光の子どもたち in Canoa

日本とブラジル、2つの国の中から感じたこと、気づいたことを発信するなんでも日記。ブラジルからは、大自然を今に残す“カノア”における奮闘の日々をお伝えします。 『本当の豊かさってなんだろう?』キラキラ輝く子ども達の目に惹かれてやってきたこの村。『子どもが子どもらしく子ども時代を幸せに生きるためには?』という疑問を探す旅は今も続く・・・

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JICA草の根技術協力事業として現在実施中の事業において、
5月17日から6月1日まで、
秦野市教育委員会と協働で実施した本邦研修。
本日無事に、
ブラジル国セアラ州アラカチ市の教員2名の研修が終了しました。
秦野市が作成した動画がありますので、
ぜひご覧下さい!


私自身も、
小学校高学年の時に入ったマーチングバンドでトランペットを吹いていたことから始まり、
中学校は吹奏楽部に在籍していました。
そして今、
二女も中学校で吹奏楽部に在籍しています。

ブラジルで5年ほどでしょうか。
地域の楽団を支援していたことがあります。
サッカー教室などはあっても、
運動ではなく、
音楽や絵などが好きな子ども達は、
それを生かせる場所がありませんでした。
そんな中、
保育園や学童教室で行っていたリコーダーに触れる機会を経て、
楽団への支援とつながっていったのです。
初めて楽器をもつ子ども達の笑顔。
今でも忘れられません。
その時に私が話していたのは、

「子ども達に、
勉強だけでなく、
スポーツや文化芸術に触れる機会を作る大切さ」

でした。
日本の学校を例に挙げ、
授業の中だけでなく、
部活動というものがあり、
学校の中でスポーツや文化芸術に触れることができるということ。
そしてその中で、
知識や知能以外の経験や体験を積み、
人生への糧となるものを学んでいくこと。
私の中でそれは、
子ども達にとって平等に与えられた、
かけがえのない時間であると感じるのです。

今、
部活動に関して大きな変革のときといえます。
だからこそ、
貴重な機会を守れるにはどうしたらよいのか。
削除するだけでなく、
どうすれば学校の中で継続していくことができるのか。
ぜひ考えてもらいたいと思っています。


「道徳」
が新学習指導要領において教科と位置付けられてから久しいですが、
私自身も、
ブラジルで実施している、
「ライフスキル教育」
を導入するにあたり、
日本でいう、
「道徳」
「総合的な学習の時間」
この2つをうまく取り入れたいと考えてきました。
昨今、
日本の学校教育の中で、
道徳が大きく変わろうとしています。
今回の「青翔開智中学校・高等学校(鳥取県鳥取市)」での取り組みも、
これからの子どもたちを考えていく中で、
大切なことがたくさん詰まっていると感じました。

「これはしなやかな心で俯瞰して自分を見ることで、
現代風にいえばレジリエンス(※2)とメタ認知(※3)が備わった状態であると感じたのです。
また、
この2つのスキルがあれば、
生徒たちはアサーティブな状態に身を置けるのではと思いました(下記サイトより一部抜粋)」

この2つの状態を備えることができることで、
子どもたちの自己肯定感は確実に向上するだろう。
そんなことを感じました。

詳細は下記↓

「ICT環境の整備」
「主体的・対話的で深い学び」

昨今、
学校教育では目にしない日はないのではないかと思うほど、
新しい教育に向けて、
取り組んでいます。

その中で、
「中央大学附属中学校・高等学校(東京都小金井市)の図書館では、日常的にさまざまな教科の授業(下記サイトより一部抜粋)」
が行われているという記事を目にしました。

図書館で授業。
しかも、
図書館独自のポータルサイトを作ってしまったというのだから、
すごい。

「教科横断型の探究活動や教員の教材研究などに日常的に活用(下記サイトより一部抜粋)」

私自身、
教科にとらわれず学べる仕組みというものに興味があり、
子ども自身がテーマに沿って、
学びを進めていく。
そんな体制が学校の中でできたら素晴らしいと、
考えています。
その一つとして取り組んでいるものが、

「ライフスキル教育」

です。
ただこれは、
ブラジルの田舎町の学校で実施しているものですが、
それでも、
子どもの変容、
教師の質の向上、
などにつながっていくと信じています。


こども環境学会のシンポジウムの中で、
「人生の根っこ」
という話(竹内延彦先生:長野県北安曇郡池田町教育長)がありました。
私はよく、
この話をカノア保育園のスタッフにします。
なので、

「おっ、この話を聞けるとは!!」

という嬉しさがありました。

「誕生の瞬間から小学校入学までの6年余りの乳幼児期は、
知能や心理面において著しく成長する」

だからこそ、
乳幼児期は

「人生の根っこ」

であり、
非認知能力(自己肯定感や創造性など点数化しにくい能力)
を早期から育むことの重要性が大きく注目されています。

※非認知能力に関しては、
ノーベル経済学者のジェームズ・ジョゼフ・ヘックマンの著書、
「幼児教育の経済学」
で指摘しているので、興味のある方はこちらをどうぞ。

この非認知能力。
それはどうやって育っていくのか?

「子どもの自主性や主体性はやりたいことの中でしか育たない」
ということからも分かるように、
子どもが自ら遊ぶ中で育つ。
だからこそ、
その環境を整えるのが、
大人の役割なのではないか?
と、
私は今、
考えています。

大人の関りは、
不足しても、
過干渉であっても、
子どもの育ちに問題が生じてしまう。
子どもにとって、どうあるべきなのか?
それを常に考えながら、
目の前の子どもを観て、
私たちは日々、関わっていく必要があるのだということを、
再認識させてもらいました。

令和を生きる「子どもたちが育むべき資質・能力」とは?
一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、
あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、
多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、
豊かな人生を切り拓き、
持続可能な社会の創り手となることができるよう、
その資質・能力を育成することが求められている
出所:「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申)

「新学習指導要領」
が施行され、
子どもが主語の学校教育を目指していかなければならない。
実は、
こうした動きは既に始まっており、
学校の中でもそれが本格化してきたといえるのかもしれない。

「子どもたちを信じて寄り添う教育に転換していくべきだ。
教えたからといって、
伝わっているとは限らない。(本文より一部抜粋)」

子どもと共に学ぶ。
それにはどうしたらよいのか?
子どもと共に、楽しむ姿勢。
これがまず1番に必要なことかもしれない。

乳幼児から児童、そして生徒へ。
子どもが成長していく過程で、
私たち大人も日々学んでいく。
それが面白、楽しいと思える毎日を、
私たちは過ごしていきたい。



私たちは今、
子ども達をどのように育てていけばよいのか。
何がこれからの社会にとって必要となるのか。
その転換期といえるかもしれません。
その代表的なものが、
「新学習指導要領」
です。


この指導要領の中で大切なのは、
今までになかった
“前文”
にあるそうです。

「「自分のよさや可能性を認識するとともに、
あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、
多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、
豊かな人生を切り拓き、
持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる」

つまり、
従来どおり「個人の成長」を重視しながらも、
新たに「社会人としての役割」が加わったのです。(一部抜粋)」

この文をきちんと理解し、
受け止め、
かみしめながら、
目の前にいる子どもたちに接していかなければならない。
そして、
教えていく必要がある。
そのことを私たちは、
知るだけでなく、
行動で示さなければいけないのです。

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