全ての児童、生徒が学ぶことができる環境。
学校がそういう場所となることを、
願っています。

ブラジルでは毎年のように教育改革が行われており、
その中の一つとして、
留年制度の廃止というものがありました。
今までは年末が近づくと、
試験や担任教師の評価があり、
それによって進学及び留年が決定されていました。
三年ほど前、
留年制度廃止により、
すべての児童が進学できるようになりました。
その結果、
ここ数年で
識字率が低下、
学校への通学率減少など、
様々な問題が起こり、
昨年末、
ここアラカチ市では
留年制度の再度見直しが試みられ、
今年に入り、
エステーヴァン村の小・中学生をみてみると、
なんと、
80%が留年したことが分かりました。

留年制度は悪いことばかりではなく、
個々の発達によって進学することができるという
メリットもあります。
ただそれを実現させるためには
教師の力量が問われる事になるでしょう。
80%留年となった今年、
その子ども達が来年進学できるように
学校では取り組みが行われているのでしょうか?

留年制度の再度見直し。
今後どのようなことが起こるのか、
見守っていきたいと思います。

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